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[小説]中原幹雄誘拐事件(2)

「うっ……ううっ……うっうっ……」 午後7時。 会社の食堂にて、女の子が一人、泣いている。 みはるである。 彼女も、終業時間と同時に帰ったはずなのだが、 会社に人が残っていないかと、再度会社を訪れたのである。 だが…カギは開いていたものの、...
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[小説]中原幹雄誘拐事件(1)

数ヶ月後…… 「わぁ、ビビアン。見て見て、今日のお弁当はビビアンの好きなエビフライだよ」 満面の笑みを浮かべて、弁当箱のフタを開けた中原幹雄は。 弁当箱の前に置いてある (この場合「いる」の方が正しいのか?) ビビアンに話しかける。 ビビア...
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[小説]中原幹雄誘拐事件(プロローグ)

天気の良い、5月のある日。 住宅街のど真ん中にある、小さな公園にて。 公園の隅にある、大きな一本木の伐採が行われていた。 樹齢何百年はあろうかという老木の伐採なだけに、 周囲に住む住人達、十数人が野次馬に訪れていた。 「それにしても…大きな...
小説/タイトル一覧

[小説]中原幹雄誘拐事件

会社帰り、突然何者かに襲われ、さらわれた中原幹雄。 そして現場には、無残にも鉢をバラバラにされたビビアン(花)が…!! 騒然とする社員達。そんな中、事実を毅然として受け止める幼な妻、ビビアンは…。 【登場人物】(過去の物語なのでその当時に合...
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[小説]千葉湯けむり殺人事件(終)

「ウチの車をこんなにしやがって、高くつくぜ・・」 陣内は車の前に回り込む。 「シケた車に乗ってやがんじゃねぇか、新車を買ってやろうかい? もっともお前はもう乗れねぇがな。」 言って琴蕗が足を止めた。 メキ!!バキバリッ!! 陣内が車のバンパ...
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[小説]千葉湯けむり殺人事件(9)

ヒュンッ・・・ ボウガンの矢が、男の頬をかすめる。 「物騒なモンはしまいなよ。にあわねぇぜ。お嬢ちゃん。」 男。黒いタートルネックにグレーのジャケット。 最後屋こと、琴蕗夾一郎であった。 「お嬢ちゃんと呼ぶのはやめなさい!!」 ボウガンを構...
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[小説]千葉湯けむり殺人事件(8)

そのころハリーの病院。 「・・・・・・・・・・・」 重苦しい空気が病室を包んでいた。 あまりにも恐ろしく、不可解な「敵」組織の実体。 秘密結社とはいえ、ほのぼのとした自分達の手に負えるケースなのか? 今までの仕事とはワケが違うのだ。 怪我人...
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[小説]千葉湯けむり殺人事件(7)

そのころ、一人東京へ連れ去られた橘は。 沢井が忘れ物を取りに外出したのをいいことに、 沢井宅を抜け出し、一度自宅に戻って、 車で再び千葉の温泉へ向かっていた。 連れ去られた後、橘は何故かフィギュアのモデルにされ、 あれこれとポーズを取らされ...
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[小説]千葉湯けむり殺人事件(6)

「眞妃ちゃん、どこいっちゃったのかしら?」 珍しく真面目に心配そうなハリーが、水族館の廊下を歩いていた。 「先に帰ったってことは無いわよねぇ?みはるちゃんもいるんだし・・・」 10分ほど前から姿が見えない眞妃を、ハリーとみはるは手分けして捜...
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[小説]千葉湯けむり殺人事件(5)

「だ、誰だ?」 警戒する一同の視線の先には一人の青年が立っていた。 「あ、ど~も~、勝手に、いやいやいや皆さん災難でしたねぇ。」 青年はズカズカと入り込んで来る。 「あ、あの~」 「いやいや御心配無く~。妖しい者ではありません。」 青年は愛...