[NEWS]熱烈な愛のプレゼント

○刊ねぎ秘密結社ニュース

(2月14日、朝、購買部)

 

美彦:おはようっ!!!!! ……よし、誰もいない……
今年も……来ているのだろうか……あっ!!!!!

(美彦の机の上に、かわいらしい花束と小さなチョコレートと、メッセージカードが置いてある)

美彦:うう……やはり、あったか……
ここ数年、毎年毎年……一体誰なのだ……?……メッセージカード……
(開いてみる)

” Happy Valentine’s Day for you. ”

美彦:この会社に……俺様の熱烈なファンがいるのはわかった……
だが、誰なのだ……?無記名でこう、毎年贈られると……無下に捨てることもできぬ……!!!!

 ”パタ、パタ、パタ、パタ……”

美彦:(むっ、誰か来た!)

氷雨:おはようございます。

美彦:おっ、おはようっ!!!!(チョコはとっさに懐に隠す)

氷雨:……………

美彦:(朝霧か……朝霧なら俺様とあまり積極的に話そうとはしないし、この花束の事も問い詰めるようなことはすまい……さて、これをどうするか……)

氷雨:(ガタッ)←席を立つ

(氷雨が一瞬席を外し、すぐ戻ってくる)

氷雨:どうぞ。

美彦:な、なんだ?

氷雨:? そのお花、オフィスに飾るために持ってきたのではないのですか?花瓶が必要かと思い、持ってきました。

美彦:!!!!! そっ……そうだな!!!! そうなのだ!!! ここに飾ろうと思ってだなーはっはっはっは!!!!!!

氷雨:? 何か焦ってませんか?

美彦:あ、焦ってなどいないぞー!!?? 俺様はいつも元気!!!!

氷雨:元気かどうかなんてきいてませんが……

美彦:じゃ、じゃあ朝霧!!! 花を生けるのはお前に任せた!た、頼んだぞ!!!

氷雨:わかりました。

美彦:(花は朝霧に任せて……あとは……どうするかこのカード……)

愛子:おっはようございま――――――す!!!!

美彦:おぅ百武、おはよう!!

愛子:部長おはようございます!はいっ、私からバレンタインの義理チョコでーす

美彦:お、おおありがとう。

愛子:大したもんじゃないですけどねーっ!部長は、みゆき奥様からおいしーいチョコもらってるでしょーし!

美彦:いやいや……みゆきちゃんはイベントごとに興味ないからな……ねだったら機嫌悪くしそうだし……(しょんぼり)

愛子:そっかー。でもまぁそんな感じしますねww ……ん?部長、その手に持ってるかわいい封筒なんですか?

美彦:!!!!! うわぁ!!!! こ、これは……なんでもない!!!!!

愛子:あー、もしかして奥様からのバレンタインメッセージカード?いやーん

美彦:あははは、はっはっはっは………(何も言えない……これがみゆきちゃんのだったら、堂々としてられるんだが……!!!!)

 

 

 

 

 

(業務推進部、というか食堂)

 

蔦子:じゃーん♪ 本日限定!バレンタインにちなんだ特別メニュー、バレンタインめにゅー♪♪

オサム:バレンタインメニュー?

蔦子:ケーキみたいにかたどったご飯に、チョコレートソースをかけちゃいましたー♪

オサム:いやいやいやいやいや、蔦子ちゃんさすがにご飯にチョコとかキワモノすぎるっしょ!!

蔦子:そんなこと言わずに召し上がれー♪(オサムの口に無理やり放り込む)

オサム:うわあぐむぉっ!!!! ……はんはほれ、はれー?(なんだこれ、カレー?)

蔦子:そうでーっす♪ チョコソースに見えちゃうくらい、具材が溶けてなくなるまでグッツグツに煮込んだ黒カレーでーす♪

オサム:(もぐもぐごっくん)……なるほどぉ。コレは面白いし美味しい!! やるじゃん蔦子ちゃん!

蔦子:ふふーん♪でしょでしょー!

みゆき:チョコケーキに見立てたカレーライスか。中々面白いな。

蔦子:みゆきさんは、毎年旦那さん……柴田部長にバレンタイン何かあげてるの?

みゆき:毎年、適当なチョコと花束をあげることにしている。今年ももうあげてきた。

蔦子:そうなんだー 柴田部長、泣いて喜んじゃうでしょ

みゆき:さあ。知らんな。

蔦子:え。知らんって。。

みゆき:騒がれると面倒だから、毎年、奴がいないときに会社の机の上に置いている。

オサム:………それ、ちゃんと部長の手に渡ってるんスか?何か得意先とかイベントとかでの、部署宛ての贈り物と間違えられて誰かに片づけられたりとかしないんスか…?

みゆき:さあな。そこまでは知らん。
(そういえば、毎年あげていても、奴から礼を言われたことはないな。まあ別にいいが。)

 

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