(一週間後……大島家に呼び出され向かった継人)
柊:いや~~~~~継人くん聞いたよ~~?
やっとお父さんのこと教えてもらったんだって~?
良かったね~~今日は柊お兄ちゃんがお赤飯炊きましたよ~~はっはっはっはっは
橘:継人、ええと、なんというか……今までゴメンね……
梧:いやーほんと、黙ってるの正直しんどかったよ。
関係上、僕が一番継人と顔合わせること多いし。
継人:………は………?
その言い方……もしかしてお前ら、最初から全部知ってたのか……?
梧:そうだよ。
橘:実は……うん。
継人:~~~~~~~~~(言葉にならない怒り)
柊:継人くんのお父さん……僕らの叔父さん・雅人さんの素性については、継人くんが生まれてその能力が確認されたときから、
「父親の顔は覚えさせない」「父親の素性も知らせない」を鉄則にず――――――っと、仙波家と大島家ぐるみで隠してましたからねぇ~^^
橘:でも……雅人叔父さんが、継人のことがどうしてもかわいくて毎週のように顔を出しにくるものだから、そのたびに記憶をもみ消したりして結構大変だったよね…
継人:記憶をもみ消し……?
橘:帰ってくるとき、叔父さんは継人が寝てそうな時間を選んで来てたんだけど、運悪く起きてたり、起こしちゃったりした時は吸血鬼の催眠能力で眠らせたりしてたみたいなんだけどね、吸血鬼の催眠に耐性があるダンピールの継人にはそれも短時間しか効かないらしくって。
そういう時は僕がちょっと協力して記憶を……
継人:ほう……そこまで手の込んだ隠ぺい工作を……橘さんがね(めちゃくちゃ怒りの視線)
橘:だ、だからゴメンって…!仕方ないでしょ、そうしろって叔父さんからも母さん(大島家当主)からも言われてたんだから…!
でも今回は……予想外だったね、まさか青木くんからの言葉がきっかけで情報操作が綻び始めるなんて……。
梧:ホントだよね~~。案外油断ならないんだねあのサイボーグくん。
へっくしゅ!!!
継人:……っつーか……梧も大島家もウチも何もかもグルで、知らないのがオレだけだったとか超ムカつくんだが………
” ピンポーン ”
橘:あ、誰か来た?
雅人:どうもお邪魔します。居ても立ってもいられなくて、夜来る予定を繰り上げて来てしまいましたよ。
継人:父さん!? なんで……
柊:そうでしょうそうでしょうとも~。かわいい息子の継人くんとなんの制限もなくお会いできるようになったんですからね~はっはっはっは。
橘:まぁ…なんとなく来るんじゃないかなとは思ってましたけど……
継人:いや、待てよ、父さんは吸血鬼なんだろ?なんでこんな昼間っからうろつけるんだ?今までだって太陽が苦手だから夜に帰って来てたんじゃ…
雅人:ああ、苦手なだけで別に太陽は平気なんだよ、僕は。
継人:は!?
雅人:そのことはこれから追々話そう。
柊:さぁさぁ、叔父さんも、継人くんも。お茶とお菓子とお赤飯用意してるから客間でお話しましょうかね~
(つづく)