(昼休み、国際部)
幹雄:ううう………僕って本当に、駄目だよね………
何か、この部署の役に立てる資格とか、ないかなぁ……
椎子:あらぁ♪中原クン♥資格ガイドなんか見ながら涙ぐんじゃってえ♪
どうしたのぉ?
幹雄:……あぁ……椎子さん。。ぼ、僕……
椎子:午前の仕事で、勉強中のドイツ語が相手方に伝わらなくて若干トラブルになったの、
まぁぁだ気にしてるのぉ?
幹雄:(ぐさっ)
椎子:それなら途中であたしと白鳥部長がフォローしたし、もう大丈夫よぉ♥
幹雄:そ、その節はありがとうございました…はい…
で、でもですね……この国際部の人たちって、みんなすごいじゃないですか……
椎子:? 何がすごいのぉ?
幹雄:椎子さんは、英語・中国語・ドイツ語・スペイン語をマスターしていて……
リーザさんだって日本語がまともに話せるようになってからは、
ありとあらゆる国の言葉を話せるようにもなりましたし……
白鳥部長にいたっては何十ヶ国語も話せるっていうじゃないですか!
椎子:中原クンだって中国語話せるでしょ♪ 他の言葉も勉強中みたいだし♪
幹雄:た、確かに勉強してますけど……全然覚えられないです……
今のところ自信持って話せるのは、日本語と中国語だけ……
他の皆さんと比べると、本当に役に立ててないんです……
椎子:そんな、気にしなくてもいいと思うけどぉ~?
幹雄:気にしますよぉ!ねぇビビアン!ほんと、こんなだから僕は……
……ビビアン、ごめんね……弱い僕でごめんね……
ビビアン:
幹雄:……そんな……そんなこと言ってくれるの、ビビアンだけだよ……
優しいね、ビビアンは……
ビビアン:
幹雄:ありがとう……ありがとう……でも、でもね……
椎子:………… ┐(´д`)┌ (やれやれ、といった感じで立ち去る)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
幹雄:う、ううう……かといって僕が一番役に立ててない現状は変わらない……
どうしよう……何かいい資格とか、ないかなぁ……
閣下:……ええいさっきから、大の男がウジウジと情けないにも程がある!
何がそんなに不満だというのだ、中原!
幹雄:か、閣下…!ふ、不満じゃなくて、不安なんです……!
みんなよりも劣っている僕が、この部署に迷惑を……
閣下:ふん!貴様がこの部署、いいやこの社内で最低の役立たずなことくらい
この我輩は最初っから見抜いておったわ!
幹雄:∑( ̄□ ̄;)ガ―――ン!!
閣下:だから貴様の些細なミスなど迷惑の数の1カウントにすらならんわ!
想定中の想定の出来事である!気にするだけ無駄というものだ!
幹雄:か、閣下………
閣下:だが、反省するその精神は認めてやらんでもない。
今後も精進し、我輩のような完璧な男を目指すがいい!(堂々と立ち去る)
幹雄:は……はい!
ビビアン:
幹雄:うん、そうだねビビアン……閣下、ああ言ってるけど励ましてくれたんだよね。
閣下は本当はとっても優しい人なんだよ……
ビビアン:
幹雄:そうだね……何か、この部署の役に立てることを、見つけたいなぁ…
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
夜半:中原君が悩んでる?
椎子:そおなんですよぉ!午前中の、あのちょっとしたトラブルのことを
だいぶ気にしてるみたいですよぉ♪
夜半:椎子ちゃん、なんでそんなに嬉しそうなの。
椎子:だあってぇ♪悩める美少年ってのも見ててカワイイですもの♥
ホント、結婚してなければ最高なんだけどねぇ♥
夜半:…………………
ところで、その中原君は何処に。
椎子:あれ?さっきまで席に……あ、あそこに!窓際の観葉植物置いてあるところに♥
:
幹雄:君は優しいね……うん、僕頑張るよ……!
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幹雄:そうだよね、きっと僕にも、何かできることがあるよね。
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幹雄:そんな……君たち、本当に優しいなぁ……こんな僕なのに……
:
幹雄:うん、そうだね。少しずつだけど……勉強中の外国語も覚えないとね。
:
幹雄:ありがとう!午後の仕事も頑張れる気がしてきたよ!
夜半:……………
椎子:……………
夜半:……何話してるんだろうね。
椎子:さあ?♪
夜半:彼自身は随分と自信を失くしてしまってるようだけども……
「あれ」が彼の、誰にも真似できない特技だってこと、気づいてないのかねぇ?
椎子:あの子は植物と話せることが日常だから、当たり前すぎて
気づいてないんでしょうねぇ♪