小説/本文 [小説]純情青年の憂鬱(3) 次の日、終業時間直前。昨晩の電話で、橘と待ち合わせをしていたみひろが、待ちきれなかったのか、会社までやって来た。「えへへ…来ちゃった」照れながら、みひろが微笑む。橘はもう、動じなかった。橘は、これから彼女に言うべきことを頭の中に思い浮かべる... 1992.01.10 小説/本文
小説/本文 [小説]純情青年の憂鬱(2) 次の日。橘は、昨日の出来事が頭から離れず、仕事もロクに手が着かない状態だった。「はあぁぁ………。」仕事の手を止めたかと思うと、深いため息をつく。その繰り返しだ。「…ど、どうしたの?大島さん…なんか嫌なことでもあったの?」同僚の愛子が、橘の様... 1992.01.09 小説/本文
小説/本文 [小説]純情青年の憂鬱(1) ガタタン…ガタタン…”ご乗車ありがとうございます。ええ~次の停車駅は~…”いつものように、朝が始まる。 電車は、通勤ラッシュで人がごった返している。その黒山の人だかりの中に、今日も大島 橘はいた。(勤め始めて1年経つけど…ラッシュってのはそ... 1992.01.08 小説/本文
小説/タイトル一覧 [小説]純情青年の憂鬱 通勤途中、突然見知らぬ女の子にラブレターを渡された大島 橘。森川みはるに片思い中の彼は、他の女の子を思いを受け取るわけにはいかない。だが、差出人は……断るに断れない、とてつもなく意外な人物であった。何も知らずに、彼女と橘の恋の応援をするみは... 1992.01.07 小説/タイトル一覧
小説/本文 [小説]―― 6月 ――(終) そして現在。折り畳み傘を握りしめたまま、ボーっとしている眞妃。「……ちゃん」「…きちゃん」「眞妃ちゃんっ!!」「えっ!?」不思議そうに、眞妃の顔をのぞき込む、ハインリヒ。けれどもその直後、「ねえねえっ!昨日新発売のファンデーション買っちゃっ... 1992.01.06 小説/本文
小説/本文 [小説]―― 6月 ――(4) 次の日の朝。(何だろう…頭がすっごく重たい…)眞妃は、自宅のベッドに横になっていた。(あれ…?私…確か明のマンションにいなかったっけ…?)それで、明の従兄弟に会って…明の従兄弟はオカマで、そんなに悪い人ではなさそうだった。だから、文句を言う... 1992.01.05 小説/本文
小説/本文 [小説]―― 6月 ――(3) お互いの想いを確認し合った二人は、それからの季節を共に過ごしていった。昼は、仕事に励み。夜は、眞妃の指導による日本語の勉強。時には、眞妃が明のマンションに泊まり、食事を作ったりした。その甲斐もあってか、明の日本語はどんどん上達していった。そ... 1992.01.04 小説/本文
小説/本文 [小説]―― 6月 ――(2) 仕事もようやく慣れ始めた、10月。「成沢さんが来てくれて、ホントに助かったわ。経理の仕事って、はっきりいってそう簡単なものじゃないのに、あなたってば、一度言っただけですぐ覚えてしまうんですもの」「そんな…瀬上主任の教え方が上手いからですよ」... 1992.01.03 小説/本文
小説/本文 [小説]―― 6月 ――(1) 6月28日。経理部の成沢眞妃は、いつものように、帳簿とにらみ合いながら、電卓を叩いていた。……サ――――――――ッ……(……あら……?)突然涼しげな音がした。眞妃は、そっとブラインドの隙間から外を覗いてみた。(雨かぁ……これは酷くなりそうね... 1992.01.02 小説/本文
小説/タイトル一覧 [小説]―― 6月 ―― 6月の、ある雨の日。成沢眞妃はかつての恋人・ハインリヒ=明=相原との過去を振り返る。同期に入社した眞妃と明。次第に惹かれあい、誰もが羨む仲睦まじい恋人同士となるが…。明の背後には二人の仲を脅かす、ある一人の男の影があったのだった。これは、成... 1992.01.01 小説/タイトル一覧