(午後2時、食堂)
眞妃:(ふぅ…午前の業務がこんなに長引くと思わなかったわ…
あぁお腹空いた。ご飯食べよう………あら、あれは………)
夜半:蔦子ちゃん。白玉ぜんざいどのくらい残ってる?
蔦子:あ~らぁ白鳥部長ったら、た――――――くさん残ってるわよ♥
お昼に白玉ぜんざいを主食で食べる人なんていないもの!
夜半:まぁそうだよね。というか全体的に超こってりなここのメニューに
白玉ぜんざいがあることが不思議だよ。というか以前はなかったよね?
蔦子:そんなの!白鳥部長が甘いものしか食べないって聞いたから、
追加したに決まってるじゃぁないの♥
夜半:え、俺のためだったの…別に甘いもの以外も食べるよ。
あんまり好きじゃないだけで。
蔦子:好きじゃないもの無理に食べなくてもいいでしょ♥
これからも追加して欲しいメニューがあったらいつでも…
夜半:…あ、ごめん蔦子ちゃん。後ろがつかえてるから注文いいかな。
眞妃:!(あ、私のことか…)
蔦子:はいはい!注文ね。白玉ぜんざい何杯?
眞妃:!?(複数デフォなの!?)
夜半:そうだね、今日は午前中忙しくて疲れてお腹空いちゃったし、
5杯……いや、あるだけ全部で。
眞妃:――――――!?
蔦子:あらあらぁ白鳥部長ぉ、そんなに食べきれるのぉ?
夜半:食べ切れなかったら持ち帰るよ。まぁ、残さないとは思うけども。
蔦子:じゃあ、用意するからちょぉっと待っててねぇ~♥
・ ・ ・ ・ ・
(白玉ぜんざいが次から次へと手渡されるのをテーブルに並べる夜半と目が合った眞妃)
夜半:……あぁ、ごめんね待たせちゃって。
まさかこんな時間に他にお客がいると思わなくってね。つい長話を。
眞妃:いえ……。(大量に並べられる白玉ぜんざいを、ガン見。)
すごい、量の……白玉ぜんざいですね。そんなにたくさん食べ切れるんですか?
夜半:まぁね。俺もう病気レベルの甘党だからね。……あ、もしかして食べたかった?
全部買い占めちゃったよ。少し分けようか?
眞妃:い、いいえ。。私どちらかというと甘いものは苦手なので……。
夜半:そっか。…もう少しで運び終わるから、待っててね。
・ ・ ・ ・ ・
夜半:これで終わりかな。お待たせ。それじゃ、お先に。
眞妃:はい…。(本当にあんなに食べきれるのかしら…白玉ぜんざいだけを。。)
蔦子:眞妃ちゃんお待たせ!今日は遅かったのね♥
眞妃:え、ええ。今日は午前の業務が長引いてしまって…。
(カウンター越しに蔦子と話す眞妃の後姿を眺めながら)
夜半:(そういや……あの娘、経理部の成沢部長だっけか。
今まで全く話したことなかったなぁ。
まぁ、そんな機会もなかったし気にも留めたことなかったけども)
蔦子:さ、眞妃ちゃん!今日は何行く?
眞妃:そうですね…今日の日替わりランチは何でしたっけ?
蔦子:今日はねぇ♥
「特製じっくりコトコト激辛ビーフカツカレーツタコデラックスinJune」よ♥
とぉっても美味しいカレーライスにミニカレーうどんにカレーおにぎりまでついた
カレーづくし!のランチセット♥♥
夜半:(うわ…俺なら絶対手が出ないなそれ…)
眞妃:すごいですね。何から何までカレーづくしで。
蔦子:そぉよぉ!ちょっと量が多かったのか、
みんなあんまり挑戦してくれなかったのよねぇ~
眞妃:そうなんですか。つまりたくさん余ってるってことですよね。
蔦子:そうなのよねぇ。眞妃ちゃん何セットいく?
夜半:(複数がデフォルト……なのか)
眞妃:じゃ、それをあるだけ全部で。
蔦子:あらあらぁ♥眞妃ちゃん思い切ったわね♥そんなに食べられるのぉ?
夜半:(カシャン!) ←びっくりして箸を落とす音
眞妃:もうお昼もだいぶ過ぎてお腹空きすぎちゃって………
? 白鳥部長大丈夫ですか?お箸落とされたみたいですけど
夜半:あ、ああ。うん。大丈夫。
蔦子:心配無用だったわね♪はぁい♪まいどあり~♪
今用意するからちょぉっと待っててねぇ♥
・ ・ ・ ・ ・
(鍋と炊飯器ごと食堂のテーブルに運び出される)
眞妃:いただきます。…………(ものすごい勢いで食べ始める)
夜半:…………
眞妃:(夜半の視線に気付く)? 何ですか?白鳥部長。カレー食べたかったですか?
夜半:いや…。俺辛いもの苦手だから。ただ…そんなに食べきれるのかなぁ、って。
眞妃:さっきの私の言葉、そっくりそのまま返されちゃいましたね。
大丈夫です。一時間もあれば食べ終わりますから。
夜半:(いや時間の問題じゃなくてね? …まあ、いいか。)