(ここは、『あの世』と『この世』の間――――)
司:は~。今日ばっかりは会社から解放されて家に帰れる日だー!みんな元気してっかな~
そういえば、ウチの会社の関係者で死んだやつなんておれ以外にいたっけかな?
いないか!いるわけねーかー!
奏子:ちっちっちっ、甘いねーあんちゃん!
司:ん?どちらさま?
奏子:あたしは桐島奏子!あんちゃんと同じねぎ秘密結社にいる、桐島上総の嫁1号さっ!
司:えぇぇぇ!? きりしまん嫁さん二人いんの!? あの人もヤるなぁ~
ってか日本って一夫多妻OKだったっけ?
奏子:アホか!ここにいる時点であたしが死人だと気づけ!
司:あぁそっか。そうだな。あーつまりあれか、さおりんの前に結婚してた相手ってことか。
奏子:そーそー。まー残念ながら病気で死んじゃったんだけどねー。
真砂:お~い、奏子ちゃーん!
奏子:あっ、真砂ちゃん!
司:まさごちゃん…?
真砂:ん?なんだコイツ、奏子ちゃんに何の用だ?
つまんねー理由だったらぶっとばすぞ。
司:物騒なおにーさん……いや、おねーさんだな。
しかしおねーさんどっかで見たような顔……
奏子:ああそうそう、真砂ちゃんも、ねぎ社にいる東堂浪路ちゃんのお姉さんだよ。
司:あー!なみなみ!うんなるほど、なんか似てる!
真砂:なんだ、浪路の知り合いか。
しかしなー、お盆つってもなー。俺は実家よか浪路の家に行きたいよな~
そういうのダメなんかな?
奏子:別にいんじゃない?身内なら。知らんけどw
司:結構軽いノリだなあの世……。
大恵:皆さん、こんばんは~♪今年もこの季節がやってきたのねぇ~。
「ねぎ社」って話してるの聞いて、思わず声かけちゃった!
司:ん?おばさんももしや関係者か?
大恵:モチのロンよ!私は青木大恵っていうんだけどね。
息子の大空がそこに勤めていてね~~。あの子も会社勤めするほど大きくなったのねぇ~。
司:ひろりんの母ちゃんか!そういや死んでたってきいてたな…。
太一:お話し中失礼します。僕、泉 太一と申します。僕も弟と、妻がそこに勤めてまして…
良かったら混ぜてもらえませんか?
大恵:あらやだイケメン♥
真砂:なんだなんだ、浪路の会社の関係者ってだけでぞろぞろ増えてきたな!
関口結佳の両親:うちも、娘が勤めてまして。最近彼氏ができたみたいで見ていて気が気がじゃないですよ~。
湧木廉太郎の両親:うちも息子が勤めてますよ。いい年して重症のシスコンで心配で仕方ないですよ。
吉村悟史の父:僕の息子は営業部長やってますよ!
… … … … …
(他にも、ぞろぞろとねぎ社関連の死者の魂が集まってくる)
司:ちょ、ちょい待て………なんだこの死人の多さッ!!?? おかしいだろ!!!!
奏子:まーまー、たくさんいた方が楽しいじゃん?
司:いやいや……それだけあの会社では不幸が起きてるっていうか……考えようによってはヤバいんじゃ
真砂:ンなもん、深く考えたら負けだぜ!!!!!
大恵:そうそう、せっかくの里帰りですもの、楽しくいきましょ♥
奏子:そいじゃ、ねぎ秘密結社故人ご一行里帰りツアー、この世へごしゅっぱーつ♪ 帰りは各自ご自由におかえりくださ~い!
一同:お――――――!!!
司:チクショー!なんかノリいいな!? 嫌いじゃないぜ!? そういうの!!
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閣下:………朝、か………何なのだ?今の夢は………
会社の関係者の死人が集まって里帰りツアーなぞ……馬鹿馬鹿しい……
…………
……だったら、何故あいつが居ない……?