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[小説]中原幹雄誘拐事件(1)

数ヶ月後……「わぁ、ビビアン。見て見て、今日のお弁当はビビアンの好きなエビフライだよ」満面の笑みを浮かべて、弁当箱のフタを開けた中原幹雄は。弁当箱の前に置いてある(この場合「いる」の方が正しいのか?)ビビアンに話しかける。ビビアンとは、幹雄...
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[小説]中原幹雄誘拐事件(プロローグ)

天気の良い、5月のある日。住宅街のど真ん中にある、小さな公園にて。公園の隅にある、大きな一本木の伐採が行われていた。樹齢何百年はあろうかという老木の伐採なだけに、周囲に住む住人達、十数人が野次馬に訪れていた。「それにしても…大きな木だね~。...
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[小説]千葉湯けむり殺人事件(終)

「ウチの車をこんなにしやがって、高くつくぜ・・」陣内は車の前に回り込む。「シケた車に乗ってやがんじゃねぇか、新車を買ってやろうかい?もっともお前はもう乗れねぇがな。」言って琴蕗が足を止めた。メキ!!バキバリッ!!陣内が車のバンパーを引き剥が...
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[小説]千葉湯けむり殺人事件(9)

ヒュンッ・・・ボウガンの矢が、男の頬をかすめる。「物騒なモンはしまいなよ。にあわねぇぜ。お嬢ちゃん。」男。黒いタートルネックにグレーのジャケット。最後屋こと、琴蕗夾一郎であった。「お嬢ちゃんと呼ぶのはやめなさい!!」ボウガンを構えるのは、橘...
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[小説]千葉湯けむり殺人事件(8)

そのころハリーの病院。「・・・・・・・・・・・」重苦しい空気が病室を包んでいた。あまりにも恐ろしく、不可解な「敵」組織の実体。秘密結社とはいえ、ほのぼのとした自分達の手に負えるケースなのか?今までの仕事とはワケが違うのだ。怪我人が出ている。...
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[小説]千葉湯けむり殺人事件(7)

そのころ、一人東京へ連れ去られた橘は。沢井が忘れ物を取りに外出したのをいいことに、沢井宅を抜け出し、一度自宅に戻って、車で再び千葉の温泉へ向かっていた。連れ去られた後、橘は何故かフィギュアのモデルにされ、あれこれとポーズを取らされ続けていた...
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[小説]千葉湯けむり殺人事件(6)

「眞妃ちゃん、どこいっちゃったのかしら?」珍しく真面目に心配そうなハリーが、水族館の廊下を歩いていた。「先に帰ったってことは無いわよねぇ?みはるちゃんもいるんだし・・・」10分ほど前から姿が見えない眞妃を、ハリーとみはるは手分けして捜してい...
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[小説]千葉湯けむり殺人事件(5)

「だ、誰だ?」警戒する一同の視線の先には一人の青年が立っていた。「あ、ど~も~、勝手に、いやいやいや皆さん災難でしたねぇ。」青年はズカズカと入り込んで来る。「あ、あの~」「いやいや御心配無く~。妖しい者ではありません。」青年は愛想よく答える...
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[小説]千葉湯けむり殺人事件(4)

一夜が明けた。「さあさあ、眞妃ちゃんっ!早く捜査しましょっ!」みはるは眞妃が言ったことを本気にしている。「はぁ?なんでよぉ。そんなの警察に.......」「でも、眞妃ちゃん『ねぎ秘密結社の名に賭けてっ!この事件は私達が解決するのよっ!!』っ...
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[小説]千葉湯けむり殺人事件(3)

話は少しだけ遡る。20分ほど前、橘は人知れぬ場所でため息をついていた。「はぁ~・・・ヒドイ目にあったなぁ・・・なんかまだ下は騒ぎになっているみたいだし、も少しここにいよう。」橘がいるのは旅館の三階、と言っても二階建ての旅館の上に、この部屋だ...