(ニュースの音声)
”7月も後半になりましたが、今日の関東地方は各地で記録的な猛暑に見舞われ――――――”
美彦:―――――というわけでだ!暑い日が続くが月末の棚卸に向けて我々購買部は着々と準備を……
愛子:えーっと、あの~。柴田部長ー!
美彦:なんだ百武!!!
愛子:早出で頑張ってた約2名が倉庫の奥の方で干からびてまーす!
美彦:そうか。干からび……干からびて!!??
(現地へ行く)
美彦:朝霧ィ――――!!!! 烏丸ァ―――――― !!!!!
某少年漫画のヤ●チャみたいに倒れてるんじゃな――――――ァァい!!!!!!
愛子:あ~あ、氷雨ちゃんも、恵彦くんも、暑さに弱いからって早朝の涼しい時間からやれば大丈夫って過信してたのかな?
今日は朝から30度超えてたしねっ。そいでもってここの倉庫、換気ぜんぜんなってないし。あたしみたいにブラパンツ一丁になっててもきっついわ~。
美彦:(もう慣れた)クッ………!!!! どいつもこいつも軟弱者め……!!!! し、しかし……本当ここのところ前代未聞の暑さが続いてるからな……。
愛子:とりま、二人を病院にぶっこんできまー。
美彦:たっ、頼んだ…。
……しかし、どうするか……前みたいに人事の瀬上部長に頼んで、白鳥部長の大群に来られるのは、正直キツイ。
かといって、日にちはないし、急きょ人材募集するのも現実的でないな……ううむ……。
紅葉:部長~。こっちの荷物並べ替え終わりましたー。
(同じく早朝から働いていた紅葉。意外にケロっとしている)
美彦:お、おう……宮川。貴様は平気そうだな……。
紅葉:まー、小さい頃から結構鍛えられたりしてたんで~。うちの父親、軟弱野郎大嫌いだったし。
美彦:そ、そうか……暑さに弱い奴らばかりの中、頼もしいな。しかし……俺様と百武と宮川だけじゃ……。
紅葉:何。人手足りないんですか?
美彦:朝霧と烏丸が熱中症で倒れて運ばれていったばかりだ。
紅葉:あーそういやなんか床に寝てましたねー。触っちゃ悪いかなと思って放っておいたけど。
美彦:そういうのは放っといちゃダメだ!!!!!!
紅葉:棚卸の時だけの人手が欲しいなら、僕がなんとかしましょうか?ツテはありますよ。
美彦:……なにっ!?
紅葉:こういう暑いところでも頑張れるような、鍛えられたメンツならやれるんじゃないかな?
美彦:…………………まさかと思うが、ヤンキー仲間とかじゃないだろうな?
紅葉:やだなぁ失礼しちゃいますね。そんなチンピラみたいな奴らに大事な会社の仕事任せられるわけないじゃないですか。もっとちゃんとした大人ですよ。
美彦:(チンピラみたいな仲間はいるのか……。。。)
じゃあ、7月の最後の土日に、この会社の倉庫に午前8時に来てもらえるか?人数は………
紅葉:はいはい。頼んでおきますね~。
・
・
・
・
・
(そして7月最後の土曜日)
※イメージです
舎弟たち:若頭!!!!今日はよろしくお願いしますッッッ!!!!!!
紅葉:いい挨拶だね。今日はよろしく頼むよ~。
舎弟たち:しゃしたァッッッ!!!!!(たぶん「承知しました」の略)
美彦:…………ハハッ…………(平均身長185cm↑の屈強な10数名の男衆に何も言えない)
紅葉:あっ部長~。おはようございます。
言われた人数よりちょっと多いけど、人海戦術でやればすぐ終わるかな~って。
美彦:そ、そうか……。
紅葉:みんな、この人が柴田部長。この人の指示に従ってやってね。
ちょっとやかましいけどイライラして殴ったりしないでよね。もちろん蹴るのもだめだよ。
部長の言葉は僕の言葉と思って動くこと。いい?
舎弟たち:しゃしたァッッッ!!!!!
美彦:あわわわわわわ…………((((;゚Д゚))))
紅葉:どう?部長。チンピラみたいなバカの下っ端じゃなくて、ちゃんとそれなりの地位のやつら連れてきましたよ。
美彦:そ…………そうだな。チンピラではないな。(どうみても本物の極道だな。)← 言えない
紅葉:僕が若頭ってのは今も認めたわけじゃないけど、使えるうちに使えるものは使ってもいいかなって。
よーっし、みんな、張り切っていこー!
舎弟たち:ウォオオオぉぉぉぉぉッッッ!!!!!!!!!
美彦:……もー……終わればなんでもいいか………