[NEWS]夏のわけぎ親睦旅行・10 レイレイのうた

○刊ねぎ秘密結社ニュース

【これまでのあらすじ】
関東近郊の海に社員寮の住人達で旅行に来た面々。
到着直後はじめた海水浴に日差しの苦手な二名(夜半氷雨)は参加せず浜辺でのんびりしていたが、その後夜半がどこかに居なくなった。
その日の深夜、みんなで肝試しツアーを開始するが夜半は姿を現さない。氷雨は肝試しのルートを歩く途中で見つけた隠れ洞窟で、夜半の上着と海パンを発見。
彼が本格的に行方不明になったのだと心配するが、「あの人なら放っておいても死ぬようなことはないから」と、誰も取り合ってくれなかったのであった。

(つまり4話の続き)

 

氷雨:皆さん心配しなさすぎじゃないですかー!?
……そりゃ、真祖は殴ったって蹴ったって刺したって絞めたって死なないですけど!!!

司:あははははは、夜半っちに人望ないわけじゃないんだろうけど、いくらなんでもみんなハクジョーすぎて笑えるわw

氷雨:!! ふ、古屋さん!? 来ていたんですか!?(注:ふるやんは男だけど人外なので普通に話せる仲)

司:おうよ、社員のいるところならどこでも憑いて行けるからな~
楽しそうだったんで、こっそりじろっちみっきぃのペアにくっついてたぜ。

氷雨:そうだったんですか…………あ、古屋さんは幽霊だから睡眠はとらないのですよね?

司:そーよなー。眠くもねぇし、…かと言って社員から離れることもできねぇし。なにしてよっかな。

氷雨:なら、一緒に真祖を捜してくれませんか!? 私、どうしても心配で…!
…人間は、卑怯です!自分さえ安全なら他人はどうでもいいなんて…!

司:まあまあまあまあ。それだけ夜半っちがいかに強くて頼りになるかって、みんなわかった上での判断なんだろーから、そんな目くじら立てるなよ。
おっし、いーぜ。一緒に捜そう。案外、木の上とか、みんなに見つからないようなトコで居眠りしてるかもしれねーしw

氷雨:木の上……でも、真祖のラッシュガードと水着が見つかっています……裸のままどこかにいるのでしょうか……。

司:素っ裸で泳いでたら着てるモン流されて帰ってこれないとか?どっかの岩場にでも隠れてるんかね?
夜半っちならそんなこと気にせずなんとか隠すもん隠して帰って来そうな気もするけど…

氷雨:まさか、溺れて死………
いえいえいえ、真祖が死ぬはずありませんしっ

司:いや、死ぬらしいぜ?

氷雨:え!?

司:おれのボスに当たるレイレイの話だと、吸血鬼の真祖は一応死ぬことはあるらしいんだ。
ただ、どんなに肉体が傷つこうが、最悪灰になっちまっても、すぐ再生しちまうからあの世に留まることはできないんだってさ。

氷雨:そうだったんですか…。

司:問題は今夜半っちがどんな状態でいることかだよな~。こればっかりは訊いてみないとわっかんねぇな。

氷雨:訊く?真祖にですか?

司:行方不明のやつにどうやって訊くんだよw 吸血鬼のことは吸血鬼に訊いた方が早ぇじゃん。

氷雨:吸血鬼に…って、古屋さんと契約しているという吸血鬼さんのことですか?

司:そそ。おれにはレイレイが今どこにいるかなんてわかんねぇけど、あっちにはわかるらしいぜ?
眷属に流れる血と自分の血が繋いでくれるとかどーとかで。まぁおれぶっちゃけ肉体ねぇけど試してみる価値はあるよな。
ってなわけで………………(すぅー……………っ)

レーイレ――――――イ!!!!!
おまえのかわいいふるやんがお呼びだぞ―――――― !!!!!
レイレイちゃーん!!!!! レイ!レイ!ちゃ――――――ん!!!!!
来てくれないと歌っちゃうぞ―――――― !!!
せーのっ レイッレイッ♪レレレレイッレイッ♪
かわいいイングリッドちゃんっ♪
かれんなレインウォーターちゃんっ♪
おれたちのイングリッドちゃんが世界を愛で包んでくれるっ♪
レレレレイッレイッ♪
レレレレイッレイッ♪

氷雨:ぶふぉっ(思わず吹き出す)

 

(二人の上空が光りだす)

 

レイン:司ぁぁぁああ―――――― !!!!!
その心底気色悪い歌を今すぐ止めろ!!!!!!

氷雨:わっ!本当に来ました…!

レイン:貴様、今日の今日こそは成仏…いや消滅させてやる!!! この、厄災でしかない亡霊眷属めが!!!!!
(武器を出して容赦なく切り刻もうと襲い掛かってくる)

司:あっはははははははレイレイ!今日も血の気多いな!
あとおれ幽霊なんだからいくら斬りつけたって斬れねぇっての、いい加減学習しろよw

氷雨:あわわわわわ……夜遅いですし、ご近所迷惑になっちゃいますしその辺で……

レイン:なんだ貴様は!……ほう、珍しいな。雪女族の小娘か。

氷雨:はっはじめまして!古屋さんと同じ会社に勤務しています。朝霧氷雨と申します。
よろしくお願いいたします、レイレイ様。

レイン:その人を小馬鹿にした名前で呼ぶな!!!
私の名はイングリッド・レインウォーターだ!!!!

氷雨:うっうわぁんすいませんっ、だって古屋さんがそう呼んでたからそういう名前なのだと……っ

司:あははははは、レイレイでいいじゃんもうw

レイン:良くないわ愚か者めが!!!!

司:まあまあそれはさておき、レイレイさー、夜半っちが今どこにいるとか、今生きてるとか死んでるとかわかるか?

レイン:ヨハッチ……アレクのことか。いちいちわかりにくい呼び方をするな貴様は。
アレクの奴がここにいるのか?気配を感じないが。

司:気配……もし近くに居れば、気配でわかるのか?

レイン:当たり前だ。奴は私と同等(※本当はレインのが弱いけどね)の吸血鬼の真祖。
たとえ隠れていたとしても、人知を超えた強大なオーラを放つ奴の気配を感じられないことはない。が…

氷雨:が……?

レイン:………ふむ………まさかな………
おい、雪女族の娘よ。奴はどこで姿を消したのか分かるか?

氷雨:あ、はい!あっちです!

 

 

 

(夜半の衣類が見つかった洞窟)

 

氷雨:(あれ……?)

司:へ~。肝試しコースの真下にこんな洞窟が!
こっちのが雰囲気あっていいカンジじゃん!

氷雨:……あ、レイン様。ここの突きあたりで、真祖…白鳥部長の水着とかを見つけました。

レイン:……………

氷雨:(それにしても………)

司:……なんだよ、二人して黙っちゃってさ。なんか分かったのか?

氷雨:いえ、さっき水着を拾った時よりも、足元がぬかるんでいる感じが…

司:まー、すぐそこ海だしなー。レイレイは何かわかったのか?

レイン:……………………アレク……貴様、一体何があった……

氷雨:!! レイン様、何かわかったんですか!?

レイン:奴の姿はここにはないが……この一帯に、奴の気配を感じる。
間違いない。奴は死んで、になり海に流されておる。

氷雨司:ええええええええええええ!!!!?????

 

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