(社員寮『わけぎ』、午前2時くらい)
…………いやぁあああああ…………
夜半:……? 何か今女の子の悲鳴が聞こえたような……
気のせいかな?あんまり悪い気配はしないし。
(気にしないことにして深夜番組を観続ける)
”……コツコツコツコツコツコツコツ(足音)……
ピンポーン! ピンポーン! ピンポーン! ”
夜半:!? ……この気配はアラウネちゃん……?(とりあえずモニターを見る)
……もーなんなの、こんな時間に。まぁ君も俺も夜行性だけども。
アラウネ:『あ…ア゛レ゛グざま゛ぁ゛~~~…だずげでぐだざい゛い゛ぃぃ~~…』
(鼻水出るほどに号泣している)
夜半:はぁ………何があったのかな。(仕方なく玄関に赴く)
アラウネ:ず、ずみまぜん……も、も゛うわだじ…どぅじでいい゛のが……
夜半:はいはい涙拭いて。鼻水もかんで。落ち着いて話してごらん。
(ティッシュ渡しながら)
(とりあえず部屋に入れて、落ち着くまでしばし待つ)
アラウネ:……ぐす……すいませんです……アレク様。
夜半:別に起きてたからいいけど。あぁ、あと旧名呼びはできれば遠慮してね。
アラウネ:……はい、すいません……夜半様。いつもなら心得てるんですけど、
取り乱してしまうと……
ついこの間までの呼び方で呼んでしまうのですよね…。
夜半:この間って…改名したの50年くらい前だけども。まあ、いいや。
ところで、一体何があったんだい?
アラウネ:100センチなんです。
夜半:は?
アラウネ:お正月太りで、100センチなんです。
夜半:……なにが?
アラウネ:(前のめりに近づいてきて無意識に胸の谷間強調させながら)
何がって…胸に決まってるじゃないですかあああ!!!
恥ずかしいこと言わせないでくださいぃっ!!!
夜半様のセクハラー!!
夜半:・・・・・・
アラウネ:お正月料理が美味しくて、食べすぎちゃって、
太っちゃったみたいなんです…っ!!!
それで、お風呂上がりに胸のサイズを久々に測ったら……100センチ…!!!
年末に測ったときは98センチだったのに…も、もう、わたし…
どうしたらいいのかわからなくって……!!!
夜半:……えーと、それで?
アラウネ:そ、それで……知識豊富なア……
夜半様なら胸を小さくする方法をご存知かと思って……
夜半:あのねアラウネちゃん?いくら俺が知識豊富でもさすがに性別は男だから
女性のそういう知識はエステティシャンでもない限り、無いよ?
アラウネ:えぇええ~~~………
夜半:あとね。最初から相談する相手間違ってる。
そーいうのは女の子同士で語り合いなさい。
常識で考えて、そんな胸が8割はみ出るような服で深夜に男の部屋に来るとか、
襲って下さいって言ってるようなものなんだよ。わかるかい?
アラウネ:? そのくらい分かってますよぅ~…
昔から信頼している夜半様だから来たんです。
相談ついでに夜のお供するくらいのつもりでここに
夜半:はいはいはいここでそういう爆弾発言は止めるように。
ここ全年齢サイトだから。
全く、昔から君はシャイなんだかデリ嬢なんだかよく分からない女の子だよね。
アラウネ:うう~……そんなんじゃないですもん~……
あぁ……死神の制服が胸だけきついです……どうしたらいいんですか……
夜半:ダイエットでもしたら。
アラウネ:普通のダイエットはダメなんですぅ~…
どういうわけかおなか周りしか減らないんですぅ~…
夜半:世の、胸のない女の子達が聞いたら嫉妬で暴動起こしそうなくらいの体質だね。
アラウネ:やっぱり、エステ行くと細くしたい部分をよく揉まれるように、
揉んだら減るんですかね~…
夜半様、試しに揉んでもらえますか?
夜半:天然デリ嬢はそろそろ帰ってもらおうか。
アラウネ:そういうのじゃないんですってばぁ~…
夜半:自覚がないから性質悪いんだってば。
とりあえず、俺は解決方法は知らないから他を当たってくれるかな。
(少し考える)……そうだね、久我ちゃんなら頼めば痩せる薬とか
作ってくれるんじゃない?
アラウネ:! 恭一郎様ですか……。
夜半:君の尊敬する上司様だろう?
俺に相談したのと同じように相談を持ちかけてみるといいよ。
アラウネ:……そうですね……!!天才科学者の恭一郎様ならきっと…!!
夜半様ありがとうございます!こんな夜遅くにご相談に乗って頂けて…!!
ご迷惑をお掛けしました…
夜半:(ホントに迷惑掛けたと思ってるのかな?まぁ、黙っておこう)
まぁ、別にいいよ。あ、久我ちゃんのところには
間違ってもこんな時間に行っちゃだめだよ。
最低でも夜が明けてからにしなさい。
アラウネ:はいっ!
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(翌日)
アラウネ:恭一郎様ぁぁあああ~~…… !!!!(以下略)
久我:何だねアラウネく………!!!????
その後、アラウネちゃんの乳が縮まったかどうかは謎。