[NEWS] 早朝の惨事

○刊ねぎ秘密結社ニュース

早瀬:こんな朝早くにすいません、瀬上部長。
ちょっとこの件で確認したいことがありまして…

奈津恵:別にいいのよ、いつもある程度早めには出社してるし。で、何かしら?

早瀬:えー、まずこの書類なんですけど……

 

プ―――プップ―――――!!
……―――キキキキキキ―――――!!
ドスッ!!

 

早瀬:!?

奈津恵:ちょっ……何!? 事故??

早瀬:すぐそこの交差点からみたいですね……ちょっと見に行って

 ”トゥルルルルッ ”

早瀬:あ…電話が

(その後立て続けに別件で電話がかかってきて、外に出れない二人)

早瀬:…ふぅ、ようやく(電話が)片づいた…だいぶ時間が掛かってしまったけど…
そういえばパトカーや救急車の音もしないですね…大したことなかったんですかね。

奈津恵:そういえばそうよね……まぁ、大したことないならそれに越したことはないわ。
で、さっきの書類の件は……

早瀬:あ、すいません。これなんですが…

夜半:おはよう

奈津恵:あら、おはようございます。白鳥さん今日は……きゃあ!!??

早瀬:おはようご……ちょ、白鳥部長!??

夜半:ああ、さっきそこで…ついうっかり寝ながら赤信号渡っちゃったら
トラックに撥ねられちゃって。おかげで目が覚めたけどね。

早瀬:ついうっかりで済まされる怪我じゃないですよそれは!!

奈津恵:か、顔から身体から血だらけじゃないの…!!って片脚が変な方向に曲がってるわよ!?

夜半:ん、たぶん折れてる。まぁなんとか歩けるからいけるいける。

奈津恵:良くありませんっ!!!いいから、早く病院に!救急車呼ぶから!!

夜半:治療費勿体ないからいいよ。ほっとけば病院行くより早く治るから。

早瀬:って…白鳥部長の歩いてきた後を見ると、
明らかに致死量の出血だと思うんですが…。。

夜半:まぁ、死にゃしないから大丈夫。…とはいえ、止血くらいしないと掃除が大変だよね。

奈津恵:…ま、まぁ貴方が死なない身体なのは知っていたつもりだけど…
見てるこっちが痛いわね…

というか、死なないにしても…貴方自身は痛くないの?

夜半:痛いに決まってるじゃないか。

早瀬奈津恵:(だったら痛そうな顔してくださいよ)

夜半:ああ、でも……

奈津恵:でも?

夜半:奈津恵ちゃんのハリセンよりは痛くないかな。

奈津恵:骨折や大量出血よりハリセンのが上なわけないでしょっ!!!!
(スパ――――ン!!)

早瀬:(…早い!)って瀬上部長!怪我人怪我人!!(汗)

夜半:痛いってば…右脚が更に変な方向に曲がっちゃったじゃないか…ああ痛い。。
そのハリセン痛いんだよ…なんというか、物理的にじゃなくて…
精神的にというか、脳髄に「来る」というか…

奈津恵:はいはい、もういいわよ。ほっときゃ治るっていっても止血はしないといけないし
骨折部分もちゃんとした位置に固定しないとまずいでしょ。奥田君救急箱。

早瀬:(なんか瀬上部長もう全然心配してない…)は、はいわかりました。

夜半:あ、そうそう。トラックの運転手から名刺もらった。
救急車も治療費も特に要らないって言ったんだけど、
なんかあったらここに連絡くれって…

奈津恵:そりゃ普通の人間だったらその状態の貴方を放っておくわけがないわよ。
まぁ一応通勤途中での事故だし、何かあるかもしれないから奥田君に預けておいて。

夜半:はい(手渡す)。血で読めないかもしれないけど。

早瀬:(…血の痕が生々しい。。)
ふむ…「那須野エクスプレス(株)奥田山……音………………。

奈津恵:? 奥田君、どうしたの?

夜半:珍しい苗字でもないから、ただの偶然かと思ってたけど、もしかして身内とか?

早瀬:……えぇ…その……です……(頭を抱える)

夜半:へぇ。世間は狭いなぁ。

奈津恵:あら、身内なら話は早いわね。内心
「車に撥ねられても平気なバケモノがこの会社にいる」って

変な噂立てられやしないかと、ヒヤヒヤしてたのよ。

夜半:奈津恵ちゃんすっごいさりげなくバケモノとか言うし。間違ってないけど。

奈津恵:そう言われたくないなら大人しく救急車でも呼んでもらえば良かったじゃない。

夜半:えーだって医者に診てもらうまでに治るもんなぁ、絶対。

奈津恵:(溜息)…まあ、奥田君。白鳥さんは見ての通りこの様子だし、
気にしなくていいんじゃない?

早瀬:…そ…そんな…
そんな脳天気に片づけられる事態じゃありませんっこれは!!!
本当にすいません白鳥部長!私からも謝らせてくださいっ!!
もちろん弟には全て責任を取らせます!!

夜半:や、別にいいってのに。そもそも俺が寝ぼけて歩いてたのが悪……

早瀬:弟もすぐに呼び出して謝らせます!!病院にも連れて行きます!
治療費も全て払いますから!

ちょっと待っていて下さい!!(走ってその場からいなくなる)

夜半:あー…行っちゃった。だーから平気だって言ってるんだけどなー

奈津恵:奥田君、頭に血が上ると何も見えなくなるからね…真面目だし。
…まぁ、あれが普通の人間の反応なんだろうけど、ね。

夜半:病院なんか連れてかれてもホントお金が勿体ないだけなんだって。
……ほらほら、もう治ったし。(右脚をぷらぷらさせる)

奈津恵:…貴方のその体質は、周りの人間は慣れが必要ね。。

夜半:しかしまぁ、どうしてもと言われたら、服が血だらけでダメになっちゃったから
新しい服でも買ってもらおうかな。しま●らあたりで。

奈津恵:それにしても、早い時間で良かったわ。
こんな血だらけのオフィスを総務部の女の子達が見たら…

ま、さっさと掃除しましょう。

夜半:俺は傷が治ったら眠くなってきたから寝る。

奈津恵:寝るな――――!!!(スパ――――ン!!)
貴方も掃除しなさい!!

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