(開発研究室)
久我:……フフフ……今日も良き朝かな……世界は刻々と新世紀へと歩み始めているのだな……
(妙な独り言をしつつ入室、すると研究室の奥に、見なれない女性が立っている)
…だ、誰だね?君は。
在素:在素よ。
久我:そんな!声まで変わってる!
……って、ちょっと昔の某エステティックサロンのCMのパクリはともかく!(笑)
在素!?な、何なんだねその格好は!?
在素:ふふ、どう?これが人気投票1位の「賞品」なのよ。
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遡ること数日前…
社長:う~ん、困ったもんだねぇ。
在素:だから別に気を使わなくったっていいわよ。
社長:でも、せっかく人気投票で1位取ったんじゃん!何かやらないと。
在素:そんな事言ったって………私、社員じゃないし。
社長:在素ちゃん、何か欲しいものはある?
在素:欲しいもの?……別に……リトマス紙や濾紙やアルコールは足りてるし…
社長:いや、そーゆーんじゃなくて(汗)君が純粋に「欲しいもの」だってば。
在素:私自身が「欲しいもの」?
…別にお金には困って無いし、宝石とか不動産とかには興味無いし…
社長:あーー……そ、そーじゃなくてぇ(汗)
在素:あ、そうだ………
社長:ん?何かあるのかいっ!?
在素:……欲しいものっていうか……なりたいものなら……
そういうのは駄目?
社長:なるものにもよるけどね。怪獣になりたいとかいうのはダメだよ。
在素:なるわけないでしょ!
社長:ふーん。で、なんになりたいの?
在素:一度でいいから、大人になってみたいわね。
社長:大人に?へぇ。
……でも君や君のお父様なら、大人になる薬とか
簡単に作れるんじゃないの?
在素:そうなんだけどね(溜息)。
お父さんったら、若返りの薬は作っても、大人になる薬は絶対に作らないのよ。
「人間、いずれは嫌でも大人になるのに、大人になる薬を作ったって何の意味も無い」ってね。
社長:まー、そうよね。久我さんも良いこというじゃん。
在素:もう!これだから…社長もお父さんも子供の夢ってのをわかってないわよ。
別に早く大人になりたいって訳じゃ無いのよ。
ちょっとだけ大人の世界を体験してみたいってだけなのに!
社長:は、はぁ、そうスか(汗)
…でも君が「子供の夢」を語っても何かしっくりこないとゆーか(笑)
在素:ほっといて頂戴!で、やってくれるの?くれないの?
…っていうか社長にそれが可能かどうか知りたいところだけど。
社長:可能に決まってるじゃん。(だって作者だしね・爆)
面白そーだしね。んじゃ、やってみよっか!
年は…そうだね、ハタチ前後で良いかい?(そして、紙とペンを用意・笑)
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在素:…と、言う訳でね。とりあえず2週間くらいこの格好でいることにしたわ。
上総:それにしても…在素さん、本当にお美しいですね(微笑)
在素:ありがと、上総さん(にっこり)
(そこで遅刻気味に継人出社)
上総:仙波君、おはようございます。
継人:…あー…眠みぃ…………(在素に気づく)……んんっ?
……もしかして……在素か?(汗)
在素:おはよう、継人さん。ええ、この通り。
(何となく黙りこくっていた久我が、在素と継人が並んだ瞬間、目を輝かせた)
久我:(……な……なんてお似合いの二人なんだ!!!
流石だ!流石だ仙波くん!!流石は未来の我が娘婿…!!)
在素:……な、何…?お父さん。目つきが怖いわよ?
継人:このオッサンが妖しいのはいつもだろ。
久我:在素!仙波くん!!今日は仕事なんて良いから…天気も良いし、出かけたらどうだい?
継人:は?
在素:はぁ?
上総:え、お仕事しなくてもいいんですか?
久我:何を言っとるんだね!桐島君はこれとこれとこれとこの書類!(継人と在素の分の仕事)
全部今日中だ!さあ早くやったやった!
上総:ちょ、ちょっと何でこれを僕が全部??(汗)
久我:いいからいいから!在素、これはお小遣いだ!(10万)
さあ在素に仙波くん、いっておいで♥(←珍しいハートマーク・笑)
継人:……なんか良くわかんねェけど……楽できるみてぇだからいっか…
在素:そうね、それじゃ、お言葉に甘えて。
(半ば強制的に研究室を去る、在素と継人)
上総:はぁ…これ今日中に終わるのかな…(山のような書類に埋もれながら)
(続く)