継人:オレがなんだって?
渉:あっ……(どことなく見覚えのある顔……)もしかして、君が継人くん!?
継人:もしかしても何も今オレの事話してなかったか?
渉:ああ…!そうなんだ!そうだよね、会社の社員寮なら会ってもおかしくない……
は、はじめまして!僕は室井といいまして、君のお父さん…雅人さんと一緒にお仕事をさせてもらっています。
継人:……父さんと?
渉:よく似た顔立ちだからもしや、と思ったら……よかった、君に会ってみたかったんだ
(継人に近寄って握手を求めようとする)
継人:……ッ!!!(パシッ!っと渉の手を払いのける)
渉:!?
継人:近寄るな!!
渉:ど、どうしたのかな?
継人:あ……(我に返る)す、済まない、なんか……嫌な感じがして
(ってオレ、初対面の人間にすげー失礼なこと言ってるな……でも……)
渉:そうか………やっぱり
継人:(「やっぱり」?)
夜半:俺も、「はじめまして」かな、仙波くん。同じ会社だけど今まで会ったことなかったしね。
俺は国際部の白鳥。久我ちゃんからはよく話を聞いているよ。よろしく……(渉の前に割り込んで手を差し出す)
継人:―――――!!!!
ゴスッ!!!
渉:うわぁ!? な、なにするの!?
継人:う、うるせぇ!なんかお前ら……すごい嫌な感じするんだよ!
オレの本能というか直感というかが、お前らを受けつけねぇんだよ!!
夜半:あ痛たた……(とっさに防御したものの蹴りをモロに受けた)
渉:だっ、大丈夫ですか白鳥さん……
梧:継人が階下に降りてから、何か外が騒がしいと思ったら……
なに、この会社で一番ケンカ売っちゃいけない人にケンカ売ってるの。
継人:あぁ!? 梧、お前は何にも感じないのか!? 大島の人間なら多少なりとも直感が働くだろ!
梧:いや別に……こっちの人(渉)は知らないけど、白鳥部長は別に悪い人じゃないし…。
渉:ぼ、僕も一応善良な一般市民ですけどね?
継人:父さんの仕事仲間の……あんたもそうだが、そっち!(夜半を指さす)
夜半:俺?
継人:今確信した、オレが今まで社員寮に近づきたくなかった原因は、間違いなくあんただ!
夜半:ほう。
継人:なんつーか…あんたがそこにいるだけで…すごく、身体の奥から悪寒がするというか、ゾワゾワが止まらないというか…
夜半:…………面白いね。それがきっと君の本能なんだろうね。
梧:継人の……何だろう、人外さんを見分ける能力にでも、目覚めたってことですかね?
夜半:人外という区分なら、彼の同じ部署に死神のアラウネちゃんがいるだろう。
梧:そっか、それならとっくに悪寒が止まらなくなってるか。
夜半:仙波………いや、継人くん。ちょっと試してみてもいい?
継人:は?
夜半:悪いようにはしないから………たぶん。
渉:たぶん!? な、何する気ですか白鳥さん!?
(夜半の左手が怪しく光りだす)
継人:(瞬時に猛烈に嫌な予感を感じ取る)さ……させるかよっ!!!!
ゴスゥッ!!!!!(強烈な蹴り2発目)
継人:(入った………!!! やったか…!?)
雅人:痛たた………や、やめなさい、継人………
夜半:……はぁ。陰でいつまで見てるのかと思ってたけど、やっと出てきたか。
渉:(雅人の方を見て)仙波さん!?
継人:と、父さん……なのか?
(つづく)