[小説]歌う山 - The Singing Mountain -(終)

小説/本文

その後、帰京した社員達は。

久我恭一郎は、山から帰ってくるなり、浪路を追い掛け回してばかりいた。
ちなみに、子供化した身体は、未だそのままである。
久我の頭脳をもってすれば、元の姿に戻るのは容易いはずだが…本人の趣味だろうか?
「浪路く~ん…今日こそ研究に付き合ってもらうよ…フフフフフフ…」
「っかぁーーっ!!!カンベンしてくれよ!毎日毎日!!」
一度死んで、また生きかえるという、前代未聞の経験をした浪路は、
久我にとっては格好の研究材料だ。
帰京直後に浪路は、一応今後の生活に支障は無いか、久我に検査を依頼した。
しばらくの間、久我の作った『脳波分析イヤーカーフ』を耳に付け、
脳波のデータを取りつづける事になったが、今のところは異常は無い。
しかしそれ以上の詮索はゴメンである。

一方、久我と共に子供化した満も、どういうわけかまだ子供のままである。
「おい芹子……オレはいつまでこのカッコでいりゃいいんだ?」
「だって、小さい方が幅とらないし、衣服代や食費も浮くんだもの。」
「だからってなぁ…第一この身体じゃ…
___とか___とか___が出来ねぇじゃねぇかぁ!!!!(※好きな文字を入れてください・笑)」

「昼間っから何言ってるのよ!!!(パーン!)
仕事が出来ればそれでいいでしょ!!」

「ひ、酷い……(涙)」

例え未知との遭遇が何度起ころうと、ねぎ秘密結社は変わらない。

そして数日後……彼らが過ごした常春の山からは、
時折、どこからか稲葉奈浪の曲が聞こえるようになったとか、ならないとか。

めでたし、めでたし

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