(総務・人事部)
みはる:真凛ちゃん!入社してもう1ヶ月経つけど、お仕事なれたぁ?
真凛:うんっ!みなさんとってもやさしーし♥だいぶ覚えてきたよ~!
みはる:すごぉい!あたしなんてまだまだできないこといっぱいあるのにぃ~
それにしても、総務部に女の子が来るなんて思ってもなかったなっ!
いままで、女の子はあたしだけだったもん~
真凛:あはは!でも成沢さんはほとんど女の子みたいだよねっ!
みはる:えー、でもハリーちゃんはああ見えて男らしいよぉ!
こないだあかないビンのフタあけてもらったら、あっさりあいたし!
真凛:えぇぇ?それって男らしいって判断する材料なのー!?
早瀬:……こら、二人とも。
仲良いのはいいが、休憩時間とはいえもうちょっと静かに話しなさい。
真凛:きゃ――――!!! 奥田部長っ♥♥
早瀬:!?
真凛:私、こぉんなカッコいい上司様のいる部署に配属されて、ホントに幸せですっ♥
奥田部長、今週末こそ一緒にご飯食べに行きましょうっ!
早瀬:い、いや……だから週末はいつも忙しいと、前にも言っ……
真凛:たまにはこの真凛ちゃんのために週末空けてくださいよぉ!
それとも、彼女さんでもいるんですかぁ?
早瀬:あ、いや……その……
真凛:即答しないってことはいないってことですよねっ!
きゃー♥奥田部長だぁいすきですぅ♥
(早瀬にべったりとひっつく真凛を遠目から眺める、結佳)
結佳:……………(早瀬たちにすっごく複雑そうな視線を向けている)
初南賛:(あわわわ…関口さん…ここで「私が彼女です」とも宣言できないんだよなぁ…)
奈津恵:すっかりこの会社に馴染んだようね、天道院さん。
真凛:あっ、瀬上部長ー!お疲れ様でーす!
奈津恵:ところで、何してるの二人とも。
早瀬:ええと……(汗)
真凛:はーいっ!天道院真凛が奥田部長を口説いてるところでーすっ♥
奈津恵:口説く……?
初南賛:(……お、これは瀬上部長が止めに入る……かな?)
奈津恵:奥田君はモテるものね。
けど、天道院さん。社内でいちゃいちゃするのは程々にね。
真凛:はーいっ!もちろんお仕事中は自重しまーすっ!
でも休憩中はべたべたしちゃいまーすっ!
奈津恵:ふふっ…面白い子ね。
初南賛:(それだけ――――――!?)
結佳:……………(やっぱり複雑そうに見ている)
初南賛:(小声)……あ、あの、関口さん……
結佳:………何でしょう………
初南賛:……言いづらいのもわかりますけど、
奥田部長とお付き合いしているのは関口さんなんですから、
ここはあとでこっそりと天道院さんに伝えるべきだと思い……ますよ。
結佳:…………………それは、できません。
初南賛:!? な、なんでです!?
結佳:恋愛は、自由ですもの……わたしだって、かつては彼女さんのいらっしゃった
奥田部長に片思いしてましたもの…お相手がいても好きな気持ちが
止められないことは、よく、わかりますもの……
初南賛:だ、だからって……
”キーン コーン カーン コーン ”
結佳:休憩時間終わりましたね。それじゃわたしは資料室に行ってきます…。
(暗い表情で立ち去る)
初南賛:せ、関口さん…
(うわぁ……なんだか、面倒くさいことになってきたなぁ……)