歓子:この名刺……「芸能プロダクション『ギネプロモーション』(仮名)」って…
男:そう!君には実に実にアイドルの素質があるっっっっっ!!
歓子:…………
男:どうだいっ!君の魅力でこの世間に一泡吹かせてやろうじゃないか!?
歓子:……っていうか……
男:んっ!?どうしたんだねっ!?
歓子:…社内であんまり顔合わせたことなかったし泣いてたから気づかなかったけど…
よく見たらあなた広報部の沢井部長ですよね?
英司:なんで分かったんだねっ!?
完璧な変装なのに!!
歓子:完全肯定しましたね(;´Д`)
英司:ふ……バレてしまっては仕方ない……
いやー、みゆきちゃんから君が悲しそうな顔しながら
会社飛び出して行ったって聞いてね…
元気づける意味も込めてのこの出で立ちだったわけだが…
歓子:…………だって……会社にはあたしの居場所がないんですもん……
英司:いやぁ、歓子ちゃん。本来なら君は4月から広報部に異動が決まっていたんだよ。
広報部は以前から人手不足でね。私が社長に掛け合って決まっていたことだったんだ。
歓子:ええっ!?そうなんですか!?
英司:だが……それを多大なる裏切り行為だと待ったをかける者が数名いてね……
歓子:う、裏切り……??
英司:そう…密かに社内で発足していた
三輪歓子ちゃん大好き親父の会というファンクラブのね……
歓子:∑(;゚Д゚)ちょ…まっっ!!??
英司:会員である開発研究室長の久我ちゃんと
業務推進部長であるマイケル君が邪魔をしてきたのだ!
それで一応改めて検討しよう、って社長が言い出してしまってね…
君の転属先が急きょ「未定」になってしまった。
歓子:は……はぁ……それで……未定だったわけですね……
英司:だがしかーし!ライバルを蹴散らして見事!
君を広報部へと導くことができるようになった!!
君は今日から広報部所属だ!!
歓子:広報部ですか……
……良かった、とりあえずあたしは会社から追い出されるわけじゃないんですね。
英司:追い出すだなんてとんでもないっ!!
むしろもらい手が多すぎて行き先が「未定」だったわけだからねっ!
まぁ、誤解と不安を与えてしまったことは、申し訳なかった。
これから君には是非広報部で頑張って頂きたい!
歓子:…そんな格好で真剣に謝られても誠実味が……まあいいですけど……
(ねぎ秘密結社内、広報部)
司:よー、初めまして。広報部へようこそ~。おれは古屋 司。ふるやんって呼んでなー。
三輪歓子ちゃんだっけ?……かんこりんでいいか。
歓子:初めまして。あとあたしはこりん星人じゃありません。
司:あっはっは、結構ハッキリ言う方だな~。
その様子なら沢井のおっさんの奇行にも耐えられそうだな!
歓子:奇行ですか…。
司:あぁそうそう。早速かんこりんには今日からやってもらうことが山ほどあるらしーぜ。
なんか新プロジェクトがあるとかなんとか。
歓子:新プロジェクト…?
英司:(いきなり現れる)そうとも!君には今日からダンスレッスンにボイストレーニング、
プロポーションキープのためのジム通いに励んでもらう!
歓子:えぇ!?なんでそんな歌って踊れるアイドルみたいなこと…
英司:何を言う!私がさっき言った「アイドルの素質がある」っていうのは、
冗談ではないのだよ?
君には将来ねぎ秘密結社初プロデュースのアイドルに
なってもらうために色々と頑張ってもらうよ!
歓子:えええええぇぇぇぇ(゚Д゚;)!!??
無理ですよおおお!!!!