奈津恵:――――というわけで、人手の足りなくなった開発研究室の要員として、
今日から一緒に働いてもらいます、アラウネさんです。
皆さんよろしくお願いしますね。
アラウネ:は、はじめまして!アラウネ・ローゼンベルグと申します!
分からないことだらけでご迷惑をお掛けするかと思いますが、がんばります!
皆さんよろしくお願いします!
満:うひょー、開発に女の子かぁ。久我ちゃんにはもったいない美人だな!
アラウネ:え!? あ、やだそんな美人だなんて!(顔真っ赤)
満:しかも胸でけえ!眞妃よりあるんじゃないか!?
奈津恵:セクハラ発言、(スパーン!)
眞妃:すんな!(ゴスッ!)
司:へえぇ~…アラウネちゃんかぁ……ウネぴょんって呼んでいい?
アラウネ:な、なんでそこを取るんですかー!?
奈津恵:ああもうみんな、新人さんをそんなに困らせないでちょうだい!
みはる:それにしても、なんで鎌持ってるのぉ?
アラウネ:あっ!これはですね……
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(数日前、開発研究室)
久我:ううむ……結局成り行きで面接することになってしまったな……
瀬上君に反対されるかと思ったら…初回の面接で思いのほか気に入ったとかで、
最終面接を私がする羽目に…
(研究室のドアの外からぼそぼそと声が)
夜半:しかし本当にその格好で来たんだねぇ。
大丈夫かな…あとさっき言ってたの、ほんとにやるの?
久我:これは白鳥君の声……来たか。だが「その格好」って一体……
??:(ドアをノックした後)し、失礼しますっ!
アラウネ:全ての生きとし生ける者に、安らかな終末をお約束っ☆
貴方の死後をやさしくサポート!りりかる☆死神っ娘アラウネ参上!
久我:(;゚Д゚) …
夜半:アラウネちゃん………正直に言うけどイイ年こいてそれは痛いと思う。
アラウネ:えええええっ!? せっかく死神の正装して、
一晩かけてキメ台詞とキメポーズ考えてきたんですよっ!?
夜半:それ正装なんだ……。黒けりゃいいってもんじゃないと突っ込み入れたいけど。
というか最初に奈津恵ちゃんに会った時は普通だったのになんで今日はそんな。
アラウネ:えっ?だって私の上司になるかもしれない方なんですから、本気装備で!
久我:し、白鳥君………………こ、
夜半:ほら、上司になるかもしれない久我ちゃんがドン引きしてるじゃないか。
…ああ、久我ちゃん、この娘が話してあったアラウネ・ローゼンベルグさん。
こう見えても真面目でしっかりした娘だから……
久我:こんなアニメから飛び出してきたような美少女を
ウチで採用していいのかねっ!?(ものすごくうれしそう)
アラウネ:ええっ!? やだそんな美少女だなんて…!
わたしそんな歳じゃないのに…恥ずかしい…
久我:(恥じらう姿にもきゅんきゅん)
うーん、いい!いいねぇ!これが私の求めていた、まさに女性の癒し!
夜半:……やっぱり君は「ただの人間」の女性じゃ満足しないとは思ったけども。
気に入ってくれて良かったよ。
アラウネ:気に入って頂けましたか? それなら嬉しいです!
あ、改めて、わたしはアラウネ・ローゼンベルグといいます。
よろしくお願いします♥
久我:私が開発研究室長の久我恭一郎だ。よろしく。
……そういえば……その衣装はともかく、その鎌はなんだね?
アラウネ:あ、これは魂を刈るための鎌です♥
久我:た……魂……?
アラウネ:わたし、死神なんです♥
久我:(|||゚Д゚)
アラウネ:この鎌、柄が私の左目と同じ色なんでお気に入りなんですよー♥
あっそんな怖がらないでくださいね!わたしは、人間の魂は刈れませんから!
久我:人間の魂は刈れない…?
アラウネ:わたし、小動物専門の死神なんです♥
え、もしかしてこんな中途半端な死神はやっぱりダメですか!?
そうですか~…そうですよね~……(涙目)
久我:(涙目にびっくり)あ!いや、そんなダメとかそういうんじゃなくてだね…!
ああもう、合格!合格だから泣かないでくれたまえ!
夜半:女の子の涙って武器だよなぁ。
久我:な、涙とかそういうのに負けた訳ではないっ!真面目そうだし明るいしかわいいし
ええとまぁその、気に入ったから合格なんだっ!
夜半:はいはい。
アラウネ:ありがとうございます♥♥ よろしくお願いしますね♥
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みはる:へぇ~~死神さんなんだぁ!かっこいいっ!
橘:…最近、人間じゃない社員さんがどんどん増えてるね…慣れたけど…
アラウネ:まぁ、ちょっと死神なだけで後はほとんど人間と変わらないので
気にしないで下さい♥
奈津恵:(「ちょっと死神」ってなんなのかしら…)