[小説]微笑の暗殺者2(おまけ)

小説/本文

一方、ここは上総と沙織が入院していた病院の、別の病室。

「ホントに黙ってていいの~?」
のんきそうに尋ねているのは、社長。
「うるせーなー…いいって言ってんだろ…
後で変に気ぃ使われても面倒なんだよ…いいだろ、みんな無事だったんだからよ」

そう気怠そうに答えたのは、仙波継人である。
上総と沙織がかつぎ込まれたのと同時に、実は継人も入院していた。
その理由は…
「それにしてもさ、桐島さんと沙織さんにそれぞれ
600mlずつ献血してさー、でもって某ライバル会社さんの分も献血して…
よーく死ななかったねぇ!
ま、妖怪並の回復力を持つ仙波くんだから成せるワザかもね」

「ヒトを妖怪扱いすんなよ…」
つまり、上総と沙織(と某ライバル会社社員)の治療に、治癒能力の異常に高い
継人の血液を大量に使い、在素が対細菌兵器用の血清を作ったのだ。

一度に尋常でない量の血液を失った「お人好しな」継人は、
上総達よりも少し遅れての退院となった。

…おしまい

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