(都内の私立名門校・聖野薔薇学院初等部)
教師:教科書12ページをひらいてください。では、ここから先生と一緒に読みましょうね。
ある、おひゃくしょうやの、うらにわに、あひるや、がちょうや、もるもっとや、うさぎや、いたちなどが、すんでいました・・・・・
在素:(はぁぁぁ………退屈だわね………毎日毎日。
大学卒業してる私にとっては、小学1年の授業なんて、茶番でしかないのだけど……)
ふぁぁぁ……(あくび)
教師:……こら、久我さん。あくびなんてしないでちゃんと一緒に読みなさい?
在素:あ、すいません。(いけないいけない。それを承知でここに入学したんだもの。怠けずにやらないとね…)
(休み時間)
同級生:ありすちゃーん!今日はねむそうだねっ
在素:先生に注意されちゃって…恥ずかしいところを見せちゃったわね。
ゆうべ遅くまで今やってる研究の実験の結果をレポートにまとめてそれの検閲作業を…
同級生:????
在素:あ、いえ……えっと、ゆうべ遅くまで本を読んでいて、寝不足なのよ。
同級生:そうなんだ~!わたしも、本をよむのはすきだよ!
少女まんがとか大すきだけど、あんまりよんでるとお母さんにおべんきょうしなさいっておこられちゃう。
在素:少女マンガねぇ。私はあんまり読まないけど…というか、良く知らないの。
今度、面白い本があったら教えて?
同級生:うん、もちろん!
校内放送:” ピンポンパンポ~ン おしらせします。児童会役員のみなさんは、お昼休みに会議室にあつまってください。繰り返します・・・”
在素:お昼休み…
同級生:そういえば、ありすちゃん児童会(※いわゆる生徒会の小学生版)にはいったんだよね!すごいよねーっ!1年生で児童会にはいるひと、今までにいなかったんだって!
在素:まぁ…そうでしょうね。私の場合たまたま、先生に推薦されたからだけど…
同級生:児童会、あこがれちゃうなぁ~!制服のうでに児童会のトレードマークのリボンもつけられるし!あれかっこいいよねっ!
在素:そう?まぁ、ちょっと邪魔くさいけど、制服の色合いに合ってて、確かにいい感じよね。
同級生:それに児童会って、成績ゆうしゅうでイケメンな高学年のお兄さんやキレイなお姉さんがいっぱいいるんだよね!うらやましいなぁ~っ♥ ><
在素:成績優秀……イケメン……そう、そう聞いてたから、入ってみたんだけどねぇ……(ため息)
同級生:?? どうしたの?
在素:いえ、なんでもないわ。
(新学期、何か新しい出会いがないか思って、そういう前評判の児童会に入ってみたけども……
どれだけ優秀でイケメンや美女がいようと、当たり前だけどみんな小学生なのよね……
何かもうちょっと、刺激的というか、私と切磋琢磨できるような人間との出会いなんて、ないものかしら…
これじゃ、お父さんと会社にいるときの方が、よっぽども刺激的だわよ……)
(翌日)
教師:みなさん、おはようございます!
1年生全員:\ おはようございま~~す!!! /
教師:では、着席してください。
今日は、皆さんに新しいお友達を紹介いたします。
在素:(……? ずいぶんと中途半端な時期に、転校生?)
教師:では、久保くん。入ってきて。
在素:(ガタタッ!!)!?!?!???
教師:どうしました?久我さん。大丈夫?
在素:あ……ハイ……すいません……(ちょ……ちょっ……ちょっとあれ……!?)
教師:紹介しますね。(黒板に大きく、ひらがなで転校生の氏名を書く)
「くぼ きいちろう」
教師:今日から皆さんといっしょにお勉強することになった、久保機一郎くんです。
在素:久保……機一郎………
い……いえ……まさかね……いくらなんでもお父さんがそんなことまで……
教師:久保くん、皆さんに自己紹介をお願いします。
久保:はい。はじめまして。久保機一郎といいます。よろしくお願いします。
教師:久保くんは、久我さんのいとこだそうですね。
久保:はい。
在素:はい???
教師:席も近いし、なかよくしてあげてくださいね。
在素:……………
久保:あと、在素はいとこだけど僕の婚約者でもあるから男子諸君は決して手だししないでくれたま……くださいね!(ビシイッッッ!!!!!)
在素:やっぱりお父さんじゃないの!!!!!!!!!!
な――――に子供のフリして娘のクラスに不法侵入してんのよ―――――!!!!!
久保:お、お父さんって何かな!? 僕は久保機一郎!
決して児童会のイケメンやクラスメイトに手出されたりしないか心配して忍び込んできたお父さんとかではないよ!!!!
在素:先生!こいつ父………不法侵入者です!今すぐつまみ出してくださいっ!!!!
教師:そ、そんなこと言われてもねぇ……久保くんの編入書類や身辺調査に不備はなかったし……
久保:ふははは!そのへんはぬかりないからねっ!
在素:だ―――――っっタチ悪すぎでしょ!!!!!!
(確かに刺激的な出会いは望んでたけど、こういうことじゃないのよ―――――!!!!)