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[小説]千葉湯けむり殺人事件(2)

その頃、この物話に今まで唯一登場していなかった遠山 満は…「あ~いいねェ!温泉は何回入ってもいいねェ!」本日三度目の入浴をしていた。この旅館は24時間、温泉を開放しているのである。よほど気分がよいのか、彼は歌い始めた。「ワルサ~P38~ こ...
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[小説]千葉湯けむり殺人事件(1)

…それは、まだ年明けの寒い夜の出来事だった…一人の青年が、初詣帰りに古びた旅館を訪れた。「こんばんは~」広々とした玄関に自分の声がこだまする。その時、ガチャーーーン・・・遠くでガラスか何かの割れる音がした。(何だろう?)音はどうも外でしたよ...
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[小説]微笑の暗殺者(終)

1ヶ月後。「…桐島さんが来なくなってから、もう1ヶ月か~」屋上には、満と浪路、継人がタバコを吸いに来ていた。少し離れたところに、芹子と眞妃、ハリーもいた。「ああそうだ、仙波。オレお前に聞こうと思ってたんだけどよ」突如、満が継人に問う。「…何...
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[小説]微笑の暗殺者(4)

翌日。昼休み、食堂に女子達が集まって話をしていた。「桐島さん、もう退院なんでしょ?」お菓子をほおばりながら、愛子が言う。「そうみたいね。なんだか信じられない。手首を切ったってのに…それにしても…今思い出してもゾッとするわ」上総が手首を切った...
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[小説]微笑の暗殺者(3)

”キ~ン コ~ン カ~ン コ~ン… ”「よーし終わったぁっ!」待ってましたと言わんばかりに、芹子が机の上を片づけて席を立つ。この後、ちょっとした予定があるのだ。「在素ーーっ!仕事終わったわよ!やりましょ!!」ダッシュで研究室を訪ねる芹子。仕...
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[小説]微笑の暗殺者(2)

翌日。何事もなかったかのように、上総はいつもと変わらない様子で出社していた。恭一郎も、特に気にもせずに研究に勤しんでいた。昼休み。社員たちが食堂で昼食を取っていた。「なんだ満?それ食いもんか?」おそるおそるとフタを開けた満の弁当を見た浪路の...
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[小説]微笑の暗殺者(1)

「まったく…いい加減にして下さいよ!!!無事だったから良かったものの……もし万が一命に関わってたらどうしてくれるつもりだったんですか!!」そう言って、普段は荒らげない声を荒らげて怒鳴るのは、橘。ここは、継人が救急車で運ばれた病院の待合所。継...
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[小説]微笑の暗殺者(プロローグ)

”ドガッシャアァァァァーーーーーーーーンン!!!!!”何気ない、N.H.Kのいつもの朝。その静寂を破るかのような、もの凄い物音。「な、何っスか!!!???」次郎は驚いて音のあった方を向く。開発研究室からだ。「ああ、今日もまた久我さんがなんか...
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[小説]Early Christmas(後編)

(何がプロポーズよ…言葉も何もあったもんじゃないわよ…)「……子……」(別に、結婚がイヤってわけじゃないけど…)「…おい、芹…」(もうちょっとロマンってものが……)「おい、芹子おっ!!」「はっ!?」「もうチャイムなったぜ、帰るぞ」いつの間に...
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[小説]Early Christmas(前編)

「ちょ、ちょっと芹子ちゃん!!辞めるって本当なのっ!?」朝。芹子が会社に来るなり、自分の元へ飛び込んできたのは愛子だった。「な、何よ愛子、いきなり…」「だ、だってさっき浪路さんが…そんなこと言ってて…」突然の知らせに、愛子は目を潤ませている...