[NEWS] 秋の社内野球大会・2 奥田組の抜かりなき情報収集

○刊ねぎ秘密結社ニュース

奈津恵:――――というわけで、社長の意向により
今年は社員総出で野球大会を開催することになりました。

(以下略)















(社員寮への帰り道)


初南賛:なんで今年になって急にこんなイベントなんか……
今までこういう体育会系イベントやったことないって聞いてたのに……


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(以下、初南賛の回想)


みはる:へぇ~!フロアごとにチームわけしてるんだねっ!
うちは、奥田組っていうんだねっ>< 奥田さんのチーム!キャ~

早瀬:まぁ…たまたまチーム名にされただけで特に深い意味はないと思うが…。

奈津恵:でも、ウチは文武両道な奥田部長をはじめ、
スポーツに関しては他の追随を許さない
百武さんがいるし…。

愛子:いぇーい(≧▽≦)野球は大好きだよっ!まかせといてくださーい!!

奈津恵:あとは、柴田部長も運動能力は高いし、西城寺君もいるし、心強いわね。

初南賛:そうですねー……って、なんで僕の名前までー!?

奈津恵:西城寺君、スポーツ得意でしょう?

初南賛:へ!? 僕そんなこと言いました…っけ!?むしろ運動はそんなに得意じゃ……

奈津恵:あら?でも調査報告書には中学時代に
テニスで全国大会に出たことがあるとか…あと3年時に
校内マラソン大会で準優勝、体育祭で400M走で5位入賞….etc….

初南賛:∑いつの間にそんなこと調査したんですか――!!

みはる:へ~、西城寺君すっごぉおい>< ぜんぜん、運動苦手じゃないんじゃ~ん!

初南賛:そ、そんな…高校時代はスポーツ全然やってなかったですし……
なのにスポーツ得意です!なんて胸張って言えるわけがないじゃないですか…

奈津恵:とりあえず打順は3番奥田さん、4番百武さん、
5番西城寺君でいいわね。後は適当で!


初南賛:人の話聞いてます――――――!?


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初南賛:………とりあえず………うちのチームに有能な人が多いのは間違いないし、
きっと百武さんあたりに任せておけば負けはないだろうし……

氷雨:西城寺さん。

初南賛:でもなぁ……瀬上部長に妙に期待されてるし……大会までまだ日があるし、
僕もちょっとは鍛えなおして……でも面倒くさいなぁ……

氷雨:……………

初南賛:そういえばポジションはどこにされるのかなぁ…
楽そうな外野がいいな…うーんでも…(ぶつぶつぶつ)

氷雨:(無言で初南賛の後ろ首をつかむ。雪女なので冷たい)

初南賛:∑うひゃあぁぁあおぁあ!!!??

氷雨:変な声出さないで!……気持ち悪い。

初南賛:あ……朝霧さん……?いきなりそんな冷たい手で掴まれたらそりゃぁ…

氷雨:呼んだのに気付かないほうが悪い。

初南賛:よ、呼んでたんだ……ごめん……何?
(確かに帰る方向は同じだけど、まさか声かけてくるとは思わないしなぁ…)

氷雨:社内野球大会、他チームの調査をするようにって言われたよね。

初南賛:あ、あぁ…そういえば、打ち合わせの時に頼まれたね……
できる限り他部署のデータを集めてくるようにって……

氷雨:とりあえずうちのチームは、愛子おねえさまがいるし、それだけで優勝候補と
言い切れなくもないけど……。

初南賛:そうだね……僕、特にお父……
山本部長から白米組の情報をできるだけ聞き出すように、
って言われたけど…あのチームにはあんまり負ける気しないしなぁ…
そもそも、白米組は人数が足りてないし。

氷雨:考えが甘いです西城寺さん。私は白米組、一番要注意だと思うけど。

初南賛:!?

氷雨:この野球大会、怖いところは「何も制限されてない」ところ。
つまり、野球のルールに則ってさえいれば、何をしてもいいはず。

初南賛:何をしても……

氷雨:確かに白米組は人数は9人に満たないし、平均年齢も高いです。……が、
あそこには誰よりも最強な真祖がいらっしゃいます。

初南賛:しんそ? ……あ、ああ白鳥部長のことか……

氷雨:人の足りてない分は真祖が分身を出せば済むこと……いえ、
もしかしたら白米組は真祖ひとりいれば最強のチームかもしれない。

初南賛:……想像するだけで怖い……

氷雨:あの恐ろしい狂科学者がいる遠山組もそうです。想像を絶するような悪魔の発明品で
狂科学者が何を仕掛けてくるか……。

初南賛:久我室長かぁ……確かに……。

氷雨:あとは、吉村組。一見、凡人だらけのチームに見えますが、
人間にしておくには惜しいほどの
能力を持つとされる大島主任がいらっしゃいます。
大島主任の力でこちらの考えが見通されたら、何もかもおしまい。

初南賛:そういえば吉村組には百武さんに対抗できるくらいの運動能力を持つらしい、
泉課長がいるしなぁ…。

氷雨:そう、諸々と考えるとやはりうちのチームが一番不利な気がする…の。

初南賛:そうだね…それにしても、朝霧さんすごいなぁ。

氷雨:……なにが?

初南賛:そんな色々とチームのためのこと考えてたなんてね。
僕、適当に考えてたし。社内の娯楽イベントだし面倒くさいなって。

氷雨:勝負は……やるからには、勝ちたいし。だから、調査を進めいこうと……。
なので、西城寺さん、

初南賛:はい?

氷雨:山本部長を通じて、狂科学者や真祖の弱点を調べておいて。
お願いします。私は都合により女性社員しか調べられないので。

初南賛:∑そんな、一番難易度高そうな調査を
 なんで僕が――― !?
 あと都合って君は単に男に話しかけたくないだけでしょ――― !?















(その頃の国際部)


夜半:(野球の入門本読んでる)…へぇ、3回ストライクになると1つアウトになるのか。

幹雄:ちょっ……部長、そんなことも知らなかったんですか……





(つづく)

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