(ねぎ秘密結社・社屋前)
八雲:…うう…姉さん何してるのかなぁ…メール送っても相変わらず返事なんてないし…
あの恐ろしい吸血鬼(=白鳥夜半)のせいで…
姉さんに近づくことすら出来なくなってしまったなんて…
八雲は、夜半とのこの一件にて気絶している間に血を吸われて、
「浪路に近づいてはいけない」という暗示をかけられた……と、
勝手に思い込んでいるために、それ以来浪路に近づけないでいた。
(ねぎ秘密結社・食堂)
浪路:(八雲からのメールを見ながら)
あっはっはっはっはっは!!!ひ~~苦し~~~!!!
あーもうマジ笑いが止まんねんだけど!!!ほんっとにもー白鳥さんマジ感謝!
これで奴も少しはマトモな道に進んでくれればいいんだけどな!
夜半:一応心配はしてるんだね。
浪路:まぁ、そりゃあ一応弟だしな(笑)
これで学生業に専念して、友達の一人でも増えてくれりゃあなぁ。
この間は仙波を友達にと思って会わせてみたが見事に玉砕してたしなぁ。
夜半:ああいうタイプに仙波君みたいなのは…仙波君が可哀想かもねぇ。
浪路:そう思って、今度はもっと手ごわい刺客をあいつに送ってやったぜ!
夜半:刺客って……友達候補じゃないの?
浪路:うんまぁそうとも言う。
夜半:君ら姉弟って……結局のところお互いに愛はあるんだろうけど、
何と言うか、歪んでるよね。
(再びねぎ秘密結社・社屋前)
八雲:う~…どうすれば姉さんと話すことが出来るのか…ああもうイライラする…
大空:よっ!(ばっしーん! ←八雲の背中を思い切り叩く)
八雲:ううわぁっ!!(大空の怪力で地べたに叩きつけられる)
大空:おお?そんな強く叩いたつもりなかったんだけどな~!
半休取って大きい研究所でメンテしてきた甲斐があったかなぁ?あははは!
八雲:あ痛たたた…ちょっと何だよ!人のこといきなり叩くとか!
大空:いやぁごめんごめん!それより君、浪っち先輩の弟でしょ?
よく似てるからすぐわかっちゃった!
八雲:まぁ東堂浪路の弟といえば世界でただ一人、俺だけだけど。
それより俺は君なんて知らないんだけどね。姉さんの知り合い?
大空:俺?俺は浪っち先輩の新しい彼氏!
八雲:……………
大空:ぬわ~~~んちゃって!うそうそ!びっくりした?びっくりしないかー!
俺は青木大空!君と同い年だよ!ここの会社の経理部にいるんだ~!
八雲:……………(鬱陶しい……こういうタイプ一番苦手だな……)
大空:君は東堂八雲くんでしょ?浪っち先輩から聞いてるよ!
俺のことは大空でも大空くんでも大空様でも好きなように呼んでいいよ!
八雲:………悪いけど君に用なんてないんだ。俺は姉さんに会いたいの!
大空:だったら会いに行けばいんじゃないの?どうして会社に入らないのさー?
八雲:色々難しい事情があって俺は姉さんに会っちゃいけない身になっちゃったんだよ。
大空:えー?何それ~?なんで弟が姉ちゃんに会っちゃいけないの?
いいよな~八雲くん、あんなカッコ美人(カッコいい美人の略)な姉ちゃんいてさー。
俺一人っ子だからうらやましいよ!
八雲:……………(姉を褒められて気分が少しだけ和らぐ)
大空:何が怖いのかわからんけど、大丈夫!俺がついてる!
一緒に浪っち先輩のところに行こうぜっ!たぶん先輩、食堂にいる!
俺の浪っち先輩センサーがそう言ってる!
八雲:何その浪っち先輩センサーって!?
大空:まぁまぁ!怖がらずに行こうよ!愛しの姉ちゃんに会いに行こう!
(八雲の腕をものすごい力で引っ張って引きずっていく)
八雲:うわぁぁああ!!!!何をするんだ、やめろぉぉ――!!
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(再びねぎ秘密結社・食堂)
大空:浪っちせんぱーい!かわいい弟さん一丁お待ち!
浪路:うわっ大空!連れてきたのかよ!!
大空:ほ~ら八雲くん!愛しい愛しいお姉ちゃんのところに来たよ!
(食堂まで引きずられてきてボロボロな八雲を片手で浪路の前に差し出す)
八雲:……ね、ねえさん……
浪路:八雲……(八雲の状況を見て少しだけ罪悪感を覚える浪路)
八雲:……や、やっと会えた……会えた……
大空:うんうん、良かったねぇ八雲くん!
八雲:会いたかったよ姉さ………
夜半:今月限定のツタコデラックスチョコバナナパフェ、品切れだって。残念だなぁ。
大空:あ、白鳥ぶちょーおはようございまっす!
八雲:∑(;゚□゚)……!!
夜半:おはよう、ってもう昼だよ……おや、八雲君。
八雲:((;゚□゚))…………!!!!
夜半:この間は………
八雲:…く…くく……食われるぅうー!!!!(一瞬にして逃げる)
大空:え?八雲くんどーしたの!?おーい!!
夜半:この間は脅かしちゃってごめんねって言おうとしただけなんだけどなあ。
浪路:(;´ー`).o0(しばらくは白鳥さんを盾にして奴の毒牙からは逃れられそうだな……)