(関東近郊のちょっと田舎な某所)
照美:ふぅ~~……9月だってのに、まだまだ暑いわねぇ。
ま、やっと着いたわ。で、何なのかしらここは?
湧木:あっ、照美ぶちょー!来るの早いっスねぇ。
照美:誰よあなた?( ̄д ̄)
湧木:∑ 酷いよ照美ぶちょー!開発研究室(暫定)のアイドル湧木廉太郎ですよ!
照美:湧木………ええと、開発研究室にはメガネが二人いるから見分けつかないのよね。
湧木:見分けるポイント間違ってるっスよ!!!
氷雨:こんにちは~。
大空:こんちわ!今日も暑いですねっ!
照美:どうも、お疲れ様。……一体今日は何人、ここに来るのかしら?
氷雨:今日ここに呼び出されたのは…新人研修だと聞いてるのですが……
大空:ここって、どーみてもテーマパークっぽいですよね?ここで研修?
湧木:まぁ、場所は遊園地でもここから学べる何かがあるんなら、
考えようによっちゃ納得いくっスけど。
照美:そうね……でも、この会社の場合だと……
照美・湧木・氷雨:(不安だ…………)
大空:(←ひとりだけ全く不安を感じてない)
ここのアトラクションに次々と入って意見とか感想とか書く、
とかそういうことっスかね?なんかたーのしみー♪
湧木:このテーマパークの名前からして、真っ先に不安を覚えた方がいいと思うのは
青木くんだと思うんだけどな?
「 Welcome to クガリックパーク 」
クマ:フッフッフフフフフフフフフ……ようこそ、新入社員の諸君………
照美:あら、久我室長。こんにちは。
クマ(久我):∑ な!何故正体がすぐにばれるんだ!?
テーマパークっぽくクマの着ぐるみでキメたというのに!!
湧木:ならもうちょっとそれっぽい話し方した方がいいかと思いますよ…久我室長。
久我:……今日は君たちに研修の方法を教えるクマ!
湧木:今さら語尾にクマとか付けても遅すぎるっス!!
久我:(しょんぼりしながら普通の話し方に戻す)
……フフフ、今日は湧木君以降の新しい社員の諸君に、
このねぎ社の社員としての自覚とスキルを高めるために
色々と「トレーニング」してもらうことにするよ……
大空:へぇぇ、このテーマパークっぽいところでですか?(わくわく)
久我:この「クガリックパーク」は、私の今までの研究や発明品を総結集させた、
愛と夢と魔法と破滅と絶望がいっぱいに詰まった、魅力的な施設なのだ。
湧木:あ、あの、最後の二つはテーマパークの魅力としてうたうのはどうかと。
久我:ちなみにこのクガリックパークは、一度入ると園内のどこかにある
「出口」と書かれた門以外からは決して出れないようになっている。
君たちへの今日の課題は、
数々の難関を突破して、無事出口から脱出することなのだ!
照美:難関って……あんまり考えたくないけど事故とか怪我とか、
まして死ぬ心配とか、ないんでしょうね?
久我:そういうわけだから諸君、健闘を祈るっ!!! さらばだ!!!
(煙幕が炊かれて、久我の姿が消える)
照美:(;゚Д゚)逃げんな!!! 人の話を聞け―――――!!!!!
氷雨:……あ、本当に、あの人(久我)の言うとおり、入ってきた門が閉まってますね。
大空:前に進むしかないってことかな?(わくわく)
照美:あぁもう、面倒なことになったわね………そういえば………、
新人研修と言っておきながら、新人の中じゃこういう場合
一番使えそうなあのおっさんが居ないじゃない!?
※あのおっさん →
久我:”フハハハハ……残念だが今日ここに白鳥君は呼んでいない……
色々思うところあって彼はこの研修から外させてもらった! ”
照美:……なんですってぇ!?
大空:わおー、すごいな!空から久我さんの声が!
湧木:∑( ̄□ ̄;)どーしてそう、君は危機感ないの!?
久我:”ちなみに皆、携帯は持っているだろうがこの園内では
妨害電波を常に発しているので携帯は繋がらない……
外に助けは呼べないからね……フフフフ……フハハハハ!!! ”
氷雨:とりあえず…頑張って突破するしかないですね。
はぐれないように、みんなで進みましょうか。
なにか襲ってきたら、私が氷で対処します。
照美:頼もしいわね、朝霧さん!あたしだって負けないわよーっ!!!
久我:”みんなで……?フフフフ、甘いな!そうはさせるかぁーっ!!!! ”
”ゴオオオオオオオオッ!!!! ”
湧木:うわッ!? すごい風が!!!
照美:きゃ――――――っ!!??
大空:わぁ!南十字部長がちっちゃくて軽いから飛ばされたー!
照美:ちっちゃくて軽いとか言うな―――――!!
きゃあぁぁあああ~……(煙幕と共にどこかに飛ばされる)
大空:南十字部長――――――!!
……って、気づいたら氷雨ちゃんも湧木さんも飛ばされて、居ない!?
……なんで俺だけ飛ばされないの……(´・ω・`)?
久我:”それはだな……
今の「人さらい竜巻」は、重さ80kgまでの物しか飛ばせないのだ… ”
大空:(´・ω・`)…………(←機械の身体につき体重が100kg近くある)
久我:”済まないが、君だけそのまま歩いて進んでくれたまえ…… ”
大空:(´;ω;`)…………
久我:”そ、そんなしょんぼりした顔しないでくれたまえっ!
次のアップグレードで制限体重上げるから!
って何で襲う側の私がこんな必死になってるんだ…… ”
(続く)