(広報部)
英司:………ん~~~~よし!こんなもんだろう!! 素晴らしい計画だ!!
歓子:お疲れ様です、沢井部長。なんの計画ですか?
英司:忘れたのかね?歓子ちゃん!君のアイドルデビュー計画だよ!
歓子:∑( ̄□ ̄;)えええぇぇぇ!!??
まだそんなこと考えてたんですかぁ!?
英司:君のような素晴らしい素材を私がそのまま放っておくとでも思ったかねっ!?
これで君も…
歓子:その話ならイヤだって、あたし言ったじゃないですかぁ――――!!
司:なんだなんだ?騒がしいなぁ。またなんかやったのかよおっさん。
歓子:ふ、古屋さん~~どうにかしてくださいぃ!
あたしにアイドルなんて無理ですってば!
英司:何を言う!君のようなかわいい女の子が…!
司:おいおいおっさん、いい加減にしとけよ。
やる気のない子を無理やりステージに立たせたって
お客さんが寄ってくるわけねーだろ?あんたそれでも広報部の部長かよ?
歓子:古屋さん!もっと言ってもっと言ってやってください!
司:自分好みの女だからって、そんな無理やり万人の目に晒さなくてもいいじゃねーか。
歓子:そーですよそーですよ!
司:社内で生写真とかグッズとか作って各自ハァハァしてりゃいいだろ。
歓子:∑( ̄□ ̄;)それもイヤぁぁぁああ!!!
英司:ん~む、しかしだなぁ…最近広報部で大きな企画やってないし、なんというか、
世間にドドーンとアピールできるようなスゴいものをやってみたいんだがなぁ…
歓子:な、何もアイドル=女の子じゃなくたっていいじゃないですか!
英司:えー、個人的に古屋君はプロデュースしたくないんだがなぁ。
司:そんなことするなら無理やりにでも、かんこりんをデビューさせるぜ。
歓子:∑( ̄□ ̄;)古屋さん、8行前の発言はどこへ!?
英司:それにあだ名付ける芸人なら確かもういるじゃないか。
司:なんでかんこりんがアイドルでおれが芸人なんだよ。
どっちにしろ嫌だけど。
歓子:そ、そうだ、いっそのこと沢井部長がデビューすればいいんですよ!
英司・司:へ?
歓子:うちの部署で一番エンターテイナーって言ったらやっぱ沢井部長だし、
英司:…………!
歓子:沢井部長は孫がいると思えないほどダンディでかっこいいし!
英司:………………!!
歓子:SM●PだってTO●IOだって
ほとんどがアラフォーですよ!!(超・力説)
英司:……………………!!!
歓子:(あっ……仮にも上司に対していろいろ言いすぎた…かなぁ……?)
あっあの……沢井部長……? す、すいませ
英司:……やはり……私が直接出向かねば…ならんのか……
歓子:はい?
英司:薄々…うすうすはわかっていたさ…!!
この社内で最もアイドルの資質があるのは、この私だと!!
…だが…若い才能に蓋をしてまで私が出向くのは、良くないと思って…
今までは敢えて裏方に回っていたが…
司:おいおい、何だかよくわからねーがその自信はどっから来てるんだ?
英司:だがしかし…だがしか――――し!
やはり持ち合わせた才能を出し惜しみしていては駄目なのだと、
歓子ちゃん、君が気づかせてくれた!!
よし、私はやるぞ!! 私がアイドルだ!!
歓子:(小声)う…うわぁ…
自分がアイドルやりたくないから適当に逃げただけなのに話が変な方向に…
司:(小声)どーすんだ、かんこりん。あのおっさん本気になっちゃったぞ?
歓子:(小声)で、でもこれであたしも古屋さんも
無理やりアイドルにされる危険性はなくなりましたよね!
司:(小声)そりゃいいけど……どーなるんだか、これから。
その後、沢井英司は自ら
「新世紀アラフォーアイドル・EIJI沢井」を名乗り華やかにデビューするが
全くもって売れなかったという。