(瀬上家、深夜)
奈津恵:……ふぅ、子どもたちやっと寝てくれた……今日はなかなか寝てくれなかったわね。
あ、俊幸の番組、見逃しちゃってた。もう終わる頃ね…録画してるからいいけど。
(TVつける)
俊幸:「そんじゃ、来週もまた観てな~!」
奈津恵:あぁ、やっぱり終わるところ……
俊幸:「せーのっ 奈津恵―――――!!!! 愛してるぜ―――――!!!! 一緒にTV出ようぜ――――――!!!!!」
奈津恵:!!???!?!? ………何!? なんなの!!??
” ガチャッ ”
俊幸:ただいま~…(子どもたちが寝ているので小声)
奈津恵:………おかえりなさい………
俊幸:おーおー、分かりやすく怒りのオーラ出しとるね~
その様子だと番組観てくれたかなっ!?☆(ゝω・)♥
奈津恵:観たわよ………ええ………たった今ね………
俊幸:とゆうわけなんやけどさー。どう?
奈津恵:どう?って何がよ!!!!
俊幸:TV出よ?
奈津恵:嫌よ!!!
俊幸:出た~即答~~~
奈津恵:当たり前でしょ!! 私はあなたと違ってただの一般庶民!! 公共電波に乗れるような度胸も技量もないのよ!
俊幸:ナイナイ、そないなことあらへんて~!こないだ一回出てもらったやん?そしたら馴染みのプロデューサーが奈津恵のこと気に入ってしもてな~。
「あんな美人で、しかもツッコミの鬼神と呼ばれた瀬上トシユキにああも華麗に突っ込める女なんてそうそういない、いや二人とていないでしょ!!」って。
奈津恵:鬼神と呼ばれるほど有名でもないでしょ、まだ。適当に話盛らないでちょうだい。
俊幸:ぁ痛っ!!! 奈津恵ちゃ~んツッコミ厳しいわ~! ……そーそーそういうトコ!!
奈津恵:どういうとこよ。知らないわよ。
俊幸:ノブ(俊幸のコンビの相方・坂内ノブヒロのこと)も認めてくれとるしさー。このさい夫婦漫才やってみy
奈津恵:嫌だと言ってるのがわかんないの!?(スッパ――――――ン!!!!)
俊幸:ったぁ――――――!!!! イタイて!!!
奈津恵:大体ね、会社で部長やってる私にそんなヒマあると思う!? 会社の幹部に、家事に子育てに、あと白鳥君にエサやりしなきゃいけないし!
言い方…
勇希(長男):……おかーさん……どうしたの~?……おっきなこえだして……
奈津恵:あぁっ勇希……ゴメンね、起こしちゃったわね。なんでもないのよ。ささ、おかあさんと一緒に寝ようね。
俊幸:あイタタタタ………オレも風呂入って寝よ~……
- 翌 週 同 時 刻 -
俊幸:「来週もまた観てな~! せーのっ 奈津恵――――!! 大好きだ――――!! 一緒にTV出よ――――!!!!」
- さらに 翌 週 同 時 刻 -
俊幸:「奈津恵ちゅわ――ん!! アイラブユ――!! オレとTV出よ――――!!!!」
- さらにさらに 翌 週 同 時 刻 -
俊幸:「奈津恵様――――!! お慕い申し上げま―――――す!!! そしてできたらTV出てくださいませ――――――!!!!」
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(再び瀬上家)
奈津恵:ねぇ……いい加減にしてくれない……?(ギリギリギリギリ)
俊幸:ぐぎぎぎぎぎ………ちょ、すと、ストップストップ!しぬしぬしんじゃう!!!!
奈津恵:毎週毎週、あんまりにもしつこく私の名前を連呼するから、もうお茶の間の定番みたいになっちゃったじゃないのよ!
毎度毎度SNSで「今週も奥さんの名前叫んでて草www」とか言われるこっちの身にもなってちょうだいよ!!
俊幸:いや~さすがオレの奥さん、話題性抜群だなぁ~うんうん!
奈津恵:そ う じ ゃ な い で し ょ ?(ギリギリギリギリ)
俊幸:無理無理無理無理ロープロープロープ!!!