(終業直後、広報部オフィスの入り口でうろうろする柴田部長)
美彦:(ううむ~~~…まいったな……遂にこの日が来てしまったぞ……
沢井部長との幹部会の司会……)
※毎月一回行われる幹部会(部長以上の幹部が参加)では、
毎回、司会と副司会が任命され、その二人で会議を進めていく方式を取っている。
ちなみに司会は社長から適当に任命される。
美彦:(同じ部長といっても…実はまだ一度も話したことがなかったりするんだな…
風の噂だと、万が一今の社長が退任することがあったら、
間違いなく次期社長は沢井部長だっていう話だし……どんな人なんだか……)
司:………しばっちょ?何してんだ?うちの部署の前で。
美彦:うあぁわあああああああああ!!!!!!!!
司:(>д<)……(キーン)………っでけえ声………
美彦:えーとえーと…広報部の古屋だっけか…?お、驚かすでないっ!!!!!!!!
司:驚いたのはこっちだっつの……そこでうろうろされると入れないんだけどなー
うちの部署になんか用かい?
美彦:あ、あぁ実は沢井部長に呼び出されてだな……
英司:ん?なんだね今の騒ぎは?
美彦:!!!!
英司:おぉ。柴田君じゃないか。来てくれたんだね。
司:じゃー片付けも終わったしおれは帰るぜー。おつかれさん。
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美彦:(うわ……噂にはきいていたが見事?なフィギュアの数……
広報部の連中はよくもまあこんな環境で仕事してられるな……)
英司:(上機嫌で新作フィギュアの製作作業をしながら話す)
そういえば今度の幹部会は私と柴田君とで司会だったね。
君とはあまり話したことがないがよろしく頼むよ。
美彦:は、はあ……
(? そういえば、って、幹部会のことで呼び出したんじゃないのか?)
英司:はっはっは、何か緊張しているようだね。この素晴らしいフィギュア達の
圧倒的な存在感に感動しているのかね?
美彦:(感動というか……ぶっちゃけ気持ち悪い……なんて言えない……)
英司:はっはっはっはっは、いつもは勢いのいい君らしくない様子だねぇ。
同じ部長同士だ、仲良くやろうじゃないか。
美彦:(そうなんだけど……なんか妙な緊張感が、解けない……うぐぐ……
……って、あれ……?)……沢井部長、
英司:ん?
美彦:その……今まさに手がけているフィギュア…
すごく見覚えのある人物…なような……(ふるふる)
英司:おお。わかってくれたかね!君の奥さんだよ!
美彦:∑( ̄□ ̄;) ………!!!!!
英司:時代は萌え系ばかりじゃない、
こういったカッコイイ女性のフィギュアも需要があると思うのだよ!
そしてカッコよさの中にも垣間見える女性の色気!最高だと思わないかね!?
美彦:(((( ̄□ ̄;)))))
英司:まあこれでも十分に美しくカッコよく出来上がってると思うがね!
いや…?下手したら本物以上に美しいかもしれない…?
いやぁ、つくづく私の才能が怖いねぇ!
美彦:(((( ̄□ ̄;)))))ふ………
英司:ふ?
美彦:(# ̄□ ̄)ふざけるな――――!!!!!!
こんなの俺様の知るみゆきちゃんじゃな――――――い!!!!!!
英司:!?
美彦:いいか!まず目!!
そこらのギャルみたいにつけま盛りまくりの
バシバシまつ毛なんて言語道断 !!!
化粧なんてしてなくても凛々しさを感じられる
あのきつい目つきが最高なんじゃないか !!!!
あと胸!!!!でかけりゃいいってもんじゃないだろう!!!!
ふざけるな何だこの巨乳!!!
みゆきちゃんは
な い の が い い ん じ ゃ な い か !!!!
あと脚!!!!(中略) 髪も!!!!!(以下略)
英司:(したり顔でメモを取ってる)
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(数日後)
英司:というわけで柴田部長完全監修のもと作られたのが、この
「お掃除お姐さん みゆきさん1/1フィギュア」なのだ。
満:こんなん商品化して売れるのかよ~、って思ったけどバカ売れだったな!
1/1はさすがにきついだろうから同時に1/8サイズも売ったら大当たりだったな!
英司:まあ全ては柴田君の細かい監修のおかげだねぇ。はっはっはっは。
美彦:……………
満:しかし柴ちゃんよー、英司さんに乗せられたとはいえよく協力したな!
そいや当のみゆきは何て言ってんだ?
美彦:………も………
満:も?
美彦:………もう………発売決定してからずっと口きいてもらって……ない……orz
満:\(^o^)/あれま
美彦:(完全にやられた……確かに普通に依頼されたら断っただろうし……
やり手という意味では社長と同等なの……かも……orz)