結佳:(困ったわ…今日、すごく楽しみにしてたのに…
急に来れなくなっちゃうなんて……けどひとりじゃ、なあ……)
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早瀬:(ふぅ…9月だというのに、まだまだ暑いな……。
家に居てもすることもないし、節電のためにと外に出てきたはいいが……
………ん?あれは………)
(一人で街中を歩く結佳の姿を見つけた早瀬)
早瀬:(あれは……関口。一人で買い物でもしてるんだろうか?)
結佳:(一人でぼんやりと歩いていると、やがて若い男二人組に声をかけられる)
男A:君ひとりでなにしてるの?暇なら俺達と遊ばない?
結佳:ひ、一人じゃありません…!人と待ち合わせを……
男B:それって女の子?じゃあ男二人女二人でちょーどいいじゃん!ね!遊ぼーぜ!
結佳:お、お断りします!
男A:えー?冷たいなぁ、人数多いほうが絶対楽しいって!なー!
男B:そーそー、絶対面白いとこ連れてくからさー!
早瀬:失礼。うちの連れに何か用か?
(突然現れた、やたら威圧感を放つ早瀬に驚いて、一歩退く男二人)
結佳:お……奥田さん…… !?
早瀬:待たせて悪かったな。行こうか。(さりげなく結佳の肩を抱きながら)
結佳:!?
男A:ちっ……なんだよ、彼氏いたのかよ。
男B:行こーぜ。
早瀬・結佳:(………彼氏………)
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早瀬:す、済まない…偶然見かけたかと思ったら、困っている様子…に見えたものでな…。
結佳:い、いえ……とても助かりました……。(顔真っ赤)
早瀬:(とっさのフリ、とは言え……肩に手を回したのはやりすぎたか…?)
そ、そういえば…友人と待ち合わせしてるんだったな。
さっきの男共ももう見当たらないし…私はこの辺で失礼するよ。
結佳:! い、いえ……あの……
早瀬:?
結佳:友達と待ち合わせというのは本当だったんですけど……。
その友達が、急用で来れなくなってしまって…わ、わたしひとり、なんです…。
早瀬:そ、そうなのか。
結佳:はい……映画を観る約束をしていて、前売り券も買っておいていたのですが…。
公開されてだいぶ経っているのですが、ようやく観に来れたかと思ったのに…。
とても楽しみにしていたので、残念です……。
早瀬:…………。
結佳:そろそろ公開も終わってしまうだろうし…ひとりでも観にいこうかと考えたのですが、
ひとりでは、やはりちょっと……。
早瀬:………なら、私でよければ一緒に観に行こうか。
結佳:……え、えええええ !?
早瀬:(ここで別れても特に何かすることがあるわけでもないしな……)
結佳:え、あ、あの、本当にいいんですか…… !?
早瀬:本当に、って、冗談言っているように見えたか?
ああ、当然チケット代は払うから心配しないでくれ。
結佳:い、いえそういうことではなく…チケットはここに2枚あるので使ってください!
早瀬:友達の分も買っておいたのか。
結佳:はい……前売りの特典が欲しく……て……(真っ赤)
早瀬:まあ、なんであれチケット代は後で払おう。
それじゃ、行ってみようか。……ところで何の映画なんだ?
結佳:……え、えっと……
(鑑賞終了)
早瀬:(呆然)
結佳:……よ、良かったあ……す、ずごぐがんどおしました……(号泣)
早瀬:だ、大丈夫か……?
(ハンカチ1枚じゃ足りなそうに見えたのでハンカチを差し出す)
結佳:あぢがどうございましゅ……
早瀬:……関口は、ヒーロー物好きなんだな……
結佳:(少し落ち着いてきた)は、はい……昔から、正義のヒーローは大好きで……
あ、あ、でも、奥田さんはこんな子供っぽいの好きじゃないですよね……!
付き合わせてしまってすいませんでした…… !!
早瀬:いや……観ていて普通に面白かったな……子供のころ見たのとはまた違って
迫力もものすごかったし……
結佳:本当ですかっ !?
じゃあ来月公開の宇宙刑事ギャバ○ THE MOVIEも
一緒に観に行きませんかっ !?
早瀬:ギャ○゛ン―――――― !?
社長も観にいきます(*ノωノ)