[Interview]浪やんの今夜は無礼講 ~宅飲み~③

インタビュー

★今夜は無礼講―――――とは、、当社公式インタビュアーである東堂浪路が社員を飲みに誘って普段は訊けないあんなことやこんなことを聞き出してしまおう!という企画なのである!


宅飲み編/第3回・伊栗礼音さん(国際部/25歳・仮)


浪路:………ど、どもー!ハジメマシテ……

礼音:…………

浪路:は、話したこともないのに、いきなり知らん奴の家に来てもらって酒飲もうぜー!なんて言われても、こ、困っちゃうよな……デスヨネェ……?

礼音:…………

浪路:…………(うぅぅーわっ!無理だって!完全初対面だしなんか前情報によると白鳥さんとあんまし仲良くない怖い吸血鬼だとか言うし!ってか今日良くここまで来てくれたよな!? なんか言うことをきかざるを得ない弱みとか、もしくは来ることによって何か大きいメリットでも提示されたのか…)

礼音:…………酒は

浪路:∑ はイィ!お酒ならここにたくさん!

礼音:酒は、嫌いじゃない。会社持ちの奢りだと聞いているし、素直に楽しませてもらうために来た。
……だから、そんな萎縮せずとも良い

浪路:は、はい……?

礼音:仕事の一環なのだろう。そうでなければ、何の脈絡もなしに吸血鬼の真祖たる私を自宅に招き入れるなどということは、普通の人間ならするわけがなかろう

浪路:う、うーん?まあ、そうなの?良くわからんけど

礼音:この会社が、あのアレクを引き入れている時点で、一筋縄でいかない、珍妙かつ謎の大いなる力に支配された闇の組織であることは理解している。下手に事を大きくするような真似をすれば、面倒なことになるのだろう。
ただ大人しく美味い酒を差し出しておれば、何もしないから安心しろ

浪路:あー、ハイ。美味しいお酒なら……会社のお金で買った、日本全国津々浦々の銘酒を取り揃えて、、、前情報で、伊栗……礼音さんは日本酒がお好みと聞いて

礼音:ならさっさと注げ

浪路:はいィ!かしこまりましたァ!!

 

 

浪路:お、お味はいかがでやんしょ……?(手こすり)

礼音:………悪くない

浪路:(……スゲーなこの人……秒でグラス5杯くらい空けたぞ……)

礼音:貴様は飲まんのか

浪路:の、飲んでますよォ?

礼音:グラス1杯から減っていないようだが?

浪路:あ、あはははは、だって礼音さん飲むペースめちゃくちゃ早いんですもん~!礼音さんに手酌させるわけには行かないっですっしぃ!

礼音:私にもっとゆっくり飲めと?

浪路:いえいえいえいえいえいえとんでもないめっそうもないい!好きなだけ超高速で!ご自分のペースで!飲んでくださいぃい!

礼音:……しかし折角のサシ飲みで、ずっと酌をさせて相手に飲ませないのも、興が削がれるな。ならば……パチン! ←指を鳴らす)

ボゥン!

 

夜半(偽):……………

浪路:しっ、白鳥さん!?

礼音:案ずるな。これは私の魔導で出した、ただただ主の命令のみをきく人型…酌をさせるカラクリ人形だと思えばよい

浪路:えぇ……自動お酌ロボみたいな……?それがなんで白鳥さんの姿を……

礼音:あの小憎たらしい男にひたすら下働きをさせるのは気分がいいだろう。普段からこう従順なら良いのだが

浪路:そ、そーいうもんスか……

夜半(偽):(無言で浪路のグラスに酌をしようとする)

浪路:あっ、ドーモ……
れ、礼音さんは、白鳥さんとはどーいう関係なんだ?ただの吸血鬼仲間……とか?

礼音:ふん、仲間か。吸血鬼同士だからと言って皆仲間なわけがないだろう。
貴様だって、相手が人間なら誰でもお友達とか、仲間とか言えるのか?

浪路:まぁそう言われたらそんなワケがねーんだけども……
(礼音についてのカンペに目をやりつつ)でも礼音さんは白鳥さんとは昔、むかぁしから知り合いというかなんかそういうのらしいじゃん??

礼音:……そうだな。昔、昔ならつるんでいた時期もあったが。あやつがこの国にたどり着くまでは…

浪路:そっか。ずっと、生まれた時から日本にいるわけじゃなかったもんな。日本に来る前は一緒にいたけど、白鳥さんだけ日本に来てから関係に変化があったとか?

礼音:それこそつるんでいた時は、我々は完全に人間の天敵として、人間を餌として暮らしていた。あの頃のあやつも、私も、吸血鬼としての最盛期だったといえよう

浪路:(そんな人間を食料とする怖い存在と俺は酒飲んでるのか、、、今)

礼音:私と離れてからのあやつに一体何があったのかは、知らん。だが間違いなく、この日本に来てから、あやつは吸血鬼として、とことん腑抜けに堕ちてしまった

浪路:腑抜け……ねぇ

礼音:まぁ、あれから時代も変わり、人間どもも力をつけて、無差別に喰らおうものなら面倒くさいことになる世の中になってきた。
なるべく共存して、ある程度同意を得て血を得る方が楽だというのも、最近は理解できてきた。だが……

浪路:だが?

礼音:やはり、時代の流れだからと諦め、吸血鬼の誇りを失っていくのは、違う…!理性では理解しても野生はそうではないと、心のどこかで葛藤しておるのだ!
私はまた、あの頃のように、人間どもを蹂躙してその血肉を好きなだけ喰らっていたあの頃に戻りたい!

浪路:(そしてそんな人間を蹂躙するとか言ってる怖い存在と俺は酒飲んでるのか、、、今)←再確認

礼音:本当なら……貴様のような人間と、こんな微笑ましく、酒など飲み交わすす事自体、有り得んことなのだ!!

浪路:微笑ましい???^^;
……ま、そんなツッコミはさておき、……俺は、イイと思うけど?「微笑ましく」酒飲み交わしたって

礼音:なんだと!?

浪路:だって、いがみあったって疲れるじゃん。笑いあって気持ちよく酔えるほうが楽しいじゃん。
頭空っぽにして考えたら、笑って楽しいほうがイイに決まってる。

礼音:…………

浪路:怒ったり蹂躙…暴力振るったり踏みつけたりしながら飲む酒より、ケラケラ笑いながら飲む酒のが美味しいと思わん?

礼音:………変わった人間だな、貴様

浪路:へ?

礼音:かつて人間の敵として君臨した私を……私と、笑いあいながら酒飲んだ方がいいとか、頭が沸いているとしか思えぬ

浪路:えー!? そうかぁ!? 単純に楽しく思える方がいいってだけなんだけどー!?

礼音:こちらはこちらで前情報として、貴様の事は「酒を飲み交わせば面白い話が聞ける」相手として知らされている。
私の酒飲み相手としてはまずまずと言ったところか。貴様、名前は何という?

浪路:あっ、そういや名乗ってなかった……へへへ
情報システム部の東堂浪路、です…

礼音:浪路、か。覚えておこう。前評判通りに、今夜は私を退屈させない面白い話をたっぷりと聞かせてもらおうか

浪路:今夜、って一晩飲み明かすつもりかー!?

礼音:無論。吸血鬼は夜が本番であるからな。詰まらなかったら……承知はせんぞ

浪路:ひぃぃぃん 。゚(゚´ω`゚)゚。

 

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