[NEWS] 在素とジョナサン

○刊ねぎ秘密結社ニュース

(人事部)


初南賛:………あ、あれ………?

奈津恵:どうしたの?西城寺君。

初南賛:ノートブックの電源が全く入らなくなってしまって……。

奈津恵:あら、困ったわね。ついこの間、あなた専用に買ったばかりなのに。
直そうにも、私、機械類は苦手なのよね……

初南賛:僕はそこそこ分かるつもりでしたけど……色々試しましたが、駄目ですね。

奈津恵:まぁ、こういう時は開発研究室の久我室長に修理を頼むといいわ。
下手な業者に修理を頼むよりも早く直るとは思うし…。

初南賛:久我室長……ですか。

奈津恵:ついでに色々と魔改造されるかもしれないけど直らないよりはいいでしょう。

初南賛:いやあの、魔改造は困るんですけど……。














初南賛:久我室長かぁ…入社前にお父さんを通じて何度か会った事あるけど…
何か、ちょっと、怖い………んだよなぁ………。

(開発研究室のドアを開ける)

初南賛:失礼しまっ……!!?? う、うわぁああ!!!

(ドアを開けてすぐのところに、大きな落とし穴があり、
なすがままに滑り落ちていく初南賛。大きな尻もちをついて着地)


初南賛:……い、痛たたたた……どうなってるの……

在素:あら、お客さんね。本館と別館の転送用通路は
着地方法にまだ検討の余地があるみたいね……


初南賛:(こ……ここは……入社した時に一度見学に来たことあるな……
確か研究室の別館……)


在素:そういえば、貴方見たことない顔ね。春に入社した新人さんかしら?

初南賛:(子供……?というか…なんで会社にこんな小さな女の子が……)

在素:今年の新人さんは、随分とシャイなのね。
子供相手だからと言っても、挨拶くらいしてくれてもいいんじゃない?

初南賛:(ず、随分と大人びた話し方する子だな……というか、子供は苦手だ……)
こ…こんにちは。あの…開発研究室の人たち、は……どこにいるのかな。

在素:久我室長は、研究材料の買い出し。桐島主任は出張。アラウネさんは公休。
バイトの仙波さんは学校で出社は夕方から。
たまに助手に来る湧木さんは今日はここにはいないわよ。

初南賛:そ、そうなんだ……。
き、きみは一人でお留守番してるのかなぁ?えらいねえ……

(↑初南賛なりの精一杯の子供への話しかけ方)

在素:……私は久我在素。久我室長の娘でここの居候みたいなものよ。
見ての通り7歳だけど、
まぁ普通の子供じゃないから、
普通に話しかけてくれると嬉しかったりするわね。

初南賛:(久我室長の娘か…なんか、ちょっと納得…)
…僕は、今年の春入社した、人事部の西城寺って言うんだけど……
実は、この間買ったばかりのノートブックが壊れてしまったみたいで、
誰か直せないかな…と。

在素:あら、そんな事なら私でもやれるわよ。ちょっと貸してみて。
(初南賛が持つノートブックを素早く奪い取る)

初南賛:え、ええっ!? 君には無理だよ!

・・・・・・・・・・・・・・・・

在素:これは……基盤がやられちゃってるわねぇ。あと電源ユニット。
HDDは無事なようだから、バックアップを取って、
部品を交換すれば、何とかなるかも。
お父さんが社内のPCに
手を加えたときの部品が余ってるから、それでちょっとやってみるわね。

初南賛:(す、すごい……手際いいなぁ……)

(所要時間30分)

在素:……はい、出来た。こんなもんでいいかしら?

初南賛:すごい……ちゃんと動く。データも無事だ……

在素:むしろ私しかいないときで良かったわよ。お父さんに渡したら、
直すどころか
魔改造されるから。

初南賛:魔改造……。それにしても、ありがとう。助かったよ。

在素:どういたしまして。……まぁその代わり、タダでは帰さないけどね?

初南賛:え………?

在素:ふふふ…さあ、まずはコレを飲んでみて…?
(湯気の立つ謎の液体を差し出される。色は緑)

初南賛:………!!??

久我:ただいま、在素!今日は貴重な研究材料が手に入っ……っ!!??

(初南賛と在素が、別館にある応接用ソファーの上で寄り添って寝息を立てている)

久我:……さ、西城寺君!?
うちの娘と何をしてるんだねっ!?起きなさい!!!

初南賛:……ふぇ……?

在素:……あら。お互い寝ちゃってたのね。
西城寺さんに、私が屋上公園の温室で独自に育てた
リラックス効果のある
ハーブティーの味見してもらったら、すぐに寝ちゃったから、

私も、どんなものか気になってその後飲んだら、やっぱり寝ちゃってたのね。

初南賛:……お茶、すごく美味しかったけど……眠気がすごいね……。
でも、眠れない夜とかに飲むのはいいかも。
飲む時と場合を考えれば、成功品なんじゃないかな。

在素:ふふっ、感想ありがとう。また、遊びに来てくれると嬉しいわ。

初南賛:いや……遊びに来たわけじゃないんだけどね?
(苦笑い。でもまんざらでもない様子)

久我:君ら、私を無視して話を進めるんじゃないっ!!
特に西城寺君!! 君は確かに若いがだからといってうちの娘との仲を(以下略

在素:やーねぇ。ちょっと一緒にお茶飲んだくらいでガミガミガミガミと。

初南賛:(そもそも7歳児と何かあるわけがないじゃないか……)

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