営業部に、営業事務としてクリスティーン・フォックスが異動してきてから早数ヶ月。
営業部は、初めての女子社員配属に花が咲いたように活気が増していた―――――。
悟史:ふ~疲れた。ただいま~。
クリス:おかえりなさいマセ、吉村部長!お茶入りマシタ~!
悟史:お、ありがとうクリスちゃん。
……お、珍しいな。ハーブティーかぁ~。いいにおいだねー。
次郎:ただいま戻りましたッス!!!!!!!
クリス:おかえりなさいマセ、泉サン!お茶入ってマスよ~!
次郎:ありがたくいただきまッス!!! あ、吉村部長!契約2つ取ってきたッスよ!!!!!!
悟史:おぉお!すごいね泉くん!! この間も大きな取引成約させてたし…
最近すごく頑張ってるね~!……何か、あったのかなぁ?(にやにや)
次郎:うぇ!?(びっくりして変な声をあげる)
い、いえ何もないですよ!!!! 今年はも、もっと頑張らないとって!!!!
悟史:へぇ、ただそれだけなのかい?最近女の子の間じゃ、
「泉くんかっこよくなったよね~」
……なんて声も、チラホラ聞こえるよ?ふふふ
クリス:ホントデスよ!
同人誌の登場人物にしたくなるくらいオトコマエになりマシタよ!
次郎:それだけはカンベンしてくださいクリスさん!!!!
ま、まぁアレですよ、きっと自分、老けたんッスよ!!!
悟史:それ自信持って言うことでもないよ(笑)
クリス:(二人が提出した営業日報をファイリングしながら)
サテと……今日はペン入れしないといけマセンね。
ドサドサッ ドサッ(大量の原稿用紙を取り出す。黙々とマンガを描き始めるクリス)
悟史:(中身を見て)
…うわー、クリスちゃん今日のもカゲキな内容だなぁ~。はははは。
次郎:ちょ、吉村部長聞こえるッスよ…!!!
悟史:大丈夫だよ、クリスちゃんはマンガ描いてる間は集中してて何も聞こえないから。
次郎:そ、そうなんッスか………(中身を見る)………
……なんか、見覚えのあるキャラがチラホラいるッスね……
悟史:今回のは仙波×橘本の新刊だって言ってたね~。
次郎:(;´Д`)……………………(言葉にならない)
クリス:その次に出す新作のプロットもできてマスよ~。
椎子サンから仕入れた新情報を元に描いた、久々の男女R18本デス!
悟史:へぇ、クリスちゃん、ソッチの方もいけるんだ~。
え~どれどれ(プロットを見せてもらう)
次郎:…………(そっと覗き込む)
悟史・次郎:…………………
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夏コ●新刊予定R-18本
「 テルミ × ジロー 」(仮題)
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次郎:∑( ̄□ ̄;)……………!!!!!!!!!!!
悟史:………あ~あ(笑うしかない)
次郎:て、って……お、大島さん(椎子の方)からの新情報、って………
あの人産休中のはずなのになんでそんな情報を……こ、怖すぎるッス……!!!!!
悟史:椎子ちゃんすごいな~あっはっは(超他人事)
クリス:この原稿終わったらソッチに取り掛かるデス。
次郎:ま、ま、待って下さいクリスさんっっ!!!!!
こんなの本人の許可なしに描いちゃダメッスよ!!!
クリス:これはテルミとジローの話であって
南十字部長と泉サンのことではないデスヨ~(棒読み)
次郎:そ、そもそもなんで南十字部長の方が攻なんッスか!!!??
悟史:やっぱりそこ突っ込むべきところなんだね(笑)
クリス:だって次郎……いえジローは受っぽいじゃないデスか。
次郎:受とか言わないでくださいッス……。・゚・(ノД`)・゚・。
クリス:あ、泉サン、あとで色々と参考にしたいので脱いでもらえマセンか。
次郎:脱がないしそもそも描いちゃダメッス!!!!
クリス:そのプロットのジローの参考にするだけデスってば~
悟史:(小声)申し訳ないけど泉くん、モデルになってやってくれないかい?
次郎:(小声)ちょ、吉村部長まで何を言ってるんッスか!!??
悟史:(小声)今まで総務部でも問答無用で同人誌描いてたのを、
あのうるさい奥田くんがなんで容認してたか知ってるかい?
次郎:(小声)そ……そういえば……
悟史:(小声)彼女の描く同人誌は、すごい売れるんだよ。
その世界では結構な有名人でね~。
で、彼女は売り上げの5割を会社に上納する代わりに、
会社で好きに描かせてもらうという特別契約を会社と結んでいるんだよ。
次郎:(小声)( ̄□ ̄;)なんっ…………!!!
悟史:(小声)半分とはいえ、毎回大きなイベントではものすごい収入があるんだよね~…。
………だから………ね?
次郎:( ̄□ ̄;)なにこの会社ぐるみの陰謀!!!
……たすけて照美さん。・゚・(ノД`)・゚・。