小説/本文

[小説]素敵な恋の忘れ方(3)

クリスマスイブまであと2日と迫っていた。 目前に控え、街中はクリスマスムードに包まれていた。 今年のクリスマスは週末と重なるため、各地でイベントも催されるようだ。 沙織は、奈津恵に相談してからも湧木とは変わらず付き合いを続けていた。 今更上...
小説/本文

[小説]素敵な恋の忘れ方(2)

それ以来、上総はまた出張続きの日々で会社にはほとんど顔を出していない。 一方の湧木は、上総とあんなやりとりがあったにも関わらず、沙織のことを問いつめはせずに 「それでも最終的には僕を選んでくれたんだから、それだけでも十分だよ」 と、変わらず...
小説/本文

[小説]素敵な恋の忘れ方(1)

「ま、マジで告ったんかお前」 翌日。湧木から話を聞かされた遠山 満は驚いて口から煙草を落としかけた。 「なんでそんなに驚くんッスか?頑張ってみればー?って言ったのまん部長じゃないッスか」 「あ、ああ…そいえば言ったっけか?まあいいや。んで沙...
小説/本文

[小説]素敵な恋の忘れ方(プロローグ)

隅から隅まで目を通し、チェックを入れ、印鑑を押す。 一枚、また一枚と重ねられてゆく書類。 事業企画部の蔵石沙織は、果てしない山のような書類に埋もれていた。 「いやー、やっぱ月末はしんどいなぁー」 二人分のお茶を片手に、湧木廉太郎がやれやれと...
小説/タイトル一覧

[小説]素敵な恋の忘れ方

桐島上総からのアプローチに心を揺らす蔵石沙織に、湧木廉太郎が告白! 軽い気持ちで付き合いだしてしまったが……それを知った上総は。 一方、沙織の気持ちがまだ自分に向いてないことに気づいている湧木も、徹底抗戦! 複雑な事情入り乱れるこの三角関係...
小説/本文

[小説]暴君フレスリーザ ~愛を忘れた王子様(終)

数日後、国際部。 骨折が治っていないリーザは、車椅子で出社した。 本当はもう少し安静にしていなければならないのだが、 仕事に迷惑を掛けたくないし、両手は動くので、少しでも仕事がしたいと希望したのだった。 「白鳥部長。本当に、ご迷惑をお掛けし...
小説/本文

[小説]暴君フレスリーザ ~愛を忘れた王子様(3)

「もう、誰も信じられん。信じられるのは自分だけだ。 だがもう、自分が自分でいることすらも、疲れた……」 「何もかも放り出したかった。なくしてしまいたかった。ゼロになりたかった。 だがその時はまだ死ぬ勇気はなかった。いっそ何もわからない土地で...
小説/本文

[小説]暴君フレスリーザ ~愛を忘れた王子様(2)

「へぇ、それじゃあリーザさん、記憶が戻ったんだ」 昼休み。 みはるから、昨日の出来事を伝えられた橘は感心する。 だが、みはるの表情は何やら複雑そうだ。 「そうなんだけどねぇ~…」 「ん?何か問題でもあったの?」 「……リーザ様、前にパノスく...
小説/本文

[小説]暴君フレスリーザ ~愛を忘れた王子様(1)

「別にいいんじゃないの?」 やや深刻そうに相談に乗ってきた夜半に対し、なんてことないと言った感じで軽く返す奈津恵。 「えらくあっさり返すねぇ。本当にいいの?」 「だってなくした記憶が戻るわけでしょう?こんな良いことってないじゃない。 何か不...
小説/本文

[小説]暴君フレスリーザ ~愛を忘れた王子様(プロローグ)

毎年恒例、4月の大規模人事異動を終え。 国際部では、産休に入る大島椎子の穴埋めとして、 多彩な言語を使いこなせることから営業部のフレスリーザ・レオンハルト… …通称リーザ(様)が異動、配属された。 だが。 「白鳥部長、今日はDVDの白菜がペ...