―― 6月 ――

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[小説]―― 6月 ――(終)

そして現在。 折り畳み傘を握りしめたまま、ボーっとしている眞妃。 「……ちゃん」 「…きちゃん」 「眞妃ちゃんっ!!」 「えっ!?」 不思議そうに、眞妃の顔をのぞき込む、ハインリヒ。 けれどもその直後、 「ねえねえっ!昨日新発売のファンデー...
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[小説]―― 6月 ――(4)

次の日の朝。 (何だろう…頭がすっごく重たい…) 眞妃は、自宅のベッドに横になっていた。 (あれ…?私…確か明のマンションにいなかったっけ…?) それで、明の従兄弟に会って… 明の従兄弟はオカマで、そんなに悪い人ではなさそうだった。 だから...
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[小説]―― 6月 ――(3)

お互いの想いを確認し合った二人は、それからの季節を共に過ごしていった。 昼は、仕事に励み。 夜は、眞妃の指導による日本語の勉強。 時には、眞妃が明のマンションに泊まり、食事を作ったりした。 その甲斐もあってか、明の日本語はどんどん上達してい...
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[小説]―― 6月 ――(2)

仕事もようやく慣れ始めた、10月。 「成沢さんが来てくれて、ホントに助かったわ。 経理の仕事って、はっきりいってそう簡単なものじゃないのに、 あなたってば、一度言っただけですぐ覚えてしまうんですもの」 「そんな…瀬上主任の教え方が上手いから...
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[小説]―― 6月 ――(1)

6月28日。 経理部の成沢眞妃は、いつものように、 帳簿とにらみ合いながら、電卓を叩いていた。 ……サ――――――――ッ…… (……あら……?) 突然涼しげな音がした。 眞妃は、そっとブラインドの隙間から外を覗いてみた。 (雨かぁ……これは...
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[小説]―― 6月 ――

6月の、ある雨の日。成沢眞妃はかつての恋人・ハインリヒ=明=相原との過去を振り返る。 同期に入社した眞妃と明。次第に惹かれあい、誰もが羨む仲睦まじい恋人同士となるが…。 明の背後には二人の仲を脅かす、ある一人の男の影があったのだった。 これ...