小説/本文 [小説]千葉湯けむり殺人事件(終) 「ウチの車をこんなにしやがって、高くつくぜ・・」 陣内は車の前に回り込む。 「シケた車に乗ってやがんじゃねぇか、新車を買ってやろうかい? もっともお前はもう乗れねぇがな。」 言って琴蕗が足を止めた。 メキ!!バキバリッ!! 陣内が車のバンパ... 1992.03.08 小説/本文
小説/本文 [小説]千葉湯けむり殺人事件(9) ヒュンッ・・・ ボウガンの矢が、男の頬をかすめる。 「物騒なモンはしまいなよ。にあわねぇぜ。お嬢ちゃん。」 男。黒いタートルネックにグレーのジャケット。 最後屋こと、琴蕗夾一郎であった。 「お嬢ちゃんと呼ぶのはやめなさい!!」 ボウガンを構... 1992.03.07 小説/本文
小説/本文 [小説]千葉湯けむり殺人事件(8) そのころハリーの病院。 「・・・・・・・・・・・」 重苦しい空気が病室を包んでいた。 あまりにも恐ろしく、不可解な「敵」組織の実体。 秘密結社とはいえ、ほのぼのとした自分達の手に負えるケースなのか? 今までの仕事とはワケが違うのだ。 怪我人... 1992.03.06 小説/本文
小説/本文 [小説]千葉湯けむり殺人事件(7) そのころ、一人東京へ連れ去られた橘は。 沢井が忘れ物を取りに外出したのをいいことに、 沢井宅を抜け出し、一度自宅に戻って、 車で再び千葉の温泉へ向かっていた。 連れ去られた後、橘は何故かフィギュアのモデルにされ、 あれこれとポーズを取らされ... 1992.03.05 小説/本文
小説/本文 [小説]千葉湯けむり殺人事件(6) 「眞妃ちゃん、どこいっちゃったのかしら?」 珍しく真面目に心配そうなハリーが、水族館の廊下を歩いていた。 「先に帰ったってことは無いわよねぇ?みはるちゃんもいるんだし・・・」 10分ほど前から姿が見えない眞妃を、ハリーとみはるは手分けして捜... 1992.03.04 小説/本文
小説/本文 [小説]千葉湯けむり殺人事件(5) 「だ、誰だ?」 警戒する一同の視線の先には一人の青年が立っていた。 「あ、ど~も~、勝手に、いやいやいや皆さん災難でしたねぇ。」 青年はズカズカと入り込んで来る。 「あ、あの~」 「いやいや御心配無く~。妖しい者ではありません。」 青年は愛... 1992.03.03 小説/本文
小説/本文 [小説]千葉湯けむり殺人事件(4) 一夜が明けた。 「さあさあ、眞妃ちゃんっ!早く捜査しましょっ!」 みはるは眞妃が言ったことを本気にしている。 「はぁ?なんでよぉ。そんなの警察に.......」 「でも、眞妃ちゃん『ねぎ秘密結社の名に賭けてっ!この事件は私達が解決するのよっ... 1992.03.02 小説/本文
小説/本文 [小説]千葉湯けむり殺人事件(3) 話は少しだけ遡る。 20分ほど前、橘は人知れぬ場所でため息をついていた。 「はぁ~・・・ヒドイ目にあったなぁ・・・ なんかまだ下は騒ぎになっているみたいだし、も少しここにいよう。」 橘がいるのは旅館の三階、と言っても二階建ての旅館の上に、 ... 1992.03.01 小説/本文
小説/本文 [小説]千葉湯けむり殺人事件(2) その頃、この物話に今まで唯一登場していなかった 遠山 満は… 「あ~いいねェ!温泉は何回入ってもいいねェ!」 本日三度目の入浴をしていた。 この旅館は24時間、温泉を開放しているのである。 よほど気分がよいのか、彼は歌い始めた。 「ワルサ~... 1992.02.28 小説/本文
小説/本文 [小説]千葉湯けむり殺人事件(1) …それは、まだ年明けの寒い夜の出来事だった… 一人の青年が、初詣帰りに古びた旅館を訪れた。 「こんばんは~」 広々とした玄関に自分の声がこだまする。 その時、 ガチャーーーン・・・ 遠くでガラスか何かの割れる音がした。 (何だろう?) 音は... 1992.02.27 小説/本文