(週末、終業後。社員通用口前)
次郎:♪~~ ♪~~ ……あ!照美さ――――ん!お仕事お疲れ様ッスぅ!!!!
照美:お疲れ。 ………どうしたの、妙にご機嫌だわね。
ゆたか:あ、南十字ぶちょ――――☆☆ お疲れ様っ☆
照美:お疲れ。営業部おそろいでどうしたの。珍しいわね。
ゆたか:忙しくてなかなかできてなかった、泉課長の昇進お祝いに行くんですよ☆
照美:へぇ。……営業部のお祝いなのに、二人だけなの?
ゆたか:吉村部長とクリスさんも誘ったんですけど、どーしても都合がつかなくって☆
でも二人だけだと寂しいし、色々声掛けてみましたけど☆
次郎:みんな忙しいんッスかねぇ。なかなか人が集まらなかったッスよ…。
ゆたか:とりあえず青木君は捕まえた!初南賛は……ヒマなハズなんだけどなぁ~☆
なんか全力で断られちゃった☆
照美:全力で…? 一体どういう誘い方したのよ?
ゆたか:どーいうって……別にフツーですよ?☆
泉課長の昇進お祝いにカラオケ行こー☆ って……
照美:∑( ̄- ̄;)…………!!!!
ゆたか:??
次郎:そーなんッスよおカラオケなんッスよお!最近全然行ってなかったッスし……
榊くんが、昇進お祝い何にするか、って訊いてきたので
カラオケおねだりしたッスよ!!!!!
照美:………そ………そう…………
ゆたか:そーいや男ばっかに声かけてて南十字部長にも声かけるの忘れてた!
よかったら南十字部長も一緒にカラオケ行きましょーよぉ☆☆
照美:∑…………ご、ごめん……あたし今夜占い家業あるし……
ゆたか:えぇ~~!? 南十字部長もダメなんっすかぁ~☆☆
吉村部長も、子供お風呂に入れなきゃいけないから帰るとかいうし、
クリスさんも、原稿があるから帰るとかいうし、初南賛に至っては
家でポケ●ンやるから帰るとか!みんな付き合い悪いなぁっヽ(`ε´)ノ☆
照美:………(営業部の同僚達は知ってるだろうし、西城寺君は人事部にいるおかげで
社員の特殊技能については把握してるだろうから……逃げられたわけね……
最近入ったばかりの青木君や榊君は、知らないわけだわ……)
次郎:照美さん、残念ッス!…でも占い家業もお客さん多いし、大事ッスもんね!
また今度、二人
ででも行きましょうっ!!!!!
照美:断る。
次郎:∑( ̄□ ̄;)えっ
照美:(しまったつい本音が)……な、なんてねー。まあ、いずれね……。
次郎:(≧▽≦)はいいいい!!!!
照美:(どうしよう……すごく、阻止してあげたいけど……
こんなに素直に喜んでる彼の顔を見ると……水を差せないわね……)
ゆたか:う~ん、それにしても青木君、おっそいなぁ~☆☆
照美:(まあ、頑張ってもらうしかないわね……)……榊君。ちょっと、こっちへ。
(浮かれて小躍りしてる次郎から、二人で少し離れる)
ゆたか:?? どーしたんですかぁ?☆
照美:えーと……なんというか、とりあえず、あたしから榊君にプレゼント。
ゆたか:えー☆ なんですかいきなり☆☆
照美:(カバンからごそごそと取り出す)……運良く持っててよかったわ。はいこれ。
たぶん必要になると思うから、カラオケに絶対持って行ってね。
ゆたか:……頭痛薬に胃薬に吐き気止めその他諸々の薬と……耳栓??
なんでカラオケにこんなものが必要なんですかぁ?☆☆
照美:(゚Д゚)いいから持っていきなさいっっっ!!!!!
……まぁ、こんなものも付け焼刃にしかならないだろうけど。
彼をカラオケに誘った責任は、最後まで取ってよね。あと………
………生きて帰ってきてね。
ゆたか:!!!??
大空:うぉ―――――いゆたか!泉かちょー!お待たせぇええ!!!
ちょっと残業しちゃった! カラオケちょー楽しみ!行こうぜ!!
ゆたか:(困惑しつつも大空が現れたため気にしないことにして薬の山を抱えて歩き出す)
よっし!行こっかー☆それじゃ南十字部長、まったね~☆☆
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(週明け)
悟史:会社の近くにあるカラオケボックス、しばらく営業停止だそうだよ~。
あと榊君、しばらく休みだって~。
クリス:経理部では青木サンが長期メンテでしばらく不在だそうデス。
悟史:……………。
クリス:……………。
悟史:ところで泉くんは?
クリス:今日も元気に得意先回りに行きマシタよ。いつも以上にイキイキしてマシタ。
アノ勢いなら何かいい取引を成立サセテ帰ってきそうデス。
悟史:今度久我室長に頼んで完全防音のカラオケ施設を社内にでも作ってもらおうかな~。
いい成績につながるなら彼の思うとおりにカラオケ行けるように。
クリス:デモそのカラオケに誰が付き合うんデスか?
悟史:ぜひヒトカラで^-^