(昼休み、国際部)
閣下:………(無言でオフィスに入ってくる)
誰もいないか。静かでいいものだな(あの鬼畜ド畜生最恐最悪魔導師もいないようだし…)
閣下:……中原もいないのか。珍しいな。昼休みはいつもここにある植物どもと戯れているのに。
茶でも淹れさせようと思ったのに、全く。使えん奴だ。
………ん、あれは………
閣下:(席を外しているのはともかく、あやつがこの花を持たずにいなくなるのはさらに珍しいな。何か急用でもできたのか?いつもはどんな時であろうと、肌身離さず持ち歩いているんだがな
……それにしても)
(ビビアンの花弁部分に、そっと触れる)
閣下:(一体全体、この何の変哲もないチューリップの、どこが良いのだ?季節問わず咲き誇っているのは妙だが、どう見てもただのチューリップだな……)
つん
つん
つん
つん
閣下:……ふん、こんな花なぞつついても、何も面白くない……
ぽろっ
閣下:………………!!!!
(ちょ……ちょっ、ちょっと待て!? そんな力強くつついた覚えはないぞ!? こんなにも簡単に折れ……っっ)
次郎:失礼しまッス!!!!!!! お昼休み中お邪魔して申し訳ないッスが、海外支部に送る書類の………あ
閣下:あ!!??(ものすごい形相で睨む)
次郎:あ!!!! フレスリーザさんいや閣下さん!!!!おおおおお疲れ様ッス!!!!!!
で、その花
閣下:何でもない!!!!!!
次郎:いやなんでもなくないっスよね花が折れ
閣下:折れてない!!!!!!
次郎:いやいやいやいやいやどう見ても折れてるッス!!!! どうしたんっスか中原さんはどこに!?
閣下:知らん!!!! この花を置いてどこかに行っている!!
次郎:というかビビアン(花)さんが無残にもこんな……これを中原さんが見たら……
閣下:見たらなんだというのだ!!!
次郎:何よりも大事にしてる花がそんなことになったら、ショックで泣く……いや泣くなんてものじゃない……もしかしたら僕も死ぬとか言い出すんじゃ
閣下:……!!!??? そっ……そそそそそそんなこと、いくらあの馬鹿者でもそんな馬鹿な………いや………まさか………
(普段のビビアン[花]を大事に大事にしてる彼の様子からさらに妄想を膨らませる)
閣下:………あり得る!!!! あの気の弱い軟弱中原ならやりかね………
幹雄:僕が何をするんですか?(軟弱発言は聞こえたけどその程度は言われ慣れてるので気にしない)
閣下・次郎:うわあああああああああああ!!!!!!
次郎:なっ中原さんいつの間にッッ!!!!
幹雄:? 今来たところですけど
閣下:(とっさにビビアン[花]を背中に隠す)なっ中原!貴様今すぐ吾輩のためにブラックコーヒーを自販機で買ってくるのだ!今すぐ!!!!!
幹雄:えぇ!? 閣下ブラックコーヒーは苦くて飲めないとかで嫌いなんじゃ…
閣下:じっ自販機には高級な紅茶などないだろう!! いいから今すぐ…
幹雄:ちょうど、僕が飲もうと思って買ったブラックコーヒーがあるのでそれをあげますよ。
ちゃんと冷蔵庫に入っているのでよく冷えてますよ。
閣下:くっ……貴様こんな時だけ要領の良さを発揮するでな――――――い!!!!
幹雄:ところで、ビビアンはどこですか?
僕、急にトイレに行きたくなってしまってつい置いていってしまったのですが。
ビビアンごめんね?もう独りにしないからね。
閣下・次郎:(ヒィィィィィ!!!!!)
次郎:あっそっそういえば中原さんッッッ!!!! 白鳥部長はどこッスかね!!?? 今すぐ、今すぐにッッ!! ハンコが欲しいので捜してきてくれると有難いんッスがッッッ!!!!!
(捜してもらってる間になんとか時間を稼ぐしかッ……!!)
幹雄:白鳥部長なら、今海外出張中なんですけど
次郎:え゛
閣下:ばっ馬鹿者!確かに出張中だがそんな急かすようなことを言ったら……!!
夜半:呼んだ?
次郎・幹雄・閣下:うわああああああああああああ!!!!!!
夜半:確かに海外出張中だけども、呼んだらすぐAnother召喚されるように細工はしてあるよ。
次郎:あなざー?
夜半:まあ超高機能な留守番電話機能だと思って(説明が面倒らしい)
閣下:くっ…吾輩が出てる間は会いたくなかったのだが…
夜半:ところで中原くん。
幹雄:はい?
夜半:足元になんか落ちてるけど。
幹雄:え?
閣下・次郎:(あ゛――――――!!!!!!!!)
幹雄:あ……
閣下・次郎:・・・・・・・・(汗ダラダラ)
幹雄:そういえばもうそんな時期だったね、ビビアン。
あ、皆さんびっくりさせてすいません。ビビアンこの時期、頭が生え変わるんですよ。
閣下・次郎:は?
幹雄:しばらくすればまた綺麗な花を咲かせてくれるので、安心してくださいね。ねぇ?ビビアン。
次郎:な、なぁんだ、そうだったんッスかぁ~~~!!!!! 良かったッス~~~~!!!!!
夜半:そんなことだろうと思った。良かったね。大した事なくて。
閣下:はっはっはっは、そうか、生え変わるのか。そうかそうか………
………~~~っって納得できるかッ!!!!! 意味わからんわ!!!!!
中原!!!!今日という今日は絶対に許さんっっっ!!!!!!
幹雄:えぇ!? なんでですかー!? 僕が何をしたっていうんですかー!?
夜半:(ってか、花弁部分を「頭」呼ばわりしてることに誰も突っ込まないんだ…)