(午後、事業企画部)
照美:う~~~~ん……
千雪:?……どうしたんですの?照美さん。
沙織:便秘?
千雪:デリカシーが無いにも程がありますわよ沙織さん!!
照美:……う~~ん……あたしに、直接は関係ないっちゃないけど……
やっぱお礼、言ったほうがいいわよねぇ……
千雪・沙織:??
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(以下、照美の回想)
”♪~ ♪♪~ ♪~ ” (携帯)
照美:? 実家から? はーいもしもし?
照美母:「次郎君と籍はいつ入れるの?」
照美:(´゚Д゚`)挨拶も飛ばして一言目がそれ!?どんだけ急かしてるのよ!
まだそんな段階じゃ、全然ないっつ――――――の!!
照美母:「(‘A`)チッ」
照美:いくら三十路に片足突っ込んでるとはいえ
親がそこまで焦るとこっちが悲しくなるわ…
照美母:「まあそれよりもちょっと訊きたい事があるんだけど」
照美:何よ?
照美母:「何か、ネット通販で…あなたの会社の人っぽい人から、
芋ようかんの注文が入ったんだけど」
(※照美の実家は長野にある老舗の有名和菓子屋)
照美:……? まぁウチの芋ようかんは人気商品だし……別に偶然じゃないの?
照美母:「ただの注文なら別にわざわざ電話なんてしないわよ。
けど数が尋常じゃなかったんだもの」
照美:いくつ?
照美母:「306本。」
照美:`;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ!!
照美母:「数字の入力間違いか何かかと思って、電話で確認してみたけど、
間違いないって言うし… 会社の贈答用か何かなら熨斗(のし)
お付けしましょうか、って訊いたけど個人用だって言うし」
照美:個人用で300本以上とか一体何に…
って、なんでウチの会社の人間だってわかったの?会社名で注文入ったの?
照美母:「いいえ個人名よ。ただ、住所に『ねぎ秘密結社社員寮』ってあったから…」
照美:社員寮……注文した人の名前は?
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(そして現在―――― 国際部)
照美:失礼しますっ !!!
幹雄:はーい? …………?
リーザ:はい?って今誰か来たような気がしたけどドアしか開いてませんね?
幹雄:でも、今の声は……(視線をやや下げる)
あ、南十字部長じゃないですか。こんにちは。すいません小さくて見えな
照美:小さいってい―――う―――な!!
むしろあんたらがデカすぎなんだあああああああヽ(`Д´)ノ!!!!!!
幹雄:∑しまった!ああああ;すいませんっ!そうですよね僕たち背が高すぎて…
リーザ:これは失礼しました、南十字部長。改めてこんにちはです。
あまりお顔を合わせたことはありませんが…噂以上の小さくて可愛いおか
照美:小さいってい!う!な―――!!!!ヽ(`Д´三`Д´)ノ
幹雄:( ̄□ ̄;)リ、リーザさん!南十字部長に「小さい」とか
「ちっちゃい」とか「チビ」とか禁句ですから!
リーザ:? (←よくわかってない)
夜半:おや、何か騒がしいと思ったら照美ちゃんじゃないか。
(照美を上から覗き込みながら)
幹雄:あ……白鳥部長、起きたんですね。そうです南十字部長です。
国際部にいらっしゃるのは珍しいですよね。(照美を上から覗き込みながら)
リーザ:今日は椎子さんがお休みなので、職場に見慣れない女性がくると
華やかになるのです~。(照美を上から覗き込みながら)
照美:……………………
(悪気はないのは分かるんだけど…こ、この…ねぎ社の高層ビル群どもめ…
これだから国際部にはあんまり来たくなかったのよ…)
※参考資料:夜半192cm・リーザ183cm・幹雄182cm・照美146cm
夜半:それにしてもどうしたんだい?もちろん何か用があって来たんでしょ。
照美:! そ、そうよ白鳥部長!うちの実家に芋ようかん306本とかいう
クレイジーな注文したの、あなたでしょ!
夜半:えーバレちゃったの。せっかく照美ちゃんを通さずこっそりと注文したのに
個人情報駄々漏れじゃないか。
照美:会社用じゃなくて個人で300本以上とか、誰が頼んだって話題になるわよっ!
っていうかなんであたしに内緒で?あたしを通せば少し割安にしてあげたのに。
夜半:え、直接言ったらドン引きされるかと思って。
照美:ええ、その判断は間違ってはいないけど。
夜半:で、その芋ようかんがどうしたの。何か迷惑掛けちゃったかな。
照美:い、いえ…母から連絡貰って…たくさん注文してくれてありがとう、って…
あ、あたしからも一応お礼を言うわ、あ、ありがとう。。
夜半:どうしたしまして。
照美:……に、してもよ。300本以上も一体何にするつもり?
夜半:ようかんって食べる以外に何か用途あったっけ?
照美:(´゚Д゚`)そりゃよーかんは食う物だけど
数がひとりで食うには異常だって言ってんのよ!!!
夜半:一人じゃないよ。国際部のみんなにもおすそ分けしようかと思ってね。
いつだか、次郎君から一口もらったらものすごく美味しかったからね。
湧ちゃんに頼んでネット注文してもらったってわけさ。
(※ネットも含む機械類の扱いがまるでダメな夜半さん)
幹雄:えぇ、南十字部長のご実家の芋ようかん、おすそ分けしてもらえるんですか?
ありがとうございます!部長!
リーザ:ありがとうございます~。でも、100本とかはさすがに食べれないですよ。
夜半:大丈夫、中原君リーザ君椎子ちゃんに各2本ずつ。残りは俺。
照美・幹雄・リーザ:∑( ̄□ ̄;)300本をひとりで!?
照美:あ、あのね…白鳥部長、うちの芋ようかん、冷凍しても賞味期限1ヶ月くらいよ…?
夜半:一日10本食べれば大丈夫でしょ。
幹雄:((( ̄□ ̄;))))びょ、病気だ……白鳥部長は甘党という名の病気だ……