(ホワイトデー商品売場)
八雲:うーん…どんなのがいいのかな…。普通のクッキーあげるのも芸がないしなぁ…。
大空:おおっ?やっくもくーんじゃーん!おっすおっす!
八雲:(若干うざったそうに)……なんだ、君か。相変わらず騒がしいなぁ。
大空:君かーとかつれないなぁ!奇遇じゃん!八雲君もホワイトデー選び!?
八雲:……まぁね……というか、君もホワイトデー?意外だね、あげる人なんているんだ。
大空:意外ってひっでえ!俺だってホワイトデーあげる女の子のひとりとかひとりとか!
八雲:一人なんだね…。
大空:八雲君モテそーだからたくさん買いそーだな!
八雲:俺だって一人だよ。
こんなもの姉さん以外の女にあげるなんて俺にとって意味はないよ。
大空:姉さんキタ―――(≧▽≦)―――!!!!八雲君はやっぱそーじゃなくっちゃ!
八雲:(なんとなくイラッ)……
いつもなら「ホワイトデーのプレゼントは身体で」なんて言って
毎年殴られてたけど今年はちゃんと弟らしく渡そうと思ってるしなぁ…。
大空:いいなぁ俺も殴られたい!
八雲:…………。
でもまともにホワイトデーのプレゼントなんて買うの初めてだから
何がいいかわからないや。…参考までに、君はどういうの買うの?
大空:俺もあげたことないからワカンネッ(≧▽≦)!
八雲:君に期待した俺が馬鹿だったよ。
うーん、こういうのに詳しそうな知り合いなんて俺いないしなぁ。
大空:うーんそーだなー、仙波君でも呼ぼっか!
八雲:仙波くん?……彼確かにモテそうだし、こういうの選ぶのも得意かも…。
でも連絡先知らないしなぁ。なんか警戒して教えてくれないし。
大空:俺知ってる!
八雲:なん……だと……
大空:ふふふふ……俺を誰だと思ってる!
仙波君が逆らえない大島主任の部下であるぞっ!
大島主任経由で教えてもらったもんね~~♪
八雲:そ、そんなコネが……
大空:とりあえずメールってみる!
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To:仙波継人
From:青木大空
おっす俺ヒロシ!
大変だ!たいへんなんだ!
今すぐ仙波君の助けが必要なんだ!
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(3分後)
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To:青木大空
From:仙波継人
は?意味わかんねーよ
うぜーからメールしてくんな
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八雲:ぷぷ……君嫌われてるんじゃん
大空:∑( ̄□ ̄;)仙波君のバカー!こんなんじゃめげないんだからっ!
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To:仙波継人
From:青木大空
お願い仙波君すぐ来て来て来て来て来て(中略)
来て来て来て来て来て来て来て来て!
来なきゃ死んじゃう!アルコール一気飲みして
アルコール中毒で死んでやる!やるんだからー!!
○○百貨店のホワイトデー売場で死んでやるー!!
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(15分後)
継人:(すっごく機嫌悪そうに現れる)
大空:(^▽^)ホ~~ラ来た! 仙波君ありがとー!
八雲:あんなメールで来るなんて、仙波くんホントにいい人なんだなぁ。
継人:……よりによって変態東堂弟まで一緒なのかよ……
ところで何なんだよ。どんな一大事があったってんだ?
大空:ホワイトデーのプレゼントなににしていいかわかんない><
八雲:仙波くんなら女の子にモテそうだし、色々詳しいかと思って。
継人:くだらねえことで呼ぶな!
大体お前ら、ホワイトデー買うってことは当然、
バレンタインのチョコ貰ったんだろうな?
八雲・大空:もらってない!(声をそろえて)
継人:(がっくり)貰ってもねぇのにあげるのか?
ホワイトデーなんて、バレンタインに貰ったお返しする日だろ。
大空:ノンノンノンノン! 仙波君古い! 今、バレンタインですら、
「女の子から、好きな男の子にチョコをあげて告白する日」という概念が
なくなりつつあるんだから、ホワイトデーが好きな女の子に男からクッキーとか
あげる日であってもいいと思うんだっ!
継人:……はぁ、まあオレは関係ねーし別にどうでもいいけど。
で、誰にあげるんだ。まぁてめー(八雲)はどうせ姉貴だろうけど。
八雲:よくわかったね。
継人:てめーが姉貴以外の誰にあげるか答えるほうが難題だっつの。
大空:俺は氷雨ちゃんにあげるっ(≧▽≦)♥
継人:誰だそれ。
大空:購買部の!黒頭ショートでちっちゃくてかあいい女の子だっ!ついでに貧乳だっ!
継人:購買部……あぁ、前にそっちの方行ったらすれ違って、なんもしてねーのに
すげー勢いで睨んできたあのちびっこい女か……。
大空:氷雨ちゃん男嫌いだしね!そーいうとこがサイコーだよね!!
継人:理解できん。
…まぁ…本命だってなら、オレが選ぶんじゃなくてちゃんと自分で選ぶんだな。
その方が気持ちもこもるんじゃないのか。
大空:え~~~それがわかんないから呼んだのにぃ~~~><
継人:(ため息)……じゃあ、試しに「これだ」って思うのものをそれぞれ持って来い。
評価してやる。
八雲・大空:はーい
(物色すること1時間)
大空:よし、俺これにする!「面白い変人!」たぶん白○恋人のパクリだろうけど
男嫌いの氷雨ちゃんにはLOVE!!って感じのは引かれちゃいそうだから!
継人:よくそんなの見つけてきたな……。というか告白するんじゃねーのか?
ギャグ路線で行き過ぎて恋愛対象にさらに見られなくなったらどーすんだ?
大空:現時点で全く見られてないけどねッ(≧▽≦)………………..orz
八雲:うーん、悩んだけど俺はやっぱりこれかな。
高級感のある大きいハート型のケースに入ったクッキー。
まあ、本音を言えば俺の姉さんに対する愛情は
こんなハートくらいじゃ表現できな(ry
継人:てめーはもうちょっと
弟らしいもんをやれ。
………よし、いいこと思いついた。お前ら今選んだもの交換して、相手にやれ。
八雲・大空:(´□`;)えぇ~~ !?
八雲:こんな、「面白い変態」なんてお笑い路線のクッキーあげたら
姉さんに変態だと思われるし、俺の愛情が伝わらないじゃないか。
大空:変態じゃなくて変人だってば!
ってかこんなでっかいハート、氷雨ちゃんにあげたら、
俺が氷雨ちゃんをエロい目で見てるってバレちゃうじゃん!
継人:…お前らといると、ホワイトデーとかバレンタインデーとかが
一体何の日だったのか分からなくなるんだが。
あと、てめー(八雲)は自分が変態だって自覚無ぇのか!