(社長室)
”コンコンコンコン! ”
ゆたか:(ノックの返事も聞かず)しっつれいしま―――す!!!!☆☆
初南賛:ちょ、ちょっとゆたか、いきなり開けすぎ!!
(小声)あ、あとそのケーキはまずいって言ってるのにー!!
社長:なんだいもう、やかましいなぁ。何の用だい。
ゆたか:何の用もなにも、今日は……
ねぎ社長、お誕生日おめでとう
ございま―――す☆☆
社長:!?
初南賛:あ、あの、僕からも…お誕生日おめでとうございます。
社長:あ、あはは、そういえばそうだったなぁ。
でももう祝うような歳でもないんだけどね。
まさか君らに祝われるとは思わなかったわー。
ゆたか:祝うような歳じゃないなんて、そんな☆ 社長が生まれなかったら
この会社もなかったしオレらもこの場にいなかったんですよ☆
この日を祝わずしていつ祝うの!って感じですよ☆
社長:う~ん、そう思ってもらえるとはありがたいことだなあ。
ゆたか:で、何歳になったんですか?
初南賛:ゆたか――――――!!!!(せっかくいい雰囲気だったのに!!)
社長:(ふるふるふる)ふ……ふふ……何歳、ね……それを訊くかそれを……
ゆたか:……なーんちゃって、いちいち訊いたりしないですよ~☆
あ、ケーキお持ちしました!食堂の室井さんお手製の
美味しそ~~なケーキですよ☆
社長:ほう。蔦子ちゃんの。それは楽しみだ。
初南賛:あああああ……そ、それは……!!!
ゆたか:じゃんっ☆(ケーキの箱を開ける)
”ねぎしゃちょう 35さい おめでとう☆ ”
社長:( ̄д ̄;)………!!!!
ゆたか:社長のお歳は事前にリサーチ済みでしたぁ☆
35歳ホントにおめでとうございます☆☆
すごいな~社長、オレらの倍近く生きてるんだもんな~☆☆
社長:…………
初南賛:(真っ青になりながら小声で)だ、だからゆたか!!!
女の人に年齢のこと言っちゃだめだって、常識なんだってば!!! 失礼だよっ!!
社長:(笑顔引きつらせながら)で、このチョコの文字は誰が書いたのかな?
ゆたか:はい☆ オレと初南賛で書きましたぁ☆☆
初南賛:僕を巻き込まないで―――――!!!!
僕はチョコ用意しただけで、文字書いたのは君でしょ!?
年齢そんなにはっきり書けなんて、一言も言ってないんだからね!?
ゆたか:……もう、なんでそんなに、年齢はっきり言うのがダメなのか、
オレにはわかんないな~☆だってさ、何事もなく健康なまま35歳になれたんだよ?
世の中には35歳にもなれないまま死んじゃう人だって、いるんだよ?
オレは18歳だろうが35歳だろうが同じようにお祝いしてもいいと思うよっ☆
初南賛:ゆたか……(そこまで考えてたの?ただのKYじゃなかったのか……)
社長:(ちょっと感動してる)……うん、そうだなぁ。
初南賛:そうですよ。…それに、誕生日は自分が生まれてきた日なんですから、
いくつになってもおめでたい日ではあると、僕も思います。
ゆたか:それに女性の平均寿命って80歳超えてるでしょ☆
そこから見たら35歳なんてまだまだ、ま~だまだ!半分もいってないじゃん☆
社長:うんうん、そうだね、半分も行ってないよね。まだまだ…
ゆたか:でも社長は血糖値どうにかしないと80まで生きられない気がしますけどね☆
気をつけてくださいね~☆
社長:∑( ̄□ ̄;)……!!!!
初南賛:だーかーらーゆたか!!!!
社長:貴様は私を持ち上げたいのか突き落としたいのか、どっちだー!!!!!
(ゆたかの首根っこつかむ)
ゆたか:あわあわあわわわ、社長落ち着いてー☆☆