(昼休み、ミーティングスペース)
みはる:………う~~~~~~~~ん…………
橘:どこかわからない?わからないところがあったら言ってね。
みはる:………どこがわからないのかわからない………
橘:…………(汗)
みはる:たとえばさあ……これとか、どーいう意味?
橘:これはね………
みはるちゃんは今、普通自動車第一種運転免許(AT限定)を取得するために頑張っている。だけど……
橘:「左を見よ」だよ。
みはる:そーなのかぁ!うんうん、覚えた!あとはねー…あっ、これは?
橘:これは「時速50km以上で走れ」だね。
みはる:うんうん、わかった~
賢明な読者さんにはおわかりかもしれないが、僕はいま適当なことをみはるちゃんに教えている。なぜなら…
みはる:これは?
橘:「知らないおじさんにはついていかないこと」
みはる:えっと、これは?
橘:「好きな方向に行ってよし」
みはる:これはー?
橘:「電車に乗り換えよう」
みはる:うーんと、あとこれ!
橘:「その場でぐるぐる回れ」
僕は……できることなら……みはるちゃんには、
絶対に合格してほしくない!
みはる:ありがと~橘くん!やっぱり橘くんは免許持ってるだけあってくわしいね~
橘:ははははは………それほどでも………わからないことがあったらなんでも「僕に」きいてね……
みはるちゃんが教習所にいる間は、ちょっとした有名人になってしまっていて、
名だたる教官という教官が次々と匙を投げるくらいに、壊滅的に運転センスがなかった。教習車を何台ボコボコにしたかわからないほどだ。
みはる:これであたしも合格できるかなぁ~。免許取ったら、まず一番に橘くんを助手席に乗せてあげるからね!
橘:絶対に嫌……いや、うれしいよ。
まあ……この調子なら、筆記試験が通るとも思えないしそのうち諦めてくれるだろう…今後出かけるときは運転は僕がすればいいわけだし…
みはる:あ~!はやく免許とって走り回りたーい!
前の車に甲羅とかぶつけてみたーい!
まず免許欲しくなった理由がマリ○カートやってて、って時点で間違ってるし……よくこんな状態で教習所卒業できたよなぁ……うう……
みはる:ん?どしたの橘くん?何か泣いてない?
橘:う、ううん、なんでもないよ。明日の筆記試験は僕も付き添っていくから、頑張ってね。
(翌日、運転免許センター)
橘:ど、どうだった?試験…
みはる:ぜんぜんだめだったよぉ~~~~><
橘:(ホッ)
みはる:わかんないから、わかんないとこはもうエンピツ転がして決めちゃったよ!
(※試験は○×2択形式)
橘:(嫌な予感)
みはる:結果見るのこわいなぁ~~~あぁ~受かるかなぁ~><
電光掲示板みればいいんだよねっ 見てくるー!
頼む、落ちてくれ…!!!
みはる:たちばなくぅ――――――ん!!! あたし受かったよぉ――――――!!!!
orz
(免許センターを後にすると、車に乗ったみひろが待っていた)
みひろ:免許とれたらすぐ橘さんを乗せたいって、みはるが言うものだから…
車、持ってきましたよ。(※みひろは運転免許取得済み)
橘:えっ、、、、
みひろ:あとはみはるが運転するので………(後ずさりする)
橘:待って?みひろちゃん?みひろちゃんも一緒に乗らないの??
みひろ:わっ 私はこれからちょっと用事があるので電車で帰ります…
みはる:さぁさぁっ橘くん!この、普通運転免許という国家資格を持ったあたしが、運転してあげるから乗って!乗って!!
橘:あ……あははははは………
みはる:橘くんには、素敵な冥土の旅を約束するよっ!
橘:それ、意味わかって言ってる????
みはる:ごちゃごちゃいわないっ!さーさー乗ってぇ♥
橘:うわぁぁぁぁああああ助けて――――――!!!!!!
※過去に短編小説として公開していたネタをリメイクしました。
各交通標識の本当の見方は →こちら