(事業企画部)
沙織:あれ、確か今日じゃなかったっけ?研修。
千雪:そういえばそんな行事もありましたわね。
沙織:行事って…千雪ちゃん(笑)
今年の新人さんはどのコもみんなカワイイね~!おねーさんドキドキしちゃうさ!
千雪:私は別に興味ありませんわ。ちゃんとお仕事をこなしてくれれば別にどんな方だって…
沙織:…って、千雪ちゃん。机の上の書類の山…
3日くらい前から減ってないような気がするけど。
千雪:(ぎくっ)そ、そんなこと無くってよ!
ちゃんとお仕事をしていても次から次へと来るだけであって…
別に、サボってるわけではありませんわよ!ホホホホホホ…
く、蔵石さんこそ、先輩のお仕事は手伝わなきゃいけませんわよ!
(素直じゃないがどうやら手伝って欲しいらしい)
沙織:(タメ息)ま、コレはあたしが片づけておくとして。
そろそろ来ないかなー。新人さん。
(そろ~…り…)
雪彦:…あの~…
沙織:わっ!な、ななんだっびっくりした!新人君かぁ!
雪彦:あの…事業企画部はこちらでよろしいんでしょうか?
千雪:そうよ、ここが私、鳥居千雪が率いる事業企画部ですわよ!
沙織:(別に率いてないんだけどね・笑)えーっと、君は?
雪彦:あ、はい、申し遅れました…僕は烏丸雪彦と申します。
沙織:カラスマ…?…ああ!君がウワサの冷蔵庫君!!
雪彦:れ、冷蔵庫…
沙織:あたしは蔵石沙織!まぁひとつよろしくっ!
さぁて…まず何を教える?千雪ちゃん。
千雪:…そうね、まずお茶でも入れてもらおうかしら。
沙織:は…、なんでお茶?
千雪:先輩は後輩にお茶を入れるものですわ!
沙織:そ、そう?…まーいいけど…
雪彦:そっ、それじゃ僕、お茶入れてきますっ!
(しばらくして、雪彦がお茶を持って帰ってくる)
雪彦:入れてきました!はい、蔵石先輩。
沙織:おぅ、どうも!
雪彦:はい、鳥居せんぱ……
…ポキッ(千雪のマグカップの取っ手が折れる)
雪彦:……………!!!!!(大汗)
沙織:あら、お見事。
千雪:…………
雪彦:…もっ……申し訳ありませんっっ!!!(平謝り)
千雪:………まぁ、仕方ないわね。
雪彦:本当に申し訳ありませんでした…べ、弁償いたしますから…
沙織:あ、確かこれってさー、なんかのブランド品だか骨董品だか
知らないけど100万くらいするんでしょ?
雪彦:ひゃっ……ひゃく…?
千雪:別にいいですわ、また買いますから。
雪彦:(もはや聞こえてない)そんな高価なモノを…僕は…
なっ…なんとお詫びしたらよいか……
(ゴォォォォォォォォォォ……)
沙織:……な、なんか寒くない?
千雪:……ゆ、雪…降ってますわ……室内に……
(ゴォォォォォォォォォォ……)
雪彦:あああ~~~僕はなんてことを~~~!!!!(号泣)
(猛吹雪が起こる。一瞬にしてオフィス内積雪5cm)
千雪:きゃあああーーーっっ!!もういいって言ってるでしょっ!?
沙織:うおぉわーーー!!!寒ぅうっっ!!!!きっつーーー!!!
恐るべし雪女の子孫、烏丸雪彦。
彼を興奮させてはいけない(笑)
…そして、この日の午後は社員全員、
除雪作業に追われたらしい(笑)