小説/本文 [小説]ユメノツバサ – The Double Actor -(3) ゆたかが京都に来て、初南賛の謎が明かされてから、一年が過ぎた。初南賛が父に会いに上京すると、待ち合わせて一緒に映画を見たり、遊んだり。離れている時は、Webカメラを用いたボイスチャットで、初南賛が演技指導をしたりしていた。しかし何故か最近に... 1992.06.01 小説/本文
小説/本文 [小説]ユメノツバサ – The Double Actor -(2)Side “YUTAKA” 昨晩、一睡もできなかったゆたかは、寝不足で腫らせたまぶたを鏡で見ながら、溜息をつく。昨日の撮影は散々であった。同じ役者として先輩風吹かせたつもりが、逆に見せ付けられてしまうとは。(同い年なのに…あんな演技できる奴も、いるんだな。完全にやられ... 1992.05.31 小説/本文
小説/本文 [小説]ユメノツバサ – The Double Actor -(1)Side “Jonathan” ”ぼく、お母さんと一緒に行く ”そう言って、父の元から去り、母と共に、母の実家がある京都に来た。(あれから、もう4年も経つのか……)家庭を放ったらかしで全国を飛び回ってばかり、話しかけてもまともに会話にもならない破天荒極まりない父のことなど... 1992.05.30 小説/本文
小説/本文 [小説]君に逢えて良かった(終) 奏子が居なくなってから、また昔のような無気力の日々が続いた。卒論を書く気など当然起きず、大学を留年した。その後何とか大学は卒業するものの、特定の職には就かず、適当に日給のバイトで過ごす日々。僕は奏子に掛けて貰った魔法をすっかりと無駄にしてい... 1992.05.28 小説/本文
小説/本文 [小説]君に逢えて良かった(2) それから、モデルになるのを口実に僕と奏子は大学内で頻繁に会うようになった。彼女にイメージチェンジさせられてからというもの、男性は勿論、女性から声を掛けられることも多くなった。だがその時既に僕には奏子しか見えていなかったのである。「えっ鳴海さ... 1992.05.27 小説/本文
小説/本文 [小説]君に逢えて良かった(1) あの頃の僕は、とにかく勉強しかやる事が無かった。「期末試験の順位貼り出されたぞー」「1位はまたA組の桐島かよ。全教科満点って何者だあいつ」「東大進学も決まってるらしいな。この学校から東大生出たの初めてだとか」「なんだってそんな奴がウチみたい... 1992.05.26 小説/本文
小説/本文 [小説]素敵な恋の忘れ方(終) クリスマスも終わり、月曜日。会社はすっかりと年越しムードである。一年の埃を払い、職場をピカピカにし、書類の山をまとめる社員たち。「あー、諸君。作業中済まない。来月から我が開発研究室は忙しくなることが予想されるので、また湧木君に手伝って貰うこ... 1992.05.24 小説/本文
小説/本文 [小説]素敵な恋の忘れ方(4) クリスマスイブの夜、22時。何故か明かりの灯る、ねぎ秘密結社開発研究室。どういうわけか室長の久我が緊急召集をかけて会議を開いたのである。「さて、もう22時か。以上で会議を終了する」研究員達は、気だるそうに帰り支度をする。「なんでわざわざクリ... 1992.05.23 小説/本文
小説/本文 [小説]素敵な恋の忘れ方(3) クリスマスイブまであと2日と迫っていた。目前に控え、街中はクリスマスムードに包まれていた。今年のクリスマスは週末と重なるため、各地でイベントも催されるようだ。沙織は、奈津恵に相談してからも湧木とは変わらず付き合いを続けていた。今更上総への気... 1992.05.22 小説/本文
小説/本文 [小説]素敵な恋の忘れ方(2) それ以来、上総はまた出張続きの日々で会社にはほとんど顔を出していない。一方の湧木は、上総とあんなやりとりがあったにも関わらず、沙織のことを問いつめはせずに「それでも最終的には僕を選んでくれたんだから、それだけでも十分だよ」と、変わらず優しく... 1992.05.21 小説/本文