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[小説]そして二度目の梅雨が来る(終)

ハリーと眞妃の入籍の経緯はこうだった。遡ること、数日前…二人が再会し、お互いの気持ちを確かめ合ったあの日。ハリーのマンションでそのまま一夜を明かした眞妃は、彼からある提案を告げられた。「…眞妃ちゃん、ものは相談なんだけど。」「『ちゃん』はい...
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[小説]そして二度目の梅雨が来る(4)

2日後……会社帰り。眞妃は再び、『主の居ないマンション』へ、足を運んでいた。だが…来たところで、自分を出迎えてくれる主人は、もういない。眞妃の心の内を表すかのように、今日はものすごい土砂降りであった。(……別れた日も、確かすごい雨だったわね...
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[小説]そして二度目の梅雨が来る(3)

数日後の週末には、ハリーの送別会が盛大に行われた。彼の人徳もあってか、社員のほとんどが出席する大送別会となった。だが…その中に、眞妃の姿は無かった。終業後に開催されていた送別会の最中、眞妃は、皆の誘いをさらりとかわし、早々と帰宅していた。(...
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[小説]そして二度目の梅雨が来る(2)

次の日。昨日とはうって変わって、いつも通り会社へやって来た、眞妃。始業時間よりもはるかに早く会社に来るのが、本来の彼女の日常なのである。何故か日の出と共に会社へ来る中原幹雄には劣るが…眞妃は、昨日からハリーに言われた言葉を、頭の中で何度も反...
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[小説]そして二度目の梅雨が来る(1)

そんな桜の季節から、数週間が過ぎ…。6月に入ったばかりの、雨の日の朝。社内では、ハリーが会社を辞める、という噂が少なからず飛び交っていた。だがハリーは否定も肯定もせず、いつものように明るく振る舞う。そんなハリーを見るたびに、唯一事情を知って...
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[小説]そして二度目の梅雨が来る(プロローグ)

それは、桜が満開な季節の、良い天気の午後のことだった。「…ああもう…社長も人使いが荒いなぁ……」大島 橘は、先般社長に依頼されていた書類を両腕に山ほど抱え、社長室へと向かっていた。橘は4月から、購買部の主任へと昇進したばかり。だが、昇進と言...
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[小説]そして二度目の梅雨が来る

ハインリヒ=明=相原(ハリーちゃん)が退社する?そんな噂が流れ始めているねぎ秘密結社内。そして、それを知らされた元恋人・成沢眞妃は…?ハリマキ(ハリー×眞妃)小説完結編。これは、成沢 明・眞妃夫妻がまだ交際していない頃の過去の物語です。【登...
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[小説]遠い日の慟哭(終)

それから…真砂の通夜、葬式を終え。すっかり小さな箱に収まってしまった真砂の前で、東堂家の親戚一同が、集まっていた。「…それにしても…『とんでもないこと』になったわね」親戚の一人が呟く。とんでもないこと。浪路はその言葉に、真砂が襲われたときに...
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[小説]遠い日の慟哭(2)

午後10時。「遅ぇな……真砂のヤツ……どこまで探しに行ってんだか…ったく」学校からなかなか戻らない真砂を、浪路はイライラしながら待っていた。もっとも、真砂は友人が多いので、学校帰りに友人の家によって朝帰りなんてこともざらなので、親は特に心配...
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[小説]遠い日の慟哭(1)

「ふーーっ!ギリギリセーフ!!!」始業のチャイムと共に、教室に飛び込む浪路。「おう浪路。今日はセーフだな!」隣の席の男子が、失笑しつつ祝福の言葉(?)を浪路に贈る。どうやら浪路は遅刻常習犯らしい。ここは、街の郊外にある、男子高校。真砂と浪路...