照美:この水族館、一度来てみたかったのよねぇ~
人気だから人ごみに揉まれるの覚悟で来たけど、思ったより空いていてよかったわ
次郎:そ、そうっスね!じっくり見られるように開館時間に合わせて来たし、今日は水族館堪能しましょうね!!!
照美:ええ、そうね(ごきげんな笑顔)
次郎:………(よ、よし……出だしは好調……今日……今日こそっ……)
(手に何か隠し持っている)
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照美:うわぁ~、綺麗ねぇ……
次郎:ほんと、すごいっスねぇ……魚たちが空を飛んでるみたいに見える、水槽っスねぇ……
照美:………(うっとりと魚たちを眺めている)
次郎:………(あぁ……魚たちも綺麗だけど……照美さん、あなたの方が最高に綺麗っス……水槽のライトアップに絶妙に照らされて、絶世の美女っスよもう……!!!
この人が、僕のお嫁さんに……なるんっスよねぇ……!!!)
照美:………(魚を眺めつつも次郎の動向がちょっとおかしいことにも気づく)
次郎:(薄暗く幻想的な魚の群れを背景に、ムードはばっちり……きっとこれなら、思い出深い人生の1ページとなるッッ!!!!)
てっ、照美さんッッ!!!!
照美:……何かしら?
次郎:きっ、君は僕の太陽だッッ!!! 毎日、僕にお味噌汁を作ってくださいッッッ!!!!! 僕と一緒のお墓に入ってほしいです!!!!!!!(ひざまずいて婚約指輪を差し出す)
照美:・・・・・・・・・
し~~~~~ん………
次郎:…………てっ、てるみさん…………?
照美:………ホ………
次郎:ほ?
照美:……アホか――――――!!!!! 不合格!!!!!!
次郎:エ━━━(;゚Д゚)━━━!!!!
照美:大体、水族館の中でプロポーズするアホがどこにいるの!
次郎:え、えっ……ムードもいいし静かだしいいかな、って……
照美:デートはまだ始まって5分と経ってないのよ!? 常識的に考えておかしいでしょ!
次郎:そ、それは……前回は帰宅直前にプロポーズしたら遅いって…
照美:あれは遅い時間にあたしのマンションの前であなたがクッソデカい声でプロポーズしてご近所さんみんな集まっちゃったからでしょ!
次郎:はうう……ごめんなさい……
照美:あとプロポーズの言葉が古い!クサい!! 何十年前のプロポーズよ!!??
次郎:じ、自分的には頑張って考えたつもりなんスけど……
照美:そもそも「結婚してください」的な言葉が何一つ入ってないじゃない!
次郎:そ、それは……前々回照美さんが「結婚してください」はオーソドックスすぎて嫌だ、っていうから……
照美:とにかく!あたしを心からキュンッッッッっとさせるプロポーズじゃないと受けないから!
ハイ指輪しまって!次回に期待するから今日はやめ!
次郎:そ、そんなぁぁぁあ~~~~~;;;;
これで何回目のプロポーズになるんだろう…………
照美:確か13回目だったかしらね?
次郎:orz