(日曜日、とあるカフェ)
真凛:うわぁ~♥ ここのカフェ来てみたかったんだよね~♥
入口で紹介されてるチーズタルトが美味しそうでさぁ!
結佳さん!今日は付き合ってくれてありがと!
結佳:え、えぇ。
真凛:じゃじゃ、早速入りましょっ!席は予約してあるんで!
結佳:はい…。
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真凛:う~ん、まずタルトは外せないとしてー!あと何食べよっかなぁ~!結佳さんは何にする?
結佳:そ、そうですね……このストロベリータルトとか、美味しそう…。
真凛:うんうん!いいね!それも美味しそー!
ねっねっ、お互い好きなタルト注文して、シェアしない??半分ずつ!
結佳:え、あ、はい。いいですよ。
真凛:やったぁ♥ チーズタルトも気になるけど、ストロベリータルトも気になってたんだよね~♥
んじゃ飲み物も決めて、注文しよっ!
(メニューを決め注文し、しばらくすると注文品がテーブルに届けられる)
真凛:はいこれ結佳さんのぶん!
結佳:あ、ありがとうございます…。じゃあ、こっちも…
真凛:うっひゃぁ♥あっりがとー!んじゃ、いっただっきまーす♥♥♥
結佳:……いただきます。
真凛:ん~~♥♥ おいし~~~~♥♥♥
結佳:…………(タルトに舌鼓をうつ真凛を見ながら)
(……なんで、突然天道院さんにお茶に誘われたんだろう……。
確かに、「奥田部長推し同士仲良くしましょう!」みたいなこと言われてたけど…
実際本当に仲良くするとなると、少しだけ複雑……)
真凛:どしたの~?結佳さんも食べようよ~!
結佳:あ、はい、そうですね。
真凛:もーーー!なんっか、おカタいなぁ結佳さんは~!
これから仲良くしましょうって言ったじゃ~ん♥
結佳:そ、そうですけど…
真凛:あ、アレすか?やっぱ自分の彼氏と同担と仲良くはシンドいってやつスか?そりゃそっかー!あははははは!
結佳:(つ……ついていけない)
真凛:そんなことより今日は結佳さんに相談があるんすよ!
結佳:(「そんなことより」……???)は、はあ。なんでしょうか。
真凛:実は私、先日婚約したんだけど
結佳:・・・・・は?
真凛:そいつが結構最低なヤツでさぁ~。婚約はしたけど、お互い恋人作るのは制限しない、好きにやろう、って言いだしてね
結佳:・・・・・???
真凛:確かにソイツは私の望む、高い身体能力あって忍者の家系に合いそうな肉体の持ち主なんだけどさー
結佳:忍者?肉体?え???
真凛:あ。そーかそこからか。結佳さんには話してなかったっけ私の婿さがしのこと!
実はねー(忍者の実家の家系を途絶えさせないために婿探ししている理由を説明する)っていうわけなんだけど確かにソイツは条件にはバッチリピッタリ合ってるんだけどさ~、好みかどうかで言うと違うんだよね~。
でもいい素材だし、今後も選り好みして同じような逸材に会えるとも限らないし…
結佳:……………
真凛:ね!結佳さん!こういう場合って、ヤツの言う通り結婚はするだけして、あとは好きなようにするっていうのは、アリなんかな??
結佳:………ちょっと………
真凛:うん?
結佳:………ちょっと、なにをいってるのか、わかりませんね………
真凛:え?じゃあ最初から説明し直そっか?
結佳:そ、そうではなく………天道院さん、奥田部長の事が好きで、私に譲ってくれとか、ついこないだ言ったばかりでしたよね……?
それがいきなり、別の男性と婚約した、とか……話が突拍子もなさすぎて、ついていけないのですが……。
真凛:えーだって、結佳さん奥田部長と別れる気はないでしょ?私も奥田部長のことは好きだけど、結婚できないんじゃぁ他に適任を探さなきゃいけないわけでー
結佳:天道院さんは、お相手の男性を「家を継ぐのに適した才能と肉体を持つ」というのを基準にしているのですか?
真凛:そりゃもう!そーでしょ!
結佳:自分がその人を好きかどうかは、二の次なんですか?
真凛:!
結佳:その言い分だと、奥田部長のことも、彼の人となりに惹かれたわけではなく、彼の身体能力と肉体だけに惚れ込んで婿候補にした、ってことになりますけど
真凛:だって奥田部長、イイ身体してるし、剣道の達人って聞いたし……ちょっと結佳さんどうしたの、顔怖いよ?
結佳:……そんっな、浅はかな理由で奥田部長を好きになったというのなら、私は「同担」はお断りです。
その、婚約されたという男性だって、そんな風に自分を結婚相手に決めてきたのは失礼だと思ってるのではないですか?(表情が次第に怒りに満ち満ちてくる)
真凛:うわ――――――!! 結佳さんごめん!ごめんなさい!怒らないで!奥田部長に関しては確かにそうだったんだけど!この話には続きがあるの!!
結佳:……続き?
真凛:確かにさ、結婚は契約で、あとはお互い恋人愛人何人作ろうが好き放題、ってかぶっちゃけアンタ(私)好みじゃねぇし、とかいう人格はクソ最低な男なんだけどさ
結佳:……天道院さんも、同じようなこと相手に言ってるクソ最低な女なのでは?(まだ怒ってる)
真凛:私はっ!さすがに結婚したらさーて愛人作ろ!とか思わないし!夫ひとすじになるつもりだよ!
結佳:へぇ……
真凛:ほんとうだってー!……だって、ねぇ……?(なんか赤くなって結佳から視線をそらす)
結佳:??
真凛:結婚はするけど、お前なんて好みじゃねぇ、好きにしろとかさぁ……酷いじゃん。酷いじゃんね。でも……
結佳:でも?
真凛:……なんっか、そうやって捨てられるというか、私のことホントに心底、お飾りの嫁にしか見てないトコとかさぁ……ゲスいんだけど……なんか、そういうのも、いいかな……って、新たな扉開きかけてる私もいるんだよおおおおおお!!!!!!!!!!!
結佳:・・・・・・
真凛:ああいう私のこと1ミリも好きじゃないゲス男を振り向かせるには、どうすればいいかなぁ!?
私のことが好きで好きでたまらなくて言うこときいてもらうためなら土下座して足の裏舐めるくらいためらわないくらいにするにはどーすればいいと思う!?
結佳:や、やっぱり………なにをいってるのかわかりません………
真凛:え、じゃあ最初から説明を
結佳:いりません!!!!