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[小説]N.H.Kエアコン争奪戦!!(プロローグ)

「ふ~~…今日は暑いわね…」 そう言ってため息をつき、ワイシャツのボタンを 上から2コまでゆるめ、団扇で扇ぐ、芹子。 「や~ん♪芹子ちゃんってば、ダイタ~ン♪ウフフフフッ」 ゆるめたワイシャツの合間から見える、 芹子の白い肌に、ハインリヒが...
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[小説]純情青年の憂鬱(終)

2週間後。 今日も、いつものように、朝が始まる。 二駅分のラッシュに耐え、会社の最寄り駅で降りる、橘。 (はあぁ……さて…今日は忙しくなりそうだな…) 頭の中で、今日のスケジュールを立てる。 「おはようございますっっ!!!」 いつか、似たよ...
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[小説]純情青年の憂鬱(3)

次の日、終業時間直前。 昨晩の電話で、橘と待ち合わせをしていたみひろが、 待ちきれなかったのか、会社までやって来た。 「えへへ…来ちゃった」 照れながら、みひろが微笑む。 橘はもう、動じなかった。 橘は、これから彼女に言うべきことを頭の中に...
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[小説]純情青年の憂鬱(2)

次の日。 橘は、昨日の出来事が頭から離れず、仕事もロクに手が着かない状態だった。 「はあぁぁ………。」 仕事の手を止めたかと思うと、深いため息をつく。その繰り返しだ。 「…ど、どうしたの?大島さん…なんか嫌なことでもあったの?」 同僚の愛子...
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[小説]純情青年の憂鬱(1)

ガタタン…ガタタン… ”ご乗車ありがとうございます。ええ~次の停車駅は~…” いつものように、朝が始まる。 電車は、通勤ラッシュで人がごった返している。 その黒山の人だかりの中に、今日も大島 橘はいた。 (勤め始めて1年経つけど…ラッシュっ...
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[小説]―― 6月 ――(終)

そして現在。 折り畳み傘を握りしめたまま、ボーっとしている眞妃。 「……ちゃん」 「…きちゃん」 「眞妃ちゃんっ!!」 「えっ!?」 不思議そうに、眞妃の顔をのぞき込む、ハインリヒ。 けれどもその直後、 「ねえねえっ!昨日新発売のファンデー...
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[小説]―― 6月 ――(4)

次の日の朝。 (何だろう…頭がすっごく重たい…) 眞妃は、自宅のベッドに横になっていた。 (あれ…?私…確か明のマンションにいなかったっけ…?) それで、明の従兄弟に会って… 明の従兄弟はオカマで、そんなに悪い人ではなさそうだった。 だから...
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[小説]―― 6月 ――(3)

お互いの想いを確認し合った二人は、それからの季節を共に過ごしていった。 昼は、仕事に励み。 夜は、眞妃の指導による日本語の勉強。 時には、眞妃が明のマンションに泊まり、食事を作ったりした。 その甲斐もあってか、明の日本語はどんどん上達してい...
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[小説]―― 6月 ――(2)

仕事もようやく慣れ始めた、10月。 「成沢さんが来てくれて、ホントに助かったわ。 経理の仕事って、はっきりいってそう簡単なものじゃないのに、 あなたってば、一度言っただけですぐ覚えてしまうんですもの」 「そんな…瀬上主任の教え方が上手いから...
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[小説]―― 6月 ――(1)

6月28日。 経理部の成沢眞妃は、いつものように、 帳簿とにらみ合いながら、電卓を叩いていた。 ……サ――――――――ッ…… (……あら……?) 突然涼しげな音がした。 眞妃は、そっとブラインドの隙間から外を覗いてみた。 (雨かぁ……これは...