(都内のとあるスーパー)
みゆき:(ふむ……あれとこれと……あとこれか。結構買うものが多いな…
今日は寒いし、さっさと回って帰るか)
(店内をある程度回り、レジへ向かう)
みゆき:(む……混んでるな。まあ夕方の混む時間帯だし、仕方ない。並ぶか…)
(前にはロングヘアの若い主婦が並んでいる)
中年の女性客:ま~~混んでるわね~~っ、よいしょっと。
(若い主婦の前に堂々と割り込む)
若い主婦:あの、ちょっと。私、並んでるんですけど。
中年の女性客:(無視)
若い主婦:あ・の!! 私が先に並んでいたので割り込まないでもらえますか!
中年の女性客:(にらみつける)あらそうなの?全然気づかなかったけど。
あなた若いんだから年寄りに譲りなさいよ。
若い主婦:レジ並ぶ順番に年齢は関係ないと思いますけど!
中年の女性客:あぁうるさいわねもう!ここ一人分空いてたんだからいいでしょ!
(※客同士の間隔を空けるように足元にラインが引いてあったのでその通りに並んでいただけである)
全く!最近の若い子ってホント細かいことうるさいわよねぇ。
若い主婦:うるさいって……ルール違反はそっちだと思いますけど?
中年の女性客:年取ると並ぶのも疲れるのよ!年長者をいたわるってことをできないの!?
みゆき:私は彼女が先に並んでいたのを見ていた。
それに同じ条件でここに買い物に来ている以上、誰がどんな身であろうと優先順位などない。
若い主婦:!!
中年の女性客:あぁ!? なによアンタ!
みゆき:見ろ。隣の列には杖をつきながら並ぶ人もいる。貴女は足腰に問題はなさそうだが。
いい歳して順番も守らず、悪態ついて恥ずかしいと思わないのか?
順番を守って並ぶことなど、幼稚園児でもできることだ。
中年の女性客:くッ……うるさいわねッ!!(悔しそうにそそくさと去る)
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(会計を終えた後)
若い主婦:あのっ、ありがとうございました!
みゆき:別に。何もしていないだろう。
若い主婦:いえ!あそこで一言添えてくださって、とても頼もしくて心強かったです!
見て見ぬふりをする人がほとんどだというのに…。
みゆき:本当だな。私も普段なら見過ごしていたかもしれない。……まあ、気まぐれだ。
若い主婦:それでも、ありがとうございます!
…あっ、お夕飯のお買い物ですよね。あんまり長く足止めしたら悪いですよね。
みゆき:いや別に。うちは二人暮らしだし、旦那は大体いつも帰りが遅いしな。
若い主婦:そうなんですね~。うちは小さい息子が二人いるけど、いつも親に見てもらっちゃってるんで。
おかげでのんびり買い物ができちゃいます。
みゆき:そうか。
若い主婦:う~~~ん………あ、そうだ。
みゆき:……?
若い主婦:(自販機の前に立ち何かを買う)
はいっ こんなもので申し訳ないですけど、今日のお礼です!
みゆき:・・・・・・・
若い主婦:カレー嫌いですか?
みゆき:いや…別に……そんな、お礼などいいのだが。
若い主婦:いえいえ、もらってやってください!カレー苦手だったら、旦那さんにでも!
みゆき:苦手なわけではないが…まあ、ではありがたく受け取っておく。
若い主婦:それじゃ、私はそろそろ失礼しますねーっ!
みゆき:ああ…。
(なんで、カレー……)
(翌日、昼休み)
蔦子:ふう、ようやくひと段落かしら。今日も食堂は大盛況ねーっ!
あら、みゆきさんお昼まだなの?今日のオススメは
蔦子デラックス特盛デカ盛り激辛カレーよ♪
みゆき:カレー……
蔦子:あら、みゆきさんカレー苦手?
みゆき:いや、そういうわけではないが……
???:それでね、千雪さん!その人すごく格好いい女の人でね!
颯爽とツッコミを入れてくれてノーマナーおばさん追っ払ってくれたの!
千雪:そういう輩にハッキリと注意できる強い意志のある女性は素晴らしいですわね。
みゆき:(ん、この会話は……)
みゆき:(世間、狭いな……)
※芹子とみゆきが社外で知り合う話は大昔に書いたと思うのですが、どうしてもログが見つからなかったので新規書き下ろししました(;´∀`)