???:…もうこれ以上はお止めください、恭一郎様――――――!!
英司:き……君は……アラウネちゃんじゃないか!
久我:……アラウネ君……!? な、何故ここに……
……え、ええい、今はそれどころではない!アラウネ君、退きたまえ!
アラウネ:だ、駄目です恭一郎様!例え恭一郎様の発明が世界一でも、
それを用いて人を傷つけるのはいけません!
久我:……君までもが私に盾突くというのかね!? そんな事を……
アラウネ:(涙をぼろぼろと流しながら瞳で訴えかける)
久我:(´Д`;)……うっ……
アラウネ:…お願い…お願いですから…こんなこともう止めてください恭一郎様!
在素様だって、このようなことは望んでいないはずです!!
初南賛:(……ようやく室長を説得できそうな常識のある人が……)
アラウネ:真剣に愛し合う二人の仲を無理矢理裂こうとするなんて、
例え恭一郎様の大発明であろうと、あってはならないことです!!!
初南賛:ちょ、別に愛し合ってないから!!!(この人も誤解してる!?)
アラウネ:お願いです…二人の真剣な愛を認めてあげてください…!
愛はこの世で一番美しく、素晴らしいものなんです……!!
初南賛:あの、なんか妄想入ってませんか!?
久我:……愛し合う……真剣な愛……愛はこの世で一番美しい…ね……フ…フフフ…
(; ̄□ ̄)許せるかボケェェ!!!
巨大軟体動物ちゃん、あの若造をやっておしまい!!!
初南賛:!!
アラウネ:………ごめんなさいっ!恭一郎様!!!
(トレードマークの鎌を構え、初南賛に襲いかかる
巨大軟体動物の前に立ちはだかる)
久我:退くんだアラウネ君!!! 私は君を傷つけたくはないのだ!!!
アラウネ:いいえ恭一郎様!お二人の愛を守るのもわたしの愛なら、
恭一郎様の暴走を止めるのもわたしの愛です!!
………てやぁぁぁああっ!!!!
(ありえないくらい高くジャンプし、一瞬にして鎌を巨大化させ、
巨大軟体動物に斬りかかる)
ザシュ!
ドスッ!!
ズバァッ!!!
初南賛:……つ、強い……
英司:な、なんと……巨大軟体動物ちゃんがバラバラに……!
久我:ぐぁぁああ~~~!!!
私のかわいい巨大軟体動物ちゃんぐぁぁぁ~!!
アラウネ:全ての生きとし生ける者に、安らかな終末を………
ごめんなさい恭一郎様…これも、愛なのです。
久我:ア、アラウネ君…君は小動物限定の死神だとか言ってなかったかね!?
アラウネ:死神業…つまり魂を導き…あの世にご案内する役割は、小動物限定です。
ただ…あの、その…
初南賛:殺すだけなら、やろうと思えば誰に対してもできるってことですよね。
久我:(((( ̄□ ̄;))))………!!!
初南賛:ともあれ、助けていただいてありがとうございました。(お辞儀)
アラウネ:いえ!初南賛様の愛が守れて光栄でございます!
初南賛:開発研究室の人って思い込み激しい人多いんですね。(顔を背ける)
……もう弁解することすら疲れた……。
ゆたか:あ☆いたいた~☆ お~い☆初南賛ー!!
閣下:暴れるな馬鹿者が!全く、世話かけおって!!(何故かゆたかを背負って現れる)
初南賛:ゆたか!良かった、無事だったんだ…。
ゆたか:それはこっちの台詞だよ☆ さらわれてっちゃったからびっくりしたよー☆
閣下:目的の者が見つかったなら、さっさと降りんか馬鹿者!(ゆたかを振り落とす)
ゆたか:うわん☆おっちゃん乱暴しないでー☆
初南賛:あれ、この人……
閣下:何!?貴様も我輩を知らぬというのか!? 何と言う…いいか、我輩は
ゆたか:あ☆この人は閣下のおっちゃん!危ないトコを助けてくれたイイ人だよ☆
閣下:(; ̄□ ̄)だからさっきから何度おっちゃんと
呼ぶなと言わせるか!!!
助けてやった挙句に飛べない貴様を背負ってまで仲間探しに
付き合ってやった恩人に対する態度がそれか!!!
ゆたか:だって~☆オレ魔法使いじゃないから空なんて飛べないしー☆
あ、ところでさー☆ その後ろにある、刻んだでっかいタコ、なに?
初南賛:……あぁ……これは……
ゆたか:(ぽんっ)ああ☆そっか!お祭りだもんね☆ あれでタコ焼き作るんだね☆
初南賛:刻んでも車のタイヤくらいあるタコを具材に
タコ焼きが作れるとでも!?
アラウネ:ゆたか様!それはすごい名案だと思います!
これで皆様でタコ焼きパーティーいたしましょう!
…食べて、わたしたちの身体の栄養となることで、
また食材となる為に命を失った方々も、真の意味で生命を全うし、
生まれ変わる準備に入れるという物なのです。
初南賛:何かいいこと言ってますけどあれを調理して食べようって気がそもそも…
英司:……よーし!そうと決まれば材料調達に行こうではないか!
ゆたか:わーい☆たっこやき~☆ たっこやきパーティー☆
初南賛:(沢井部長も黒幕の一人だったくせになんか上手いこと混じってる……
………でもなんか、つっこみ疲れたからもうどうでもいいや………)
ゆたか:ところでこのタコ、食べれるの?☆
初南賛:知らない。
・
・
・
(結局、刻んだタコをよく観察した結果、やっぱり食うのはやばいだろうという
結論に至り、急きょ焼きそばパーティーに変更した一同)
アラウネ:そういえば、恭一郎様はどこへ…?
ゆたか:さ~☆ タコ片付けられちゃって凹んでたしどっかで体育座りしてるんじゃない☆
アラウネ:……やっぱり、わたしがやりすぎてしまったのがいけなかったのでしょうか……
閣下:ふん、貴様が躊躇ったところで我輩が片付けてやったわ。
むしろ残しておいてくれても良かったのだがな。
初南賛:アラウネさんが倒してくれてなかったら、
今頃僕、この場にいないんですけどね……
英司:そういえば、この拠点には…榊君は閣下がいたから難なくたどり着けただろうけど…
本当に、西城寺君は何の手助けもなしに、どうやって一人でたどり着けたんだい?
初南賛:……………
英司:確か、恭ちゃんの本命ターゲットが君だっただけに、
色々と酷いトラップを仕掛けてあったはずなんだよね。
追いはぎ、地雷原、落とし穴、ゴキブリならぬ人間ホイホイ、その他多数。
ゆたか:えー☆ 初南賛そんなの全部一人で突破したの!? やっぱ運動神経いいなぁ☆
初南賛:いや、普通に無理だから。……常人なら、無理です、あんなの…。
……久我室長もいないことですし、種あかししてもいいですかね。
(つづく)