満:メリ~ィクリスマ~ァス!!!!!!よっす!みんなリア充してるか!?
オレの名はとおやまみ………じゃなかった、
オホン!オレの名はまんタクロース !!!
サンタクロースじゃないぞ、まんタクロースだ!
サンタクロースがちっちゃな良い子たちの味方なら、
まんタクロースはおっきな良い子たちの味方なんだ! 覚えとけコラ!
さーて今日はどこのおウチに住居不法侵入しちゃおっかな~!
どんな家でもスンナリ入れちゃうステキな魔法を夜半っちから本日限定で伝授してもらった!
どんなに頑丈な鍵をかけても、まんタクロースはあなたのハートに忍び込んじゃうぜ!
…っと、ここまでがテンプレ!
さーて、今年もおっきな良い子の家に……って、ここ何年かの傾向どおりだとすると今年も誰かオレ以外のサンタ役が……
悟史:そのとおりだよまんちゃ~ん………
満:うわッ出たッ!!!! ……って、さとっつぁんかよ。
んー?なんだか地味~~~~~な色だな?
悟史:うん……なんか、グレーのさとっつぁんクロースって名乗れとか、なんとか……ぐす
満:(泣いてる…)
悟史:なんか、運悪く社長の社員番号ルーレット?みたいなのに今年は俺がひっかかっちゃったみたいで……
ううう……今年のクリスマスは日曜日だっていうのに、子どもたちと過ごせないなんて……なんという仕打ち……っっっ
満:それで泣いてんのか~、まぁさとっつぁんらしいっちゃ、らしいけどw
つーかオレなんて毎年やってんだぞ。子どもとクリスマスの夜過ごしたことなんて、ほとんど無ぇわー。
悟史:そっかー…まんちゃんも大変なんだね…
俺はこの仕事が終わったら、子どもたちにも「サンタ」としてプレゼントを贈らないといけないんだけど……
満:あ、そーか。子どもにとっちゃ親がサンタだもんな。そうじゃない家もあるかもだけどまぁ大体は。
悟史:悟未ちゃ……長女の欲しいプレゼントがさー……きっついんだよね……
満:なんだ?めちゃくちゃ高っかいオモチャとかか?
悟史:そんなんだったら、たとえ幾らでも買ってあげちゃえるけど!そうじゃないんだよ。
満:んー?なんなんだ?そんな難しいプレゼントって。
悟史:「サンタさんのヒゲが欲しい」って。
満:サンタのヒゲ……そんなん、100円ショップとかで売ってね?
悟史:最初は、俺もそう思ってね。去年も同じこと言われたから、買って贈ったんだよ。そしたら…
満:そしたら?
悟史:「これニセモノだ~。だってアクリルでできてるもん。ちゃんと人毛のヒゲじゃないと。サンタさん、ヒゲ剃りたくないのかな?」って…
満:うわあ、無駄な本物志向…
悟史:その時は「き、きっとクリスマス終わるまでは剃ったらダメなんだろうね」ってごまかしたら…
今年も同じもの要求してきて。。。。
満:さとっつぁんの娘の執念なんなん。。
悟史:「去年お願いしたから、今年はきっと剃っておいてくれてるよねっ!」って……だから、今年のこの仕事、嫌だったけど、逆にこれはチャンスだと思って引き受けたんだ。
満:チャンス?
悟史:まんちゃん………
悟史:髪の毛ちょうだい?
満:!!?!?!?
悟史:サンタクロースじゃなくてまんタクロースだけど、生の人毛なら悟未ちゃんだってきっと納得してくれるはず……!!!!
満:ちょ、ちょっ……さとっつぁん!!?? 目つき怖いんだけど!?
悟史:なーに、ほんの10cmくらいくれればいいから……束で。
満:束!!!! やめて!!!!!
悟史:俺はサンタの毛……ヒゲを持ち帰って、子どもたちと香澄ちゃんと、いつもの楽しくて幸せなクリスマスパーティーに行くんだ……!!!
満:う――――――わ――――――!!!!
今年これ仕事どころじゃなくね!? 人選ミスだっての社長――――――!!!!!