★吉村夫妻は滅多に出ないので最初に予備知識
・吉村さん夫妻には3人の子供
(上から長女・悟未、長男・真澄、次女・史愛)がいます。
・奥さんの香澄ちゃん(旧姓:大武[おおたけ])には
3つ子のお兄さん(大武壱哉・大武二葉・大武参示。
全員独身・イケメン・悟史と同い年)がいます。
(吉村家)
香澄兄1:やぁ香澄、今日も可愛いね。元気だったかい?
悟史君にDVとかされてないかい?
悟史:あはははは~、そんなことするわけないじゃないですか~。
香澄兄2:ははは兄さん、そんなこと言っちゃあ失礼だよ。
あ、悟史君。相変わらず図体でかくて暑苦しいね。
悟史:暑苦しいですか~、すいませんね~。良かったらエアコンの風下にどうぞ~。
香澄兄3:香澄、毎日育児大変だろう。
今日は僕らが子供達の面倒を見るから、羽伸ばしておいで。
……あぁ悟史君、いたのか。全く君は相変わらずとろい口調でイラッ☆とするね。
悟史:あははは、おっしゃる通り、俺とろいんで~。
優秀なお義兄さん方がうらやましいですよ~。
香澄:―――――もう!お兄ちゃん達ったら!!!
悟史さんの悪口言ったら1回につき
罰金100円って言ったでしょ!!!
香澄兄1:はっはっは、そういえばそうだったかな?
ごめんよ、つい本音が出てしまってね。
香澄兄2:ごめんよ香澄。はい罰金(万札差し出す)。
これで僕らの可愛い甥っ子たちにおもちゃでも買ってやりなさい。
香澄兄3:でも1万払ったから悟史君の悪口あと100回言えるね!はははは!
香澄:お兄ちゃん~~~…………(ものすごい形相で睨みつける)
香澄兄1:おっと、それでは僕らは可愛い甥っ子たちと遊んできましょうかね。
香澄兄2:君ら夫婦は適当に僕らとは別の場所に出かけてくれたまえ。
目の前でいちゃつかれると鬱陶しいからね!
(香澄兄x3が吉村夫妻の子供達を連れて出かける)
香澄:~~~~~~~もぉぉぉおう!お兄ちゃん達本当に最低!!!
いつになったら悟史さんへの意地悪を止めてくれるのかしらっ!!!
悟史:あはははは~。賑やかでいいじゃない。
香澄:前から思ってたけど、悟史さん、
お兄ちゃん達にあんな酷いこと言われてどうして怒らないの?
悟史さん、もしかしてマゾなの?
悟史:マゾって、香澄ちゃん(笑)
別に、あの程度の悪口どうってことないし、
陰で言われるより面と向かって言われる方がまだいいよ。
図体でかいのもとろいのも事実だしね~。
香澄:えー……
悟史:それに、何だかんだ言って子守は手伝ってくれるし、
子供達の事もすごく可愛がってくれるし。
お小遣いくれたりもするし、いいお義兄さん達だよ。
香澄:そうかしら……
悟史:それに、普段あまり怒らない君も、お義兄さん達の前では睨んだり怒鳴ったり…
本当、そういうとこ兄妹なんだなって思えて、見ていて羨ましいよ。
香澄:羨ましい? 私達兄妹が?
悟史:俺、兄弟いないからね。ずっとひとりだったし。
だから香澄ちゃんと結婚して、お義兄さんが三人も出来たってだけで、すごく嬉しいんだ。
香澄:悟史さん……。
悟史:それに、お義兄さん達が香澄ちゃん……
妹をああもかわいがる気持ちは、分かる気がするよ。
俺も香澄ちゃんみたいな妹がいたら、ベタかわいがりしただろうなぁ、あははは。
……ほんと、兄弟欲しかったよ、俺も。
香澄:…………。
悟史:そんな、申し訳なさそうな顔しないでよ。今は君や、子供達、
お義兄さん達もいて、すごく楽しいし、賑やかだし、幸せなんだからさ。
香澄:悟史さん、小さい頃にお義父さま亡くして……大変だったんだものね……
悟史:そうだねぇ。俺が3歳の時に死んじゃって、全然覚えてないから、
母さんしかいないのが当たり前の生活だったからなぁ。
香澄:…………。
悟史:それと、残念ながらやっぱり覚えてなくて、後から聞かされた話だけど……
父さん死んだ時、母さんのお腹には赤ちゃんがいたんだって。
でも、父さんが死んだショックで、流産しちゃって……。
香澄:えっ……!
悟史:男女もわからないくらいの早期の流産だったらしいから……
墓誌にも残ってないけどね。
無事に生まれてたら、俺もお兄ちゃんだったんだよな~。
香澄:さ、悟史さん……(複雑そうな顔で悟史の腕にしがみつく)
悟史:だから、お義兄さん達がいて幸せだよ。どんなに悪口言われてもね。
逆に、頑張ろう、認めてもらおう、見返してやろうって思えるしね(笑)
香澄:……ありがとう、悟史さん……やっぱり、あんなでも私の兄達だし……
そう言ってもらえると嬉しいし、もっと仲良くなってもらいたいわ……
悟史:そうだね、俺は今のままでも十分楽しいけどね。
香澄:…………(無言で悟史の腕にしがみついてる)
悟史:……お盆には、実家に帰って母さんに顔見せて、父さんのお墓参り行こうね。
俺には今こんなにたくさんの家族がいて、
相変わらず幸せだってこと、報告しなくちゃね。
香澄:……うん、そうね。